かぶれの世界(新)

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英語の勉強

2017-10-15 11:29:39 | ニュース
ティラーソン国務長官が国防総省内で安全保障チームと会合中に「トランプ大統領を馬鹿呼ばわり」したと、先週米メディアは連日大騒ぎした。国務長官は記者会見で「辞任を考えたことはない、大統領は賢明な人物」と言い開きした。大統領も例によって「偽ニュース」と決めつけ取り敢えず沈静化したようだ。

その前に国務長官は北朝鮮の話合いの可能性を探って行くとの公式発言に、大統領が例によってツィッターでけんもほろろに無意味だと決めつけたことが背景にあるようだ。ホワイトハウスの混乱ぶりは他にもある。

一昨日CNNのメルマガTHEPO!NTによるとケリー首席補佐官が珍しく記者会見場に出て「近くクビになることも辞めることもない」と噂を否定した。首席補佐官は大統領への情報の流れを整理する役目を担うが、誰もトランプの考え(ツィート)はコントロールできないと記事は結んでいる。

今日の日本経済新聞によればティラーソン国務長官やマティス国防長官等の現実派の勧めに従い、トランプ大統領は持論のイラン核合意の破棄を渋々棚上げしたが、会議では説得されて激怒したという。

ここまでは長い能書き、こんな背景があるものだから国務長官は大統領を馬鹿と言った気持ちはよく分かる。私は米国に住んだ経験があるのに国務長官の言葉‘moron’を知らなかった。先週ニュースを見ていたら何度もこの言葉が出て来るのでネットで調べてやっと分かった。相手を低能と侮辱する差別的な言葉で、よほど腹に据えた時に侮蔑的に言うらしくマスコミが飛びついたのも理解できた。

レベルは違うが私にも似た経験がある。ワシントン州の工場のマネージャー会議でマーケティングから提示された製品需要計画が非現実的で'stupid'だと発言した。するとその発言がカリフォルニアのマーケティング責任者で私の上司に直ちに伝わり、翌朝私を非難する激烈な調子のメールが届いた。彼女はハンガリー動乱で逃れて来た避難民の子で、ハーバード大首席卒業の才媛だそうで周りの部下から恐れられていた。

彼女を非難したのではなく所用計画が'stupid'だと言った積りだが、特に知的な仕事をする人にとっては許しがたい侮辱になると後から教わった。映画ではしょっちゅう使われる言葉でも社会人生活で安易に使うべきではないという。他にもそういう失敗を何度もしたが私にとっては忘れられない思い出だ。言葉が持つニュアンスまで理解するのは難しい。今となっては懐かしい英語の勉強だった。

その時々のビッグニュースに特有の、しかし聞き慣れない言葉に出会った時は、その意味を理解しないと何のニュースか分からなくなる。トランプ大統領が誕生してから毎日のように見かける言葉が'meddling'(干渉)と'collusion'(共謀)だ。大統領選でロシアがトランプ候補が有利になるよう情報操作したという疑いで、現在も特別検察官が任命され捜査されている。それまで私は見たこともない言葉だった。

このようなキーワードの意味が分かると、他の言葉の意味を知らなくとも記事が伝えようとしている内容は大体わかる。私みたいに40代半ばに米国赴任して初めて日常生活で英語を使い始めた者にとって、先ずは大体何を伝えようとしているか分かることが大事だった。その為にはキーワードの理解がとても大事だった。同時に、どんな場合も誰かに言い付けられる覚悟をして発言しないと自分に戻って来る教訓でもあった。■
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