かぶれの世界(新)

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行ってしまった年、来るかもしれない年(後)

2021-01-07 20:35:09 | 日記・エッセイ・コラム
最後に2021年の日本はどこに向かうか私の予測と提案をしたいと思う。毎度同じように日本は海外特に米中関係動向に大きく左右されるが、同時に前編で指摘したように2020年のコロナ禍が提起した課題にどう取り組むかが今後の10年を左右すると私は予測する。

2021年の日本は勝負の年だが覚悟がない

結論から先に言うと、コロナ後の日本は巨額の借金と課題を残してコロナ前に戻るだろう。何時も楽観的な私だが、今回楽観的な材料を見つけられなかった。全体として低失業率で貧富の差が拡がらない、しかし世界に比べ回復が遅れ長期低落傾向が続く年になりそうだ。(確度0.6)

コロナが始まった時私は「日本の民主主義の力が問われる」と指摘した。第1波・第2波のコロナ対応は世界的に高い評価を受けたが、第3波の対応は難航しそうだ。だが、高評価のコロナ対応と逆に「政治経済やマスコミを含む国民の総合力」の世界の評価は?で改善の兆候も感じられない。

いずれワクチンで新型コロナウィルスは駆逐されるだろうが、国を挙げてコロナ対応を進める過程で我が国の効率の悪さが露呈した。例えば「10万円支給」で典型的な問題提起がされた。政府と地方自治体がバラバラにディジタル化し、連携がなく手作業に追い込まれ支給が遅れ批判された。

だが、これは分かり易い一例だ。何故かマスコミは指摘しなかったが厚生省・保健所・医療システムの連携は極めて効率が悪かった。世界の高評価は日本人の特性にあった。民間企業が実施した在宅勤務などは追い込まれて嫌々やった、作業効率を改善する前向きな取組みではなかったと思う。

分野を問わず我が国全体のディジタル化が遅れ生産効率が世界最低レベルにある国の問題と捉えた菅首相は的を得ていた。この課題に取り組み具体的な成果を出すまでに最低3年かかると私は予想する。この長期的な取り組みを国家プロジェクトとして推進できるか、それが勝負の年になる。

これがどういう意味を持つか、単純な技術ではなく国トータルの生産性の問題であることを、政官も企業も国民もオールジャパンとして正しく理解しているのか極めて疑わしい。コロナ前の我が国のディジタル化状況は中韓だけでなくかつての後進国にさえ遅れていた現実を理解してないのだ。

この1年間コロナ報道を見てきて、我が国ではメディアが人々の考え方や行動に強い影響を与えていると感じた。だがメディアもディジタル化がどれ程重要か理解してなかった。問題を具体的データで調査分析して全体像を把握する基本がなかった。自らの調査能力を殆ど喪失した日本のメディアは、果たして報道機関と言えるのか立ち止まって考え直すべきだ。

私の予測は菅首相の公約は誰も理解せず後押しの無い状態で進めることになると予測する。1年後には日本が´他国´のワクチンを得て新型コロナウィルスを克服するだろう。コロナを機会に我が国が強い国に生まれ変われるかが問われているにも拘らず理解を得られないだろう。

マスコミを始めとして目先の巨額の支援金を主張するが、競争力のない企業を生き残らせ新陳代謝を遅らせる懸念がある。若者に巨額の借金を残すだけでは困る。競争力のある国に生まれ変わらなければならない。コロナ後の日本は周回遅れの競争力のない国になる恐れがあると私は懸念する。

蛇足

最後に私事だが、コロナ禍の下で私の投資資産は9カ月で20%以上値を下げた。世界各国の中央銀行が巨額のマネーを市場に供給した結果、NYダウは史上最高値に、日経平均は30年ぶりの高値に回復した。私の資産は新興国比重が高いため損を取り戻せなかったが、年初より約6%の損まで回復した。今年はコロナ後の世界で有力な日本企業を見つけられず、見通しは不透明だ。

米国ではバイデン氏を正式大統領に決定する議会にトランプ支持の妨害デモ(恥すべき事件)が入り大混乱になったが、バイデン大統領就任は決まった。次の4年間の民主党政権下で円高がどの程度進むかが私の不安だ。同様に米中対立が政治経済に影響が出るのは間違いない。米中対立は絶対ある、「リスク管理強め」の投資商品をに切り替えるべきと考えるがどうすべきか悩んでいる。■

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