かぶれの世界(新)

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参院ネジレの効果

2007-09-09 22:58:33 | 国際・政治

院選で民主党が過半数をとり安倍政権に致命的な打撃を与えた。私は、民主党はメディアのポピュリズム的傾向を最大限利用して悪戯に混乱を招く最悪ケースを最初思い浮かべた。今迄の所民主党は意外と理性的な動きをし、選挙民は投票結果に満足しているように感じる。 

まだ国会が始まってないので具体的な政策議論が始まったわけではないが、既に参院与野党勢力逆転したからこそ起こったと思われるような、従来隠蔽されてきた情報を表に出てきた。それに基づいて安倍内閣は素早くアクションを取り、従来には無い素早い効果が期待できる。これは安倍内閣がやったとしても、選挙結果がもたらした成果である。

最近の報道を見ると、与党や官僚にいずれ参院で暴かれ追及される恐れのある不都合な事実を隠蔽せず、追及される前に公表し対策を打とうというやや追い込まれた雰囲気が出てきたように感じる。前首相の構造改革のなかゼネコンや道路公団の談合や金融機関の悪しき慣行等が次々と摘発されたが、他の領域までは広がらなかった。

今回は不正摘発が国民年金と政治と金にも広がった。中央だけでなく地方にも広がるのは時間の問題だ。これは情報公開や内部告発などの法整備と国民の意識の変化が国民年金不正に対する怒りで相乗されて、首をすくめて嵐が過ぎるのを待つかつての作戦が機能しなくなった。となると問題は誰がその受け皿になれるかに変わった。

それなのに安倍改造内閣は昔の自民党に先祖帰りしたようだ。郵政民営化反対組の復党がその後の長期支持率低下の躓きの始まりだったことを忘れたかのようだ。民主党の農家への補助金に対抗して、地方格差を改善する為公共投資をもっと増やせという声が聞こえてくる。

主党は賢明にも話題になっていた郵政民営化延期の共同提案を回避し、政策の優先順位だけでなく政治プロセスも信頼できることを示した。政局を優先しない姿勢は必ず国民の信頼を受けるはずだ。民主党は今のところ非常にうまくやっている。

地方の反乱が起これば、次は都市の反乱というような繰り返しが起こると私は思う。何故なら、このままでは日本のパイは中国と違ってそう大きくならない、誰かが得をすれば誰かが損をする、所謂ゼロサムゲームに私たちの社会が近づきつつあるからである。パイを大きくする唯一の解は構造改革してもっと効率のいい競争力のある国にするしかない。

民主党の政策は選挙中も選挙後もばら撒きと非難されたが、参院勢力逆転した現在、安倍政権より改革が進む可能性を感じさせる展開になっている。場外闘争(乱闘ではない)は圧倒的に優勢だ。国民は今、民主党に政権を任せていいか見ている。このままなら政権交代は悪くないという雰囲気が国民の間に醸成されていくように感じる。

逆に言うと自民党が勝手に壊れているので、今、民主党は余り具体的な政策を出さず様子見を決め込んでいるとも言える。テロ特措法など具体的な政策論争になると果たしてどうなるか、他党との共闘が政策にどう反映されるのか注目される。議員の不祥事に足をすくわれ腰砕けになるようなみっともないことにならないで欲しいものだ。■

コメント (3)
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