神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


神様がくれた素晴らしい人生(yottin blog)

光秀謀反の本能寺 なーんちゃって㉘

2021年03月16日 18時03分54秒 | 光秀の本能寺
織田信孝は武者としては勇猛果敢であるが、根は純真で単純である
そういった点では柴田勝家に似ている、だから秀吉のような狡猾な男の手にかかれば脆い
今は小牧方面から攻めよせてきた徳川軍と秀吉の二つの大軍団に気を取られているが、抜け目のない秀吉はすでに伊賀から伊勢に向けて蒲生の一隊を進めていた
伊勢方面は滝川一益が信孝と同盟して守備している
信孝にしてみれば後詰と遊撃を滝川一益に期待していたのだが、それも水泡に帰した
蒲生氏郷は池田元助の軍を合わせて15000で伊勢に向かった、そして砦や要害を攻め落としていった
滝川一益は急いで桑名城に戻り、守りを固めた
しかし今度は徳川家康の遊撃隊が手薄になった長島一帯を攻め落として滝川の背後に迫った
ついに滝川一益はお手上げ状態になり、蒲生氏郷に降参した
こうなると日和見していた筒井順慶も慌てて羽柴陣営に加わり尾張に出陣した

秀吉は織田信忠の遺児三法師と羽柴秀勝の連名で尾張地内で信孝に与力している諸将に通告した
「宗主謀殺と言う畜生働きをした信孝に味方して、三法師様に手向かう輩は織田宗家への反乱軍とみなして一族郎党から家族まで皆殺しに処す」
これに驚いた地侍や将が相次いで秀吉陣営に投降してきた、秀吉はそれらを最前線に配置して那古屋城を攻めたてた
那古屋城を落とすと全軍が清洲城を囲んだ、逃れる道は無くなった
徳川軍も小牧の信孝軍を信雄と共に攻めて、ついに小牧山城を陥落させた
これにより援軍ん見込がなくなった織田信孝は降伏の決意を固めて秀吉の軍門に下った

秀吉は実のところ信孝の処置に迷っていた
腹を切らせるか、遠方に流すか、許して小大名として使うか
本当は腹を切らせてしまえば簡単なのだが、それでは家康を味方にしている織田信雄を勢いづかせることになる
信雄は信孝よりかなり武将としての資質で劣るが、欲の深さでは信孝や信忠の比ではない、出家したことも偽装だと秀吉は思っている
そんなふうに思っていたところになんと信雄が家来を引き連れて訪れたのである
「筑前、この度の働き大儀、殊勝である この信雄そなたの働きに大いに感銘を受けた 兄信忠も父上もさぞ喜んでおられるであろう
後日、存分の恩賞を与えよう」完全に上から目線である
誰にも案内されたわけでもないがいつのまにか秀吉の上座に回って信雄は座っていた
秀吉も思わず苦笑した、すると黒田官兵衛が口を挟んだ
「信雄様、宗家三法師君が只今おいでになられますので座を一つお下がり下されたく...」
周りの雰囲気に押されてしぶしぶ信雄は席を立った、そして幼い三法師を抱き上げた秀吉は信雄の上座に座り耳を三法師の口に近づけた
「叔父上には此度の岐阜城攻め見事である」と申されております
いくら信雄が愚鈍であってもこの臭い芝居はわかる、信雄は顔色を変えて抗議しようとした
すると横から丹羽長秀がさえぎって
「まことに信雄さまの御働きは見事でありました、われらも清州城を攻め落としましたが、あの難攻不落の岐阜城を攻め落とすよりはたやすい」
老臣の大人、長秀に言われるとまんざらでもない信雄だった
そして気を取り直して秀吉に言い放った
「信孝の逆心許さず! 即刻切腹を申し付ける」
秀吉の迷いは消えた「信雄様の心中あいわかりました、神妙に承り直ちにお腹を召されるよう申し付けます」
今、腹を切らせれば諸将の前で声を張り上げた信雄の命令によることは明白である、秀吉が汚名を着せられることはなく信孝を抹殺できる
その日のうちに織田信孝の命は消えた、織田三兄弟で一番資質が劣る信雄が唯一生き残った
秀吉と官兵衛は顔を見合わせて笑みを浮かべた

翌々日、羽柴秀吉、丹羽長秀、織田信雄、蒲生氏郷、織田有楽の5名が清州城に集まり今後の織田家の運営と領土の再配分の会議を開いた
これを第二次清須会議と後世の人は呼んだ
そしてここでの主導権争い、領土の配分で秀吉と信雄は真っ向から対立した
信雄は怒り狂って岐阜城に引き上げた、そして徳川家康の助けを確約してもらうと小牧城まで軍を押し出した
驚いた織田有楽は巻き添えになってはたまらぬと兵を率いて尾張まで逃げ出して秀吉の陣営に入った
徳川家康も信雄との盟約を守って5万の軍勢を率いて小牧から長久手周辺に陣を張った
一方羽柴勢は信長の4男羽柴秀勝を旗頭にして蒲生氏郷をつけた
播磨からも弟の羽柴秀長の軍を呼び寄せた、さらに近江、大和、河内、伊勢
の軍勢を集め、丹羽長秀の軍と共に陣を張った
秀吉軍の総勢20万、対する織田信雄、徳川家康連合軍は7万である
小牧および長久手周辺での大戦が始まろうとしていた
後世、小牧長久手の戦いと呼ばれることになった










最新の画像もっと見る

コメントを投稿