かぶれの世界(新)

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一人歩き遍路する米人女性

2019-10-23 20:20:39 | 国際・政治
一昨日農協系ガソリンスタンドで給油しポイントを付けて貰うため事務所に立ち寄った時、事務員に道を聞いている胡麻塩頭の外国人女性(後で65才だと聞いた)がいた。困っている様子をみて私は気軽に車で連れてってあげようと声掛けした。だが、聞くと彼女が泊まる予定の民宿は初耳で、「ゴメン、分からない」と言ってさっさと買物に向かった。

買物を終えて56号線を走り実家に戻る途中で重そうなリュックを背負って歩く彼女の姿を見つけ、声をかけショッピングモールの広場に車を止めた。88ヶ所遍路道を描いた地図を見せて貰うと、馴染みの国道との交差点「松が花」横だと気付き、ホンの数分の運転で民宿に到着した。

2階建てのプレハブ小屋みたいで実家に誘ったが、彼女は予約してあるからと彼女の住所氏名が書かれたお札をお礼にくれた。自宅に戻りお札を見ると彼女の住所はカリフォルニアのナパだった。私が一時駐在したサクラメントの近くだ。当時、家内が何度か様子見に来てくれたが、ワイン好きの彼女はナパに一度も連れてくれなかったと残念がっているのを思い出した。

そこで、もう一度民宿に行き彼女に日本の農家での食事に誘った。私はもう70過ぎのジーサンで、シアトルにいた時に親切にしてくれたお返しだから心配ないと誘い、時間を限ってやっとオーケーしてくれた。ナパ在住の彼女を利用してワイン好きの家内と上手くやりたいと言い訳したのが効いた。

実家で昔風の農家の各部屋を見せて回った。仏壇の他に3部屋に神棚があり、更にサンタクロース人形があるのに驚き、スマホで写真を撮っていた。これが日本の姿だ、一方で改築した2階の部屋は何もなく、私が米国で山歩きした書物や写真を見せた。同様に都会には何もないの家が沢山あると言った。彼女は四国の前に熊野古道も歩いたそうだが、仏教徒かどうか聞かなかった。

彼女は既に和風の弁当を購入済みで、私にも勧めてくれた。私の夕食はお酒にツマミだけの習慣で、もう一度運転しないといけい。初見の彼女を大胆にも実家に誘ったのは、今までの経験で一人遍路を敢行する外国人女性は高学歴の中流階級だった。例えばハーバード出のコンサルとか。

そんな教養ある彼女達とじっくり議論したかった。特にトランプ大統領をどう見ているか、来年の大統領選では誰を支持するか、それは何故か等々。結論は普段ブログで私が主張しているように、彼女もアンチだった。私が何であんな奴を大統領にし、まだ大統領でいるのか。私が子供の頃教わった民主世界のリーダーのアメリカとは違う。彼女は全くその通りと反論しなかった。

だが、誰を次の大統領にすべきかについては彼女は迷っている様子で、私の意見を聞きたがった。米国の左派から中道まで幅広く支持を得ないと勝てない、そうするとバイデン元大統領だと答えると積極的に賛成しなかった。彼女はサンダースはどう思うかと聞かれ、年令だけではない、彼は社会主義者だから勝てないと答えるとちょっと不満そうだった。

それに関連する政策面で、日本は国民皆保険なのにアメリカでは何でいけないと彼女は迫った。つまりサンダースだろうと。私は状況は簡単じゃない、問題を複雑にしているのは米国にはすさまじい数の(保険金を払わない)移民がいると言うと彼女は問題があることは同意した。スペインやイタリーみたいなことになってしまうと。

実はこういう議論が出来るのは両岸の人達だけ、中西部や南部の人達とは全く話が合わないと合意し、話は延々と続いた。7時過ぎて彼女に帰る時間だと促して、真っ暗な田舎道を民宿まで送って行った。高齢者の夜道の運転はホント怖い、と彼女も理解してくれた。来月中頃まだ東京にいたらファミリーパーティに招待するよと言って別れた。楽しい夕べだった。■

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