一昨日ジムの利用券を購入しようと財布の中を覗くと、プリペイド・カードが見当たらなかった。諦めて窓口でプリペイド・カードを買った。念のため窓口の方に聞くと私の名前を聞かれ、私のとものと思われるプリペイド・カードの届出があったと告げられた。
プリペイド・カードには名前が入っていない。どうして私の名前を書いたメモがあったか怪訝に思い、誰が拾ってくれたのか聞いたが、心当たりが無いとの返事だった。ジムの係の方も知らないという。何とも不思議だけど嬉しかった。忘れ物では、私は運がいいと思ったことが何度かある。
学生時代に大阪に行き免許証を失くした。暫らく経つと実家から免許証が届いた。天王寺で免許証を拾った人が実家に送ってくれたらしい。その頃下宿先から原付で通学していた。よく思い出せないが暫らく無免許で原付に乗っていたのかもしれない。
米国に出張し帰国して暫らくたってから、国際免許証がレンタカー会社から送られてきたことがある。日本では不必要なので無くしたことすら気が付かなかった。米国で落し物が返るなんてありえないと散々聞いていたものだから、感激して礼状を出すと、又、丁寧な返事が返ってきた。
意外なことに他にも米国で忘れ物が返って来たことが何度かある。予想外なことだから良く記憶している。ポートランドのホテルにチェックインして部屋に入ると、ロビーのソファーにクレジットカードが落ちていたと電話が入った。慌ててフロントに行き受け取った。
クレジットカードといえば、初めて家族揃ってハワイに行った時もやってしまった。ロビーに続くアプロ-チの両側に現地ツアーの販売窓口が並んでいる。そこでバスツアーの予約をした。翌日クレジットカードが無いことに気が付き、フロントに聞くと届けはないという。念のためとツアーの窓口に行くと私のカードが保管してありホッとしたものだ。
どうも私は緊張して運転とか買い物とかした後、安心して忘れてしまうらしい。スーパーで買い物をして支払いや現金の受け取り(米国ではスーパーのレジで銀行口座の現金引き出しサービスがある)に気をとられ、買った商品を忘れ呼び止められたことが何度か記憶がある。
私の対策は簡単だ。ゴールドとかプラチナ色のカードを持たないことだ。アップグレードを勧められても青色以外は要らないと答えることにしている。拾った人が万が一利用しても利用限度額以上の損はない。支払い状況が良いから限度額を上げるといわれても迷惑なのだ。
戻ってこなかった忘れ物は沢山あっても、記憶に残る物はないからかもしれない。だが、ただ一つだけ今思い出しても残念でたまらない忘れ物がある。修学旅行で初めて東京に行き、蓼科など志賀高原を経由して帰途についた時のことだ。
汽車が実家に近づいた最後の30分位で疲れが出て眠りこけ、駅に着いて慌てて降りた時、父が買ってくれたカメラを忘れた。修学旅行の思い出が一杯詰まった写真は一枚もなくなってしまった。未だに思い出し残念に思う。■