かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

どうせなら前向きに行きたい

2015-09-05 16:29:53 | ニュース
東北大震災から4年半後の各地の復興状況を調べて、宮城県の岩沼市と女川町は他の自治体と比べスピード復興を果たしている、その背景にはトップの適切な初期判断と地域の結束・用地の早期確保が違いをもたらしたと今朝の日本経済新聞が報じていた。私はこの記事を見てそこに東北というより日本の底力があり、伝え残すべき貴重な国の財産と感じた。

震災以来マスコミが報じるニュースは被災者が如何に悲惨な状況にあるか、その責任は政府対応にあるみたいな、いわゆる「被害者史観」に基いた報道が圧倒的に多かった。私はこれでは復興をくじけさせる、元気が出ない、皮肉にも復興が遅れる手助けをしていると感じていた。被災者は大変なのだけど歯を食いしばって前に進めている人達に光を当て元気付けるべきだ。

極端に言うと各地の復興状況をランク付けし、先行している自治体に比べ何が障壁になって遅れているのか比較表をまとめ、ある種の復興競争のような状況を作ると復興が進むと思っていた。史上まれに見る天災に見舞われた人達に対して無神経すぎるという意見もあると思う。だが、第2次世界大戦後日本全土が焦土からの復興と比べどうだろう。ご先祖達はもっと酷い状況から今日の繁栄をもたらしてくれた。

その戦争でもマスコミの報道の在り方は近年「被害者史観」に偏り過ぎているように感じる。戦争の悲惨さは言うまでもないし語り継ぐ必要もある。だが、一方で加害者であったことも正しく伝えなければならない。同時に日本が戦後奇跡的な復興を遂げたことも残すべき貴重な財産であり語り継がなければならないし、これこそ我が国の最も貴重で引き継ぐべき宝の一つだと信じる。

そのテレビ放送でたまに力強く生き抜いた市民の姿が描かれると、勇気付けられ元気が出て来る。その一つが先日NHKが原爆投下直後の僅か3日目に黙々と路面電車を走らせた16歳の少女を描いたNFドラマだ。彼女も被爆者の一人だった。戦争直後にも震災直後にもこうした隠れたヒーローやヒロインが沢山いたはずだ。

悲惨さを訴える被災者と同じか、寧ろそれ以上に力を入れて復興に立ち上がった有名無名の人達にもっと光を当てるべきだと思う。彼等が身を犠牲にして前向きに頑張ってくれたから復興が進んだのだ。申し訳ないけど、被害者の悲惨さを訴えるだけでは何も進まない。大震災の被災後に集団移転に反対する少数の人達の心情は理解すべきだが、結果的に復興は大きく遅れているのが現実だ。

大震災に限らずマスコミ報道は被害者史観に偏り過ぎる傾向が強く、結果的に復興や改革の妨げになって来たと私は考える。如何に被災者が悲惨か訴えても同時に前に進む人を勇気付け後押ししない限り復興は進まない。彼等がヒーロでありヒロインだ。何かをしようと思えばどんな場合でも、適切なビジョンを持って前に進める人を支えないと上手くいかない。

それは国家レベルか自治体レベルかに関係なく、会社か個人生活かにも関係ない。大事なのは状況を理解して適切に前に進めることであり、悲惨さを伝えるだけでは何も解決しない。大震災の復興状況を比較した日経の記事はその厳しい現実を明確に語っている。どうせなら前向きに生きて行こうじゃないか。■

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 老け方を考える | トップ | そして子供がいなくなった »

コメントを投稿

ニュース」カテゴリの最新記事