かぶれの世界(新)

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桜と喪失感

2009-04-06 10:25:32 | 日記・エッセイ・コラム

週末の午後、市民球場から市立公園につながる桜通りを散歩した。今年の桜の開花は早かったが、その後戻った寒気でなかなか満開にならなかった。4月第1週の桜祭りは、近年1週遅れという感じが続いていたが、今年はまさに満開の桜で昨日の沿道は花見客で一杯だった。

公園に着いた頃パレードが始まったらしく、戻り道を暫らく歩くとパレードの先頭にぶつかった。私の子供達も通った幼稚園園児の可愛い鼓笛隊で、周りにそれと同じくらいの数の先生や両親と思われる人たちが付き添っていた。自分の子供が同じ年齢の頃を思い出し、急にせつなくなった。

実際のところ、鼓笛隊の服装やお祭りのはっぴ姿の子供が思い出せなかった。それもそのはず、見た記憶が無い。子供が幼稚園に通った80年前後、私は一体何をしていたのだろうか。いくら仕事に熱中していたといえども、年度初めの週末のしかも子供の晴れ姿の日だ。

振り返ると、人生で最も豊かで楽しい頃の家族の記憶がとても少ない。毎年桜の咲く頃の輝く時期に、家族皆で楽しんだ記憶を残せなかったことを後悔する。私の父もそうだった。父みたいにはなりたくないと思ってやってきたが、それは仕事や自分自身の身勝手なことばかりだった。ちょっとやるせない。■

コメント
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