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予測: ありえない小沢氏の代表選出馬

2010-08-25 19:01:41 | 国際・政治

来月初めの民主党代表選に小沢一郎氏が出馬するかどうか連日報道されているが、本人は明確な意思表示を避けている。小沢氏は国会やマスコミの批判の矢面に立つより、キングメーカーになり実権を握って政治資金や公認権を取り仕切るポストで影響力を高め行使してきた。何故、今回の代表選では宗旨替えしたのだろうか。私は、小沢氏は最終的に出馬を断念すると予測する。

最近のどの世論調査でも7-8割の国民が出馬反対だと報じられている。鳩山前首相退陣時から全く変わっていない。小沢氏は政治資金問題の検察追及を避けるため首相になるというところまで追い詰められたという見方(日本経済新聞など)もあるが、いくらなんでもそこまで堕落したとは思いたくない。

一方で小沢氏側近が強引とも思われる論理で小沢氏の代表選出馬を推している。その理由として参院選敗北責任・マニフェストを守る・ネジレ国会乗り切りを挙げている。だが、小鳩政権で直面した公約と現実の折り合いをつけず基地問題などで迷走した総括も無く、当の小沢氏自身も具体的政策を明確に打ち出しておらず、大義名分より権力闘争のためのこじつけの印象が強い。

参院選敗北の責任追及は、日米開戦に重要な役割を果たした東条英機や近衛文麿の責任を問わないで、無条件降伏した鈴木貫太郎内閣に敗戦責任を追及するようなものだ。東京裁判の正統性に議論はあろうが、東条首相は裁かれ近衛首相はそれを嫌い自害した。民主党の参院選敗北の責任の大半は小沢氏と鳩山氏が原因を作ったが、民主党内世論の論理では東京裁判はないらしい。しかし国内世論はそういう判断はしてない。

小沢氏がもし立つのなら、早急に菅内閣とどう違うか具体的政策を打ち出し争点を明確にして議論をすべきだ。だが、元々小沢氏は政策より政局の人であり、何も言わずに側近に喋らせ担ぎ出されて戦う選択しかないだろう。となると代表選直前まで多数派工作し票読みをして、見通しが立てば議論時間を最短にして投票になだれ込む戦略であろう。

私の予測では自民・公明などの野党は小沢民主党との連携は望むところではない。小沢氏と近いといわれる公明党も躊躇するだろう。小沢氏と同じ穴の狢(むじな)と見られて公明党の印象が決定的に悪化する恐れがあるからだ。そのくらい国民の見る目は厳しい。だが、仮に菅内閣が勝ったとしても、挙党体制という大義名分が小沢グループに妥協と見られ支持を失う恐れがある。

先日「失望の民主党政権」を投稿したばかりだが、その時から何ら状況は変化していない。その間に円高が進行し日経平均が暴落、二番底懸念が高まってきた。こんな状態が民主党内事情でまだまだ続くと思うと許せない気持ちになる。日本の選挙制度を含む政治システムの制度疲労か、寄せ集め民主党固有の問題か。小泉政権時代に点った微かな希望の灯が消えそうだ。■

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