今回の衆院選での自民党の圧勝の理由は「都市と若者の反乱」であるという仮説を選挙の翌日に主張した。小泉マジックにはまったとか、風が吹いたとか言う論が多い中で、少数ではあるが民意がどこにあったか分析し理解しようとしている人達がいるのは救いだ。17日にNHK BS1が報じた出口調査の基づく分析は興味あるものであった。
番組によると総投票数は前回比834万人増の6953万人、投票率は7.65%増の67.51%であった。このうち20,30歳代の投票が全体の21%から23%に増え、絶対数で314万人増えた。前回20-50歳代が民主党支持だったが、今回全年代で自民党支持が上まった。今回国民は全ての年代で小泉改革を支持し過半数議席獲得に貢献し、増加した若者の投票が上乗せして自民圧勝に導いたという説明が出来そうである。
一方角度を変えて政党支持率から投票結果を見ると、自民・民主ともに1%増えただけで変化が無いが、無党派層の投票パターンが民主支持が17%減り39%、自民支持が10%増え32%になった。つまり投票率は増えても政党支持の比率の変化はなかったが、無党派の民主支持減が結果に大きな影響を与えた。無党派層の年齢構成と地理的な分布が知りたいところである。
都市で自民党が圧勝したのは明らかであるが、東京の小選挙区で自民:民主の得票率50%:36%なのに議席数が23:1という衝撃的な結果になった。比例区だと得票率が38%:31%、議席数が77:61となったのと対照的である。今回都市のほうが全国平均の投票率増加率より3-5%高かったことが、投票結果に影響を与えたはずだがデータが無い。年齢構成も知りたいところである。それがわかると「都市の反乱」の原動力が何だったか明確に見えてくる。
民意は「政権を安定させ改革のスピードアップを求める」ものであった。反対派を公認せず敵と見方をはっきりさせ改革を打ち出す小泉マジックにかかったという表面的な見方は誤りで、民意に応える戦術を取ったので勝てたという謙虚さが必要だろう。私は解散直後から民主党が郵政民営化に対案を出さず反対をしたことが致命的になると見た。結果はその通りになった。前原新民主党代表はこれを明確に認識し、重要事項には必ず対案を出す戦う集団に脱皮しようと宣言したのは誠にポイントを突いた認識であり今後が期待できる。
今後10年は自民党の時代という説もあるが、私はそれほど明確ではない。小泉政権が圧勝したことにより、選挙は既得権益を守るより政策を優先するプロセスに変化しもう後戻りできないところまで来た。これは自民党にとって両刃の剣になる。自民党政権が民意にそむけば、政権の交代が簡単に起こることを今回の選挙結果は示した。今後の焦点は日本をどこに向けて改革していくかグランド・デザインのビジョンを示し民意はどちらを選ぶかで戦われることになると期待される。■
追記:放送後NHKに出口調査のデータを見たい旨依頼した。実は今回初めて出口調査の対象になった。NHKの性格上データは公開すべきものと考える。詳細がわかれば私の仮説がもう少し詳細に分析できるのだが。
番組によると総投票数は前回比834万人増の6953万人、投票率は7.65%増の67.51%であった。このうち20,30歳代の投票が全体の21%から23%に増え、絶対数で314万人増えた。前回20-50歳代が民主党支持だったが、今回全年代で自民党支持が上まった。今回国民は全ての年代で小泉改革を支持し過半数議席獲得に貢献し、増加した若者の投票が上乗せして自民圧勝に導いたという説明が出来そうである。
一方角度を変えて政党支持率から投票結果を見ると、自民・民主ともに1%増えただけで変化が無いが、無党派層の投票パターンが民主支持が17%減り39%、自民支持が10%増え32%になった。つまり投票率は増えても政党支持の比率の変化はなかったが、無党派の民主支持減が結果に大きな影響を与えた。無党派層の年齢構成と地理的な分布が知りたいところである。
都市で自民党が圧勝したのは明らかであるが、東京の小選挙区で自民:民主の得票率50%:36%なのに議席数が23:1という衝撃的な結果になった。比例区だと得票率が38%:31%、議席数が77:61となったのと対照的である。今回都市のほうが全国平均の投票率増加率より3-5%高かったことが、投票結果に影響を与えたはずだがデータが無い。年齢構成も知りたいところである。それがわかると「都市の反乱」の原動力が何だったか明確に見えてくる。
民意は「政権を安定させ改革のスピードアップを求める」ものであった。反対派を公認せず敵と見方をはっきりさせ改革を打ち出す小泉マジックにかかったという表面的な見方は誤りで、民意に応える戦術を取ったので勝てたという謙虚さが必要だろう。私は解散直後から民主党が郵政民営化に対案を出さず反対をしたことが致命的になると見た。結果はその通りになった。前原新民主党代表はこれを明確に認識し、重要事項には必ず対案を出す戦う集団に脱皮しようと宣言したのは誠にポイントを突いた認識であり今後が期待できる。
今後10年は自民党の時代という説もあるが、私はそれほど明確ではない。小泉政権が圧勝したことにより、選挙は既得権益を守るより政策を優先するプロセスに変化しもう後戻りできないところまで来た。これは自民党にとって両刃の剣になる。自民党政権が民意にそむけば、政権の交代が簡単に起こることを今回の選挙結果は示した。今後の焦点は日本をどこに向けて改革していくかグランド・デザインのビジョンを示し民意はどちらを選ぶかで戦われることになると期待される。■
追記:放送後NHKに出口調査のデータを見たい旨依頼した。実は今回初めて出口調査の対象になった。NHKの性格上データは公開すべきものと考える。詳細がわかれば私の仮説がもう少し詳細に分析できるのだが。