一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

女流棋士との親睦将棋会2015(中編)

2015-03-31 00:23:43 | 将棋イベント

以下の指し手。▲6五桂△6四銀▲2五桂△同桂▲同飛△2四歩▲2九飛△4四桂▲2三角成△同金▲3五桂△3六桂▲2三桂成△4八桂成▲同金△6五銀(第2図)

ステージでは、若手女流棋士のリレー対局が行われている。メンバーは、加藤桃子女流二冠・和田あき女流初段・竹俣紅女流2級×西山朋佳奨励会二段・北村桂香女流1級・山根ことみ女流1級。棋譜読み上げは相川春香女流1級だ。各自5手指して交代で面白そうだが、私にはよそ見をしている余裕などない。
そのほか、甲斐智美女流王位・倉敷藤花、香川愛生女流王将、矢内女流五段、山田久美女流四段によるサイン会もあるが、ここからは見えない。会場の表でやっているのだろう。
局面、とりあえず▲8三角成はできる。しかし△7七歩成を利かされるのがシャクに障る。以下▲7三馬△7八とはと金が残り下手悪い。
そこで桂を逃げることになるが、▲8五桂は△8四銀▲8三角成△8五銀で、馬は作ったものの下手歩切れで、面白くないと思った。
そこで▲6五桂と中央に跳ねたが、本田小百合女流三段はよろこんで?△6四銀。
そこで私は▲3五桂を考えたが、うまくいかないと見て、▲2五桂と跳ねた。以下大振りかわりがあり、△6五銀まで一段落したが、冷静に局面を見ると、私が敗勢になっているのに愕然とした。

▲3三成桂△3六桂
まで、74手で本田女流三段の勝ち。

▲2四飛と走りたいが、△同飛▲同成桂△3六桂は下手負けっぽい。そこで▲3三成桂と寄ったが、やはり△3六桂が厳しかった。
まだ桂があるのかと思ったら、一手前に桂を入手されていた。しかもこれは私が6五に跳ねたヤツである。この駒で攻められるのは何とも不愉快で、これで戦意喪失、そのまま投了した。
「エッ!?」
と驚く本田女流三段。「▲4九金と引かれて難しいと思ってました」
「そうですか…」
「▲6五桂では▲8五桂がよかったでしょう」
「……」
「△7四銀なら▲6六桂だし、△6二銀には▲8三角成~▲7四桂もある」
「そうか、桂は▲5三桂成も見ていたんですけど」
「でも5三には飛車も利いてますしね。最後は▲2四飛と走れればよかったんでしょうけど、△同飛▲同成桂に△3六桂がありますものね」
ここは本田女流三段も同じ読みだったが、よく考えたら△3六桂には▲3二飛がある。よって▲2四飛には△同飛と応じず、先に△3六桂で下手負けだと思う。「でも最後はホントに▲4九金で、こちらはどう指せばいいか」
「何か、どうやってもダメじゃないですか。△2八銀で飛車を殺されるくらいで」
「そうか、そうですね」
途中からどっちがどっちのセリフだか分からなくなっているが、下手がおのが負け手順を指摘して上手が納得するという、懐かしいパターンが出てきた。
感想戦を終え、腕時計を見ると午後1時48分である。せっかくの指導対局だったのに、アッサリ終わってしまったのが残念だ。当たり前だが、やはりプロは強かった。
時間ができたので、室内を見て回る。ざっと見渡して、入場者は軽く150人以上いる感じだ。
指導対局はやはり駒落ちが多い。上手の作戦もさまざまで、中にはちょっと突っ込みたくなる陣容もあったが、私がそれを書く資格はない。
ステージの解説は谷川浩司九段、聞き手は清水市代女流六段が務めている。きょうはNHK杯の放送はないが、リアルタイムで清水女流六段が聞けるわけだ。
対局者の6人は艶やかで、眼福ありがとうございます、というところ。
と、谷川治惠女流五段に声を掛けられた。
「いつもブログを拝見しています。先日も私のことを書いていただきまして」
谷川女流五段は当ブログの貴重な読者で、それは昨年のイベントのとき、御当人から聞いた。
私なぞは駒桜にも入っていないし、女流棋士会にとって優良な客ではないが、分け隔てなく接してくださる谷川女流五段には頭が下がる。ちょっと私も、女流棋士会に肩入れしちゃおうか、などと考えてしまう。
解説が、谷川九段から上田初美女流三段にバトンタッチされた。上田女流三段は4月から、加藤女王とマイナビ女子オープンの五番勝負を戦う。上田女流三段には、もはや加藤女流二冠しか見えていないだろう。
会場の左側は販売スペースになっていて、サイン色紙や将棋盤、カレンダーなどが売られている。生写真のコーナーもあるが、ちょっと買う気はしない。
すぐ近くでは、山口恵梨子女流初段が指導対局をしている。平手戦が2局あるが、どちらも居飛車を持っている山口女流初段が、どちらも穴熊に潜っている。山口先生、守りに勝ちすぎていないだろうか。
ステージ対局は、西山チームの勝利。しかし艶やかさは「引き分け」だった。
続いては同ステージで伊藤沙恵女流初段、塚田恵梨花女流2級、高浜愛子女流3級、山口絵美菜女流3級のトークショーである。進行は村田智穂女流二段と鈴木環那女流二段。まったく、女流棋士会には適材適所の女流棋士がワンサカいる。
指導対局は2回戦に入り、私もそれを見て回る。さっき対局の西山奨励会二段は2面指し。抽選の結果そうなったのだろうが、これは下手にとって贅沢な環境だ。
対して竹俣女流2級は怒濤の5面指しである。竹俣女流2級を拝見したのは2007年6月に行われたLPSA新宿イベントだが、そのときの女の子がいまや大のオトナ5人を相手に戦っているとは、感慨を禁じ得ない。きょうも振袖がよく似合っている。私は制服派だが、彼女だけは和服でもいいと思う。
トークショーはなかなか面白い。村田女流二段が塚田女流2級に、「母娘対決になったらどうしますか?」とか聞いている。言うまでもないが、塚田女流2級のお母さんは、高群佐知子女流三段である。
塚田女流2級いわく、「(母は、母娘対局を)考えたくない、と言ってました」とのことだった。
室谷由紀女流初段が販売スペースのレジにいる。袴姿もバッチリ決まって、まったく何という美しさであろうか。モデルか。女優か。そんな彼女と会話をする絶好のチャンスだが、それには何かを購入せねばならない。しかしそのカネが惜しく、私は何も買わず、その前を通り過ぎることとなった。
トークショーがおわり、抽選会となる。入場ハガキに3ケタのナンバリングがされており、これが当選番号となる。賞品は里見香奈女流名人のサイン扇子15本など多数。私は期待したが、どうも外れたようだ。
時刻は3時半になり、ここで中休み。
第2部は3時45分からで、ここでは「次の一手名人戦」「ぐるぐる将棋」「30秒de二面指し」の催しがある。私は事前に「30秒」を選んでいる。
例によって、対局者の抽選である。今度は貞升南女流初段に当たった。
またも人妻に当たるとは、運がいいのか悪いのか。ともあれ貞升女流初段の居飛車を勉強させていただこうと思った。
第2部の司会は高橋和女流三段が務める。私も所定の席に着き、30秒将棋の対局開始となった。
▲7六歩△8四歩▲2六歩△3四歩▲2五歩。
本局こそ角換わりの将棋を教えていただきたかったのだが、4手目に△3四歩とされ、またも横歩取り模様となった。
と、貞升女流初段が△8八角成!ときた。
これは、いよいよ角換わりの将棋になるのか!?
というとき、背後から
「すみません、対局カードを見せていただけませんか?」
と、スタッフ氏から声を掛けられた。
私は、「職務質問」されるようなことをしたのだろうか。
(4月2日につづく)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする