かぶれの世界(新)

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指摘されない不公平感

2008-03-20 16:21:12 | 社会・経済

札幌地裁は19日、食肉製造加工会社「ミートホープ」元社長の田中稔氏が、豚、鶏肉などを偽って混入した牛ひき肉を製造・販売した所謂食肉偽装事件で、詐欺と虚偽表示の罪で懲役4年(求刑・懲役6年)の実刑判決を言い渡したと報じられた。

判決理由は「食品を口にする消費者に何ら顧慮することなく、安価な原材料で多額の売り上げを得ようとした動機は極めて利欲的かつ自己中心的。食の安全への信頼を根幹から揺るがした。」だという。誠にその通りであり、執行猶予の無い実刑判決も妥当であろう。

だがこういう厳しい判決を見ると、一方で不公平感を感じないではいられない。もっと酷いことをやった連中が何ら罰されること無く、しかも公金を給与に頂いていることだ。それは何人もの犠牲者が出た薬害肝炎や、国民の信頼を裏切り未だに解決の見通しすら立っていない国民年金問題を起した官僚たちが、ただの一人も罰せられていないという扱いに絶望的な落差があるからだ。

田中氏のやったことは許しがたいが、誰も健康を害し損害を被ったわけではない。一方で不作為の殺人とでも呼ぶべき犯罪は裁かれず、数千億の公金も宙に浮いたままになっている。道路特定財源の無駄使いは、深刻な格差問題の中貴重な公金が出鱈目に使われた犯罪的行為だ。

これら官僚のやった(やらなかった)ことは国家に対する犯罪として厳罰に処せられるべきだ。公務員の汚職が蔓延る中国が極刑でもって対応するのは極端だが、放置すると彼らは歯止め無く犯罪的行為を続けてしまう。一罰百戒でも良いので官を裁く姿勢を今見せる時だ。

このところ志の無い官僚たちの振る舞いは目に余る。それを咎めることの出来ない政治や検察・警察に、国民は不公平感を持ちいらだち始めているように感じる。このまま放置されると国家が効率的に機能しなくなり、太田大臣の言う「最早一流ではない」道を着実に歩むことを恐れる。■

コメント
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