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福島原発事故の判決に違和感

2017-10-11 18:16:08 | ニュース
福島第一原発事故を巡り住民が国と東京電力に損害賠償を求めた訴訟に対し、福島地裁の金沢裁判長は「巨大津波は予見でき、対応しなかった国と東電に賠償金5億円を支払うよう命じる」判決を下した。判決文の要約を読む限り判決は妥当だと思った。

なのに何故違和感を覚えたか。その理由は原発事故以外の地震・津波による死者・行方不明者が2万人を超すというのに、被害を受けた自治体や国の責任を問う声が聞こえてこないことだ。一方で、原発事故の直接の死者が無いのに強く責任を問う声があちこちで上がり、裁判に持ち込まれた。

原発事故の場合は巨大津波が予見でき責任を問われるのに、原発事故がからまないと何故か自治体の住民の安全を守る責任が問われる声が上がらない。電力会社は地震と巨大津波を予見して対応する責任があるのに、自治体には責任がない根拠は何か、私にはよく分からない。

私には2万人を超える犠牲者が無視されたように感じる。実際には自治体によって津波の対応は異なり、それによって被害の大きさも異なっていた。これでは将来また大地震が起こった時の備えはどうあるべきかについてもしっかり検討されることなく、個々の自治体の取り組みに任せられてしまいそうだ。

何故かマスコミも問題を取り上げなかった。何故こんな偏った対応になったのか。国民の間に原子力発電に対する見方に偏よりがあり、マスコミや一部政治勢力にバランスを欠いた情報発信があった。判決はそれを反映したものになった。結果として判決は2万人の命の重さを無視したと私は感じた訳だ。■
コメント
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