おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(7月4日)は、山梨の佐藤 丈さんから初単著『勇気づけの教室をつくる! アドラー心理学入門』(明治図書、1,900円+税)をお贈りいただきました。
ご丁寧に自筆のお手紙が添えられていました。
とても平易な文章で、教育に携わる方々に読んでいただきたい本です。
さて、「アドラー心理学 効果1:10の法則」の第3回目です。
今回は、一人でアドラー心理学の本を読み続けるよりも適切な指導者のいるところで仲間と切磋琢磨することで効果が10倍になることを「鍛錬」の言葉から導き出します。
シェイクスピアの翻訳家でもあった英文学者の中野好夫氏のこんな話をどこかで読んだことがありました。
ご夫人と一緒にロンドンに行かれたとき、中野氏の英語がさっぱり通じなくて、ご夫人がもっぱら日常会話を引き受けていたそうです。
ところが、シェイクスピアの話になると、英国人が舌を巻くほどの原文が口から出てくるので、立場が逆転したのだそうです。
このことは、英会話だけでなく書道・武道などにもあてはまることで、いくら指南書を読んでも書道・武道などの達人になることは不可能です。
私は、アドラー心理学を実践するためには、それこそ「鍛錬」が必要であることを強調します。
「鍛錬」に関しては、宮本武蔵の『五輪書』の次の言葉を肝に銘じておくとよいと思います。
「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」
宮本武蔵は、剣の道を極めるには、それこそ万日の稽古が必要だと説いているのです。
『五輪書』の重要な部分を現代語訳でご紹介しましょう。
「書物を読むばかりでは兵法の道に達することはできない。この書に書き付けたことを、自分自身のこととして、ただ書物を見るとか、習うとか思わず、物真似をするというのではなく、すなわち、自身の心の中から見出した道理とするよう、常にその身になって、よくよく工夫しなければならない」
それこそアドラー心理学を身につけるためには、まずはせめて千日(約3年間)、稽古をし続けようとする覚悟を持ちたいものです。
<お目休めコーナー>7月の花(3)