おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(7月3日)の暑さには参りました。
これからこの暑さに慣れなければならないのですね。
人間は、ある環境の中で過ごしていると、最初は違和感があっても、次第にその環境に順応していく力があるので、いつしかそれが「あたりまえ」となってきます。
さて、本を読むことが1の効果であるのに対して、講座に参加して仲間と切磋琢磨することの効果が10倍であるという意味での「アドラー心理学 効果1:10の法則」の第2回目です。
その論拠としての次の3つの中の1.を取り上げます。
1.共通感覚(コモンセンス)が養われること
2.鍛錬につながること
3.記憶の長期化が見込まれること
アドラー心理学の認知論で語ります。
私たちは、出来事や経験をその人独特の認知上の歪みを通して把握します。
そのことは、読書においてもあてはまります。
自分の興味本意、理解可能な枠組みの中で、その人特有の「私的論理」を通じて読み取るのです。
客観的に著者が伝えたい内容をそのまま把握するわけではありません。
ちなみに、「私的論理」は、その人特有のものの見方、考え方、価値観で、一人ひとりユニークです。
この私的論理を通じて10数冊のアドラー心理学を読んだとしても、その記憶とそれに基づく理解は、その人なりに歪みがあります。
ここで必要なのが「共通感覚(コモンセンス)」です。
共同体で営まれている生活を理解し、評価する感覚としての共通感覚は、客観的・絶対的な尺度でなく、Aさんが、Bさんが、Cさんが・・・・と受け止められる、まさに建設的(ユースフル)な私的論理の集合体としての共通の感覚です。
一般には、良識、常識として使われていますが、アドラー心理学では「共通感覚」として使われています。
適切な指導者がいるところで、仲間たちと切磋琢磨しながら学び合うと、「へえ、こう見るんだ」「こんな考えもあるのだ」という感動を伴いながら自分自身の認知の枠組みを広げることができ、そこで形成された共通感覚を通じて学びの効果が10倍になります。
アドラー心理学ベーシック・コース を学んだ方々からよくある感想は、次の言葉に代表されます。
「色々な方と全て話すことができて自分の勘違いに気づき、スッキリしました!」
独学もいいかもしれませんが、学び合いは楽しく効果的です。
最後にアドラーの言葉:
「私的な人生の意味などというものは、実際、そもそも決して意味と呼ぶべきものではないのだ。意味というものは、他者との交わりにおいてのみ可能なのだ」
<お目休めコーナー>7月の花(2)