かぶれの世界(新)

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訳あり品の地元で

2010-11-15 22:08:19 | 日記・エッセイ・コラム

賞味期限を過ぎた商品が売れているという。従来なら期限が迫る前に処分していた在庫品を、従来ならありえなかった百貨店でも販売し、これまた従来なら買わなかった客層までが買っているという。もったいないという環境意識と、通常価格の3-7割で販売され倹約志向を反映していると報じられている。

訳あり品が売れるのは都会だけではない。四国愛媛県の実家の近くの市場に行くと、東京近郊の自宅付近のスーパーとはチョット違う訳あり品が売られており、私もちょくちょく利用する。傷もののリンゴは全国的に売られていると思うが、生産量が少なく保存期間が短い柿となると珍しい。

今年は実家の庭の柿木が殆ど実をつけず、庭の柿をもいで食べる秋の楽しみが無くなった。今年は柿が不作だと、利根柿の出荷が始まった1ヶ月前にローカルテレビが報じていた。それでも、訳あり商品なら不作の今年でも安価に柿が手に入る。隣町の内子町は柿の産地で知られているが、農家が直接持ち込んで売る市場では訳あり商品が出ていた。

ちょうど今は富有柿が真っ赤に実り食べ頃だ。その市場では形は小さく、ヘタの周りが黒ずみ、虫食いだったりする見かけが悪い柿が、2級品として5-10個入りの袋で売られている。1個辺り20-50円程度の値段だ。形が大きく傷が無い立派な富有柿は1個100‐150円はするから、一度に2‐3個食べる私にとっては、2級品でも味はそこそこで凄い節約になる。

だが、柿の訳あり品は産地の市場にしか出ないようだ。傷み易い生ものの訳あり品は相対的に輸送コストが高くつくので、農家が直接持ち込める地元の市場で、自己責任で売るしかないのだろう。実際、内子町のすぐ隣の大洲市の実家から歩いていける同種の市場やスーパーとか、高速道路で30分程度の松山市の店では柿の訳あり品は見かけなかった。■

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リーマン越えと失われた2年

2010-11-13 21:17:34 | 社会・経済

4日ニューヨーク証券市場のダウ平均がリーマン・ショック前の水準に回復した。これを受けて翌日の東京証券市場も日経平均が9600円台を回復した。東証1部上場企業の9月中間決算は、5日までに決算を発表した796社の経常利益の総額が前年同期の2・4倍に大幅改善した。7~9月期だけを見ると経常利益は四半期ベースで金融危機前の水準を回復したという。

その後も企業業績の回復を伝えるニュースが続いた。大手8社の2010年上期(4~9月)の連結純利益の合計額は前年同期比1.4倍に達した。全産業(983社)の上期の純利益はリーマン前の95%、自動車大手7社は98%の水準。電機大手が全体の業績改善をけん引する構図という。(日本経済新聞11/9)

日本企業の下期予測は慎重だが、企業業績という点では新興国はとっくにリーマン越え、欧米企業もそれに続き、日本はほぼその水準に近づいてきたというのが世界経済全体の風景だろう。言い換えると、リーマン・ショック直前から今年9月末までの2年間をすっぱり切取ると、リーマン・ショック前とその2年後の企業業績はほぼ実線で繋がったといえる。

業績が回復したという事はこの2年間が無かったと同じ、流行の言葉で表現すると「失われた2年」ということだろうか?勿論そんな事はない。世界地図を眺めるとイメージが湧いてくる。

この2年は富の移転だった

他のファクターは大きく変化した。この2年間を切り取り、何が変化したのか見れば明確に分かる。各国政府が金融危機対策でばら撒いたお金は最初安全な資産に隠れていたが、溢れたお金はやがてリスクマネーに変化して新興国に流れた。元々は先進国が赤字まみれになって捻り出したお金だ。同時進行で世界企業は新興国に向かい工場を作る一方で、先進国の失業率が跳ね上がった。

この2年間は先進国から新興国へお金と雇用を移転させるための期間だった。世界企業はこの大変化に合わせて自らを変化させ、やっと収益が上がる構造になり、株価回復したということだ。平時だったらこれ程の政府支出や企業が血を流すことは出来なかった。リーマン・ショックはばら撒きや人員整理の大義名分を与えた。だが、実はそれは富の移転プロセスの一部だったというのが本記事の趣旨だ。

これがリーマン・ショックが引き起こした経済危機が世界にもたらした真の意味だったように私は感じる。この2年間の色々な指標の変化の流れを詳細に調べればこの傾向がより鮮明になるだろう。私にはそんな力も意欲も無いのだが、この直感的仮説は悪くなさそうだ。同じように感じる人がいたらやってみて欲しい。

原動力は伝播力と停滞

もう一つ大胆な仮説(というより例によって根拠なき占い程度だが)をいうと、この富の移転は先進国の科学技術と経済の進歩を地球上どこでも伝播させる力と媒体が進化し閾値を越え、新しい現実を生み出す過程で起こった移転といえないだろうか。

今起こっている地球規模の大変化は「質量一定の法則」的アプローチを採用したらどうかと思う。つまり、富は生み出していない、移転しているだけだと。別の言葉で言い換えると前世紀に史上最大の富を生み出した先進国の科学技術や経済の進歩が停滞しているために起こっている現象ではないだろうか。進歩に比例して生じる先進国から新興国へのバイアスの力が、進歩の停滞によって働かなくなり自然法則通りに水が低いところに流れた。だが水の量は決して増えてない。

ニューノーマル

リーマン・ショック後「ニューノーマル」という便利な言葉が良く聞かれる。今までとは違うんだ、今までの常識は通用しないと、いろんな意味で使える。新しい事態に直面できない人達には、効果のある言葉だ。昔に戻すことなど出来っこない、選択は前に進むしかないという言葉には説得力があるように聞えるが、今から行き着く先が見えてこない。

今は一体どういう時代なのかというと私には具体的なイメージが湧かない。先進各国政府の政策は基本的に激変緩和策であり、大量の痛み止めである。企業はとりあえず新しい環境に合った事業規模と立地を見直して業績を改善したに過ぎずない。組織の存続の目途が立ったというだけだ。先ず立て直すことは重要だが、そこで働く多くの人達は変化についていけず彷徨っている。それが先に行われた米国の中間選挙で端的に現われた。

もしかしたら、先進国の多くに人達は痛み止めを打ちすぎて全身麻痺に陥り思考力を失うかも知れない。そうなると先進国は「失われたXX年」に陥る可能性が高い。10年後に現在新興国の人達は、今と変わらない先進国をみて「失われたXX年」と揶揄するかもしれない。現に欧米諸国は今、改革が遅れデフレが常態化する「日本化」を恐れている。

日本の「失われた10/20年」は彼らにとって恐怖そのものだ。日本はこの間、痛み止めを打ちまくった。その間に起こったのは政府が民から借金する「政府から民」への富の移転という、日本特異な現象が起こった。その間何も生み出した訳ではなかった。悲惨なのは未だにこの深刻な問題に気付いていない。日本は別の意味でニューノーマルの先進国だったといえる。■

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ポストシーズンが面白い-予測大外れの弁

2010-11-09 21:37:17 | スポーツ

今年のプロ野球のポストシーズンは日米とも面白いと先月投稿したが、私の勝ち負けの予測は全て外れた。一言「大外れの心境」を申し述べたい。

予測は、シーズンを含めてそれまでの戦い方をみて、更に短期決戦を考慮してディフェンスと切り札、それに監督の采配を比較してレンジャーズと中日の勝利を予測し、全て外れた。

結論から言うと私が重要視しなかった要因が勝敗を決めた。それは「チームの勢い」だった。確かにサンフランシスコ・ジャイアンツも千葉ロッテも勢いがあった。私もイケイケのチームと評した。だが、MLBを代表する投打の2枚看板を持つレンジャーズが勢いを止めると予測した。又、ディフェンスが安定している中日がロッテの勢いを凌ぐと予測した。これが素人予測の誤りだった。

レンジャーズの投打の2枚看板は絶対的でなかった。それまでポストシーズン無敗だったリーは初戦で乱打され、ヤンキースが3連続敬遠したハミルトンは上手く抑えられた。伏兵ロスが活躍し第2第3の投手が頑張ったサンフランシスコを止められなかった。終盤で救援投手の信じられない乱調もレンジャーズ敗退の一因だった。解説を聞く限り采配ミスだと思うが、そのような声は余り聞かれないのは何故だろうか。総じていうと、日本シリーズに比べ淡白な戦いだった。

報じられているように、日本シリーズは球史に残る白熱した戦いだった。ロッテの勢いを中日の緻密な野球でも止められなかった。具体的には中日の第一の敗因は先発が打ち込まれた為だ。だが、中日の勝ちパターンである僅差のゲームで、ロッテの救援投手が互角に投げ合ったのは勝敗を分けた第2の要因だ。中日の第3の敗因は荒木・井端の名コンビに衰えが感じられたことだ。全盛期時代は二人のイブシ銀的活躍だけで、敵のディフェンスをかき回し疲れさせ、主軸の好打を呼んだ。

その他にロッテの好機に強い打撃陣と、最後まで持ちこたえた中日の救援投手は、見事だった。攻守が逆の場面でも見応えがあり、目が放せなかった。米国は投手リレーと本塁打が勝敗に決定的な影響を与えたのに対し、日本は得点機での投打の凌ぎあいの僅かな差が勝敗を決した。ピンチとチャンスが交互に訪れて痺れる状況で、両監督は的確な采配を振るい選手は全力を尽くしたことがテレビの画面から伝わってきた。

日本シリーズは、失策やボーンヘッドで勝敗が決まることも無く、山場が何度も訪れゲームセットまで勝敗の行方が分からなかった。MLBより断然面白かった。中日対ロッテでは初めから面白くないといった失礼な解説者がいた。しかし、テレビの野球中継人気が低迷しているなか、良い試合をすれば視聴率が上がるという見事な例だった。実は、最後にこれが言いたくて書いた。■

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介護録10秋(4)

2010-11-08 10:33:32 | 健康・病気

前回投稿してからもう1ヶ月近くなる。退院してから母の様子は変わらないようだ。小康を保っているという表現は適切ではないかもしれないが、少なくとも見かけ上悪くはなっていない。バッドニュースは、私が傍にいると母は露骨に嫌がるようになった。

以前は少し我慢していたようだが、今は私の顔を見ると直ぐに帰れという。顔を見て5分だったのが、今では1分も経たないうちに帰れという。その時の母の顔が憎しみを帯びているように感じる。母が元気な時の私の思い出が表に現われているのだと思う。初めはショックだったが、今はもう考えないことにしている。顔を出すが、長居しない。

ということで、ホームに訪問するたびに相談員、介護士、看護婦といった人に母の様子を詳しく聞くことにしている。母は音楽会や塗り絵とかいったホームの行事には促されて参加するようになった。失禁も続いている。しかし、私を心配させるような事は積極的に言ってはくれない。

昔の仕事の経験でそういうことは有り得ると思っているので、現場に行って母の担当の介護士や食事係りにも様子を聞くことにしている。退院後も食欲の衝動は抑えられないらしく傍にあるティッシューまで口にし、母の身の回りから口にしそうなものを全て取り除いたそうだ。

バセドウ病の治療は進んでいた。以前担当医から聞いた2種類の薬を服用し、先週末に血液検査し白血球をチェックしたので、その結果を見ながら治療方法を変えていくことになるという。血糖値を抑えるための新薬はまだ投薬されてなかった。先ずはバセドウ病の治療ということらしい。ホームに看護士がいるので少なくとも医者がどういう治療をしているか直ぐ分かる。

総合すると小さなホームだが現場と事務の意思の疎通は十分あるように感じる。ホームは全国に展開されたチェーン施設の一つで、顧客満足度日本一を目指すという目標を掲げてオペレーションを改善しているという。よりよいものしていくという姿勢が見られ、いずれプラスに働くだろう。

先週1週間、大阪に住む妹が来た。春に息子の結婚式で会って以来だ。彼女は還暦を過ぎたが如何にも健康的だった。食事は質素で健康的、ポリシーを感じる。私は立派なことを言うが、やることは別で彼女ほど徹底できない。それが体型に現われる。だが私以上に能書きを垂れる。

彼女が実家に戻った翌日ホームを訪ねると、母は私に対して見せる憎悪のこもった表情を見せなかった。私は別の用事を済ませるために直ぐにホームを出て行ったが、後から聞くと妹も長居は出来なかったらしい。母の周りに誰かがじっといる感じが嫌なようだ。私だけでないと多少ホッとした。

妹を松山市内で拾って帰りの車の中で、義母は寝たきりでもう永くないと聞いているが、それでも何時会ってもとても気分が良い人だと、母の変化振りと結婚した頃を比べて思い出して言った。初めて家内の実家に行った時、手入れの行き届いた我が家と比べて驚いたが、出された食事の美味しさに感心した。

義母は大勢の家族に囲まれて幸せに暮らし、母は40年間寡婦で必死に生きてきた結果が表情に表れていると私は言った。そこで、妹が上手いこといった。「我が家はハード(入れ物)にこだわり、家内の実家は良いソフトを作った」のだろうと。何と的確な表現だことか、彼女の意外に的を射た発言に私は思わず唸った。還暦を過ぎた今頃になって彼女を見直した。■

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The Day After

2010-11-07 12:16:38 | ニュース

民主党が中間選挙で歴史的大敗を喫した翌日、最大のニュースはNY証券市場が大幅に上昇しリーマン・ショック前のダウ平均に戻ったことだ。選挙の大勢が判明した翌日、連銀の金融緩和第二弾が好感され、先月の雇用が予想以上に改善された結果を反映したものといわれている。民主党の大敗は予想通りであり、重大事項ではあるけど予測が確定しただけのことだった。

FOMCの日程は事前に決まっているのだが、選挙翌日とは真に上手い日程だ。もし選挙が後に来たら量的緩和を決定できなかったも知れない。「じゃんけん後出し」ではないが、微妙な日程のズレだった。民主党が負けたから株価が上昇したというのも正確ではないと思う。

日本でもテーマは異なるがつい最近同じことが起こった。民主党代表選で菅首相が小沢氏を破って民主党代表になった直後、日銀は円高対策として包括的金融緩和を発表した。こちらの方は明らかに民主党代表選に影響を与えないよう政治的に配慮された日程だった。

当事者はそうなることを織り込んでいたと思われる行動が直後に続くことも見慣れた風景だ。オバマ大統領は選挙の大勢が判明すると、躊躇無く共和党の有力者と議会運営の協力を申し出た。こうなることを予測し、十分に練られたアクションだった。状況は異なるが、菅首相は小沢氏が検察審査会で強制起訴される事態を織り込んで内閣改造をしたはずだ。

だが予測できない事件がある日突然起こると、通常当事者は「折込済みで無い」事態に追い込まれ、続いて考えうる最悪の事態になりがちである。昨日の尖閣列島事件の画像漏洩はこの手のものだ。想定外の事件の場合、対応の後味が悪いのはじっくり考える余裕が無いからでもある。TheDay Afterなんて言っていられない。こういう時にこそ国家の実力が問われる。

だが、与野党やメディアを含めて日本全体の反応が寂しい。こういう時にしか安全保障を考えない人達が思いつきの意見を得意げに喋るのは見苦しく為にならない。明確になった中国漁船の無茶苦茶な振る舞いに先ず非難すべきで、映像情報リークを政府の手落ちと非難するばかりの与野党・メディアにはあきれる。嵐が来るのに戸締りの仕方が悪いと家族が内輪もめする馬鹿者だ。

蛇足だが、このところの先進国の株価がリーマン・ショック前まで回復したのは、企業が人員整理や投資抑制など改革し新興国特需を取り込んだ為だが、国内では雇用が回復せず需要停滞したままである。各国の回復の度合いは、輸出増の度合いに比例している。政府の対策は企業を優先し、企業は新しい事態に合せて身を削った。

一方、家庭は企業程ドラスティックに生活を改革できない。支出は切り詰めても、人員整理などできるはずがない。しかし、家族が結束して困難に立向かう時は、難しい事件が起こった時に何をするかが問われる、政治の世界と同じという気がする。この面でも昨今の日本は弱くなった気がするのは私だけだろうか。■

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