高血圧の再発
1ヶ月足らず前から降圧剤の服用を再開した。5年前に早期退職後、主に食事と運動の生活習慣を見直し、数ヶ月かけて血圧を標準値まで戻した。その間に長年服用していた降圧剤を中止した。しかしその後5年間に基礎代謝量が減少する一方で、同じ食生活を続けたツケが出てきた。
徐々に体重が元に戻るに連れて、血圧もリバウンドして来て、要注意領域(140-150台)の範囲になった。昨年頃には退職時の体重に戻り、血圧も更に上昇した。猛暑が続いた今年の夏は後頭部が重い自覚症状があり、起床時の血圧が危険領域(160-170台)になった。
東京に戻り急ぎ健診を受け、5年前の高血圧・高脂血・高尿酸と同じくらい指標が悪化、先生から先ずは血圧を下げなさいと処方を頂いた。長らく高血圧と付き合ってきて、血圧を含む種々の健康指標をデータベース化しているが、今回の健康指標悪化と自覚症状には不安を覚えた。
降圧剤の服用再開
5年前に中止して残っていた降圧剤、ARB(商品名ニューロタン)、を試しに飲むと数日で標準値に血圧が低下した。私の体は、薬は良く効くし、少ない食事でも効率よく太る。余りに早く効きすぎて気持ちが悪い。医者の処方箋なしで勝手に薬を飲むのも何だが、もう直ぐ薬が切れる。
ネットで調べると降圧剤は多くの種類がある。ARBは末梢血管を拡大して血圧を下げ、腎臓や心臓を保護する効果があるという。妊婦の服用禁止など制限があるが、後で述べる運動機能に対する副作用はないようだった。
血圧が上昇するファクターは年齢、遺伝、食生活、肥満、運動、酒とタバコ、ストレス等があるという。私の場合、両親の高血圧を50%の確率で相続し、5年間に体重8kg増加で14mm水銀の血圧上昇、それに5年老いた年齢要因が大きいようだ(参照: 生活習慣病 田上幹樹 ちくま新書)。
副作用か、歳のせいか
血圧は下がったのだが、このところ余りハッピーではない。それは私が物理的に「老い」を感じているからだ。帰京後再び通い始めたジムで、以前なら1時間で710kcal以上消費したエアロバイクが、今では670程度で息が上がる。最大酸素摂取量測定ではそれ程悪い数字ではないのだが。
ウェイトトレーニングでも、5月には挙げられた重量から1-2目盛(1-2ポンド)下げないと挙がらなくなった。従来は田舎から帰ると、1ヶ月のうちに筋力を取り戻していた。今朝のバドミントンの練習では、一瞬の反応が出来ず、練習ゲームは全敗でパートナーに迷惑の掛け通しだった。耐久力や瞬発力の運動能力低下が、具体的な数字で老いを冷酷に教えてくれる。
バドミントン仲間はそりゃ歳のせいだよと言うけれど、私は体力の低下は歳のせいとは思いたくない。医療関係に勤める仲間は、降圧剤で運動能力が低下したなんて聞いたことが無いという。老人の運動能力と薬の関係を調べたデータなどこの世に存在しないだろうと慰めてくれたが。
どう老いるか、多分それが問題
私がこの十年一貫して気になっていたのは、何時まで普通の人のように考え、運動する生活を続けることが出来るか、ということだった。私が生まれた時祖父は既に亡くなっており、私が20代の時父も50代半ばで死んだ。男が老いていく過程がどういうものか目の前で見たことが無い。
老いるということがどういうものか実感が無い。老いに対する漠然とした不安が私にはある。それは健康指標の悪化から、肉体の衰えや記憶や思考能力の低下を、母の介護と重ね合わせて想像するがピンと来ない。10年後、20年後まだ生きているとして、どういう生き方をしているのか。
普段もっと前向きのはずなのに、発想が後ろ向きのスパイラルに陥っている。どう老いるか、現実的なシナリオを作り、若い時と比較して悲観するのを(そうしている積もりは無いのだが)止めるべきなのかもしれない。■