おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(法人研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨晩(1月7日)から筑波のホテルに来ています。
今日(1月8日)から早速法人研修が始まります。
1月、2月に200人近くの人たちを4回に分けて研修を行う初回です。
法人事業部の 目次 心 マネジャーの躍進が著しく、続々 と 法人研修 がまとまっています。
1年以上先の案件までどしどし決まっています。
さて、今年のヒューマン・ギルドのスローガンは「継続的なイノベーション」ですが、「イノベーション=新結合」であることは、1月1日付けのブログ でも書いています。
この「新結合」を意識しながら、もともと関係もないはずのものをつなげてみると、思わぬ発想が生まれてきます。
数日前の産経新聞で新渡戸稲造が『修養』(明治44年9月、実業之日本社刊)に書いた次の言葉をメモ帳に入れておきました。
こんな言葉でした。
「勇気を修養するものは進む方の勇ばかりでなく、退いて守る方の沈勇もまたこれを養うように心がけなければならぬ。両者が揃うて本当の勇気が成る」
「勇気」と書くとどうしても「勇ましい気力」のように捉えられがちですが、退いて守りに入るのも勇気の重要な1つであるように読み取れます。
このことを意識しながら『ニッポン2021-2050 ― データから構想を生み出す教養と思考法』(落合陽一×猪瀬直樹、角川書店、1,400円+税)を読んでいたら、猪瀬氏の部分でこんなことが書かれていました(『昭和16年夏の敗戦』参照)。
日米開戦のわずか数か月前、当時30代の官僚や軍人、ビジネスマンら30数人が密かに集めれられて、総力戦研究所で模擬内閣を作って、開戦のシミュレーションをしました。
霞が関の将来の事務次官候補や、企業の経営者候補などを含むメンバーが「模擬内閣」の総理大臣、日銀総裁、陸軍大臣、海軍大臣といった肩書を与えられて、「アメリカと戦争したらどうなるか」というシミュレーションを徹底的に行った結果、最後にソ連が参戦し日本が負ける、という結果が出ていたのです。
しかし、開戦時の東条英機(当時は陸軍大臣)が「戦争は意外なことが起きる。だから机上の空論ではないんだ」と突っぱねました。
猪瀬氏は、第2次世界大戦を「不決断で始まった戦争」だと断じています。
私たちは、進む時こそ勇気を発揮しがちですが、もっと勇気が求められる退く場面で、なかなか決断できないままでいることが多いものです。
「勇気を修養するものは進む方の勇ばかりでなく、退いて守る方の沈勇もまたこれを養うように心がけなければならぬ。両者が揃うて本当の勇気が成る」という新渡戸稲造の言葉を胆(きも)に銘じたい新年のひと時でした。
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