6月13日の「LPSAマンデーレッスンS」は、植山悦行七段がゲスト講師だった。言うまでもないが、かつて植山七段は、旧金曜サロンの手合い係を2年ほど務めた。会員同士の手合いをつけ、終わった対局にはワンポイントアドバイスをし、返す刀で初心者に駒落ちの指導と、それは見事な動きだった。ことに大人数の手合いを決める華麗な「捌き」は芸術的で、いまでも私たち金曜サロン組の語り草になっている。そして私が芝浦サロンで会員との交流があるのも、植山七段のおかげなのである。
私は月曜日から将棋を指すほど将棋にのめりこんではいないが、かようなわけで、13日も芝浦サロンにお邪魔することにした。
植山七段と私は雨男なので、折り畳み傘を携帯する。芝浦サロンに入る前に、サロン近くの「小諸そば」で腹ごしらえ。「二枚もり」の注文は定跡どおりだが、きょうは店員さんが、きざみネギを別のそば猪口に山盛りで入れてくれた。芝浦小諸そばの店員さんは、絶対にこのブログを読んでいると思う。
芝浦サロンには午後6時ちょっとすぎに入る。指導対局の「芝浦サロン」は、松尾香織女流初段の担当だった。
夜のマンデーレッスンSは午後6時半から8時半まで。きょうは多数の予約が入っているという情報を得ていたから、場合によっては松尾女流初段に指導対局を仰ぐことも視野に入れていた。
しかし受付の船戸陽子女流二段や松尾女流初段によると、植山七段の指導面数を増やせば大丈夫ということで、その言葉に甘えることにした。
船戸女流二段のいでたちはレオタード風で、「キャッツ・アイ」の泪ねえさんを想起した。「アサヒワインコム」に掲げられていた画像と雰囲気が似ている。あの船戸女流二段は、本当に綺麗だった。もっとも、実物のほうがもっと綺麗だが。
ほどなく植山七段が登場。植山七段にお会いするのは、4月の信濃わらび山荘将棋合宿以来だ。先日の竜王戦6組では「将来の名人候補」との呼び声も高い佐々木勇気四段に快勝し、大いに株を上げた。私はちょっと照れながら挨拶。植山七段はきょうも肌ツヤがよく、なによりだった。
ちょっと早いが、指導対局開始。この時点では4面指しだった。私に居飛車を勧めた植山七段が講師ということもあり、私は居飛車を明示。植山七段は袖飛車に構える。
近くで指導対局をしている松尾女流初段が、「芋焼酎勝負」に言及してきた。
「ワタシ大沢さんにまだ1回しか負けてないんだけどー」
「分かってますよ」
「ワタシ、勝ったらワインにしてほしいんだけどー」
「ええっ! ワインですか。芋焼酎って、どんなに高くても数千円しかしないから、しめしめと思ってたんだけどなー」
チッ、めんどうなことになった。船戸女流二段が入れ知恵でもしたのだろうか。
「ワタシ、ワインがいい」
「あああ、いいですよ。どうせ私が勝ちますから。あと4局で終わらせます」
私はぶっきらぼうに返した。
植山七段の指導対局は、最終的に9面になった。W氏、Is氏、Ho氏の姿があったが、もちろん彼らは植山七段目当てだ。ただしIs氏はすでに前半(午後3時~5時)に指導対局を受けていた。またW氏は、松尾女流初段に指導を受けていた。植山七段と親しいW氏、芝浦サロンであらためて将棋を教えてもらわなくても…というところだろう。
植山七段は軽口を飛ばし、和気藹藹とした雰囲気になる。私は植山七段との角落ち戦は3勝4敗と、意外に善戦している。もちろん自分の実力以上のものが出ているからだが、これも植山七段の話術によって、リラックスして指せているからだろう。
角落ちの将棋は位負けしないのがコツだが、強く迎え撃つ気持ちも大切である。私は植山七段の猛攻を受けるが、辛抱強く指す。
中盤、植山七段が「ええい!」と△7五銀と打った局面が下。
上手(角落ち)・植山七段:1一香、1三桂、1四歩、2三歩、2四銀、3二王、3三歩、4二金、4三歩、5三歩、5四銀、6四歩、7四金、7五銀、8一飛、9一香、9四歩 持駒:なし
下手・一公:1六歩、1九香、2二歩、2九桂、3五歩、3八飛、4六歩、5六歩、5七銀、6七歩、7二歩、7七角、7八金、7九玉、8六金、8七歩、9六歩、9九香 持駒:桂2、歩2
ここで私は自信を持って▲7六歩と打った。△8六銀なら▲同歩で、歩切れの上手は後続の攻めがむずかしい。しかしあらためて盤面を見た私は、アッと叫んだ。
これは!!
(つづく)
私は月曜日から将棋を指すほど将棋にのめりこんではいないが、かようなわけで、13日も芝浦サロンにお邪魔することにした。
植山七段と私は雨男なので、折り畳み傘を携帯する。芝浦サロンに入る前に、サロン近くの「小諸そば」で腹ごしらえ。「二枚もり」の注文は定跡どおりだが、きょうは店員さんが、きざみネギを別のそば猪口に山盛りで入れてくれた。芝浦小諸そばの店員さんは、絶対にこのブログを読んでいると思う。
芝浦サロンには午後6時ちょっとすぎに入る。指導対局の「芝浦サロン」は、松尾香織女流初段の担当だった。
夜のマンデーレッスンSは午後6時半から8時半まで。きょうは多数の予約が入っているという情報を得ていたから、場合によっては松尾女流初段に指導対局を仰ぐことも視野に入れていた。
しかし受付の船戸陽子女流二段や松尾女流初段によると、植山七段の指導面数を増やせば大丈夫ということで、その言葉に甘えることにした。
船戸女流二段のいでたちはレオタード風で、「キャッツ・アイ」の泪ねえさんを想起した。「アサヒワインコム」に掲げられていた画像と雰囲気が似ている。あの船戸女流二段は、本当に綺麗だった。もっとも、実物のほうがもっと綺麗だが。
ほどなく植山七段が登場。植山七段にお会いするのは、4月の信濃わらび山荘将棋合宿以来だ。先日の竜王戦6組では「将来の名人候補」との呼び声も高い佐々木勇気四段に快勝し、大いに株を上げた。私はちょっと照れながら挨拶。植山七段はきょうも肌ツヤがよく、なによりだった。
ちょっと早いが、指導対局開始。この時点では4面指しだった。私に居飛車を勧めた植山七段が講師ということもあり、私は居飛車を明示。植山七段は袖飛車に構える。
近くで指導対局をしている松尾女流初段が、「芋焼酎勝負」に言及してきた。
「ワタシ大沢さんにまだ1回しか負けてないんだけどー」
「分かってますよ」
「ワタシ、勝ったらワインにしてほしいんだけどー」
「ええっ! ワインですか。芋焼酎って、どんなに高くても数千円しかしないから、しめしめと思ってたんだけどなー」
チッ、めんどうなことになった。船戸女流二段が入れ知恵でもしたのだろうか。
「ワタシ、ワインがいい」
「あああ、いいですよ。どうせ私が勝ちますから。あと4局で終わらせます」
私はぶっきらぼうに返した。
植山七段の指導対局は、最終的に9面になった。W氏、Is氏、Ho氏の姿があったが、もちろん彼らは植山七段目当てだ。ただしIs氏はすでに前半(午後3時~5時)に指導対局を受けていた。またW氏は、松尾女流初段に指導を受けていた。植山七段と親しいW氏、芝浦サロンであらためて将棋を教えてもらわなくても…というところだろう。
植山七段は軽口を飛ばし、和気藹藹とした雰囲気になる。私は植山七段との角落ち戦は3勝4敗と、意外に善戦している。もちろん自分の実力以上のものが出ているからだが、これも植山七段の話術によって、リラックスして指せているからだろう。
角落ちの将棋は位負けしないのがコツだが、強く迎え撃つ気持ちも大切である。私は植山七段の猛攻を受けるが、辛抱強く指す。
中盤、植山七段が「ええい!」と△7五銀と打った局面が下。
上手(角落ち)・植山七段:1一香、1三桂、1四歩、2三歩、2四銀、3二王、3三歩、4二金、4三歩、5三歩、5四銀、6四歩、7四金、7五銀、8一飛、9一香、9四歩 持駒:なし
下手・一公:1六歩、1九香、2二歩、2九桂、3五歩、3八飛、4六歩、5六歩、5七銀、6七歩、7二歩、7七角、7八金、7九玉、8六金、8七歩、9六歩、9九香 持駒:桂2、歩2
ここで私は自信を持って▲7六歩と打った。△8六銀なら▲同歩で、歩切れの上手は後続の攻めがむずかしい。しかしあらためて盤面を見た私は、アッと叫んだ。
これは!!
(つづく)