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トップの決断

2021-01-08 20:39:58 | 国際・政治
今週テレビ映画を3本まとめて見た。
最初の2つは第2次世界大戦時にチャーチル首相が関わった重要な決断を描いたものだ。何十何百万人の命を左右する重大な判断をする国のトップの姿が70年後でも生々しく印象的だった。

1本目はドイツ軍がフランスを侵略した時の事だ。ドイツとの融和の動きに反対してダンケルクの海岸に追い詰められた英仏軍を国中の船を動員して救出に向かう決断をしたチャーチル首相の姿を描いた映画だ。チェンバレン等の融和勢力に対し国王と連携して国民を鼓舞し戦争に立向かう姿だった。

2本目は第2次世界大戦の勝利を決めたノルマンディ上陸作戦を実行する直前に、多くの若者を死なせることになるかもしれないと悩み苦しむチャーチル首相の姿を描いた名作だ。幾つもの戦争にかかわったチャーチルが直前に国民に向かって演説する場面は泣けた。

一方、3本目はニクソン大統領辞任に追い込んだウォーターゲート事件発生時のFBI副長官マーク・フェルト氏を描いた映画も印象的だった。大統領スタッフからの圧力を受けながら事件を追及し、更に捜査が行詰るとマスコミを使って大統領の陰謀を暴いていく執念が描かれていた。

私は20代後半だった頃ワシントンポスト紙のBウッドワード氏の著作を読み興味を持った。密告者(ディープスロート)が実はフェルト氏だったことが後年Bウッドワード氏によって明かされた。映画で彼の家族や職場の様子も興味深かった。90年前後にボストンに出張時、仕事の合間を縫ってハーバード・スクウェアに行き関連の古本を探した思い出がある。

映画を見た直後から、米国から流れてくる連邦議会議事堂にトランプ大統領支持者の乱入したニュースを見て、直前までトランプ氏がデモ隊を扇動していた事実に驚きを禁じ得なかった。彼にはどんな信念があり何の為に決断したのか、映画の先人と余りにも違うトップの姿は驚くばかりだった。

今回の事件は映像情報等の証拠が数多く残り明らかになるにつれ、トランプ氏の責任追及する声が高まっているという。一時も彼を大統領に留めるな、罷免すべきとの声が聞かれる。トランプ政権幹部の辞任が相次ぎ報じられ、Tクルーズ氏などトランプ支持共和党議員の対応が問われている。

逆に、今回の事件の前に去って行った多くのスタッフとの違いも併せて知りたい。米国は二度とこんな男を大統領に選ばないよう手立てを法制化すべきだ。だが、民主的プロセスを通じて選んだのは米国民だ。ヒットラーも民主主義プロセスから生まれた。

いつかトランプ大統領を映画化する時が来れば(ハリウッドならやりそう)、トップとしての決断の背景とプロセスを周囲の人間を含め詳細に描いて欲しいと思う。それにしてもこの違いは何だろう。■

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