アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(法人研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド 岩井俊憲です。

昨日(1月29日)は、某企業の昇格者研修2日目を担当しました。

前日、シミュレーション演習で解雇を宣告された管理者は、半年間の失業・自己点検期間を経て、思わぬ声がかかり自社の従来のポジションに復帰しました。

こんなことがありえない優良企業ですが、意識変革に迫るためには効果的だったようです。


さて、今まで切り抜いていながら読めていなかった新聞記事に目を通したら、「ユニクロ」を経営するファーストリテ―リングの会長兼社長の柳井正氏が日本経済新聞の編集委員の中村直文氏を聞き手とする対談で語った
チェーン店の時代、終結 ファストリ柳井氏が語る未来  【未踏に挑む】 (2019/1/13 1:30日本経済新聞 電子版)のある箇所を紹介します。

――AI(人工知能)が進化すると、経営にどんな影響が及びますか。

「社員には、AIの導入を考える前に自分の頭脳を鍛えてほしいと話している。これから知識労働へシフトするわけで、そのためには『AIにはまねできない意味』を理解し、適切な質問ができる人間にならないと使いこなせない」

「ノーベル賞を受賞した本庶佑先生の話した6つのCが重要になる。キュリオシティー(好奇心)、カレッジ(勇気)、チャレンジ(挑戦)、コンフィデンス(自信)、コンテニュー(継続)、そしてコンセントレーション(集中力)だ。それと教科書を信じるな、教科書以上の答えを出せと言っている」

――なぜ日本にFANG(米フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)が生まれないと思いますか。

「自分で考えないから。日本の中で食えてしまうし、組織もピラミッド型でアナログだよね。デジタルの世界に対応するには、組織をフラットにして即断即決で指示が出る形にしないと。働き方もデジタル化し、もっと効率を上げる必要がある」

まとめると、私は、

これからの知識労働者は、
適切な質問ができる人間になり、
6つのC ― キュリオシティー(好奇心)、
カレッジ(勇気)、チャレンジ(挑戦)、
コンフィデンス(自信)、コンテニュー(継続)、
コンセントレーション(集中力)
― を持ち、

組織的には、フラットにして即断即決で指示が出る形にしなければならない。

と読み取りました。

「リスクを引き受ける勇気」が求めれれていることを強く感じております。

◆リスクを引き受ける勇気の1回目、2回目は、次のとおりです。

2018年12月14日付けブログ リスクを引き受ける勇気(1):「去るも地獄、残るも地獄」に処するのに役立った研修遂行
2019年1月5日付けブログ  リスクを引き受ける勇気(2): 平成の30年間=リスクを引き受ける勇気欠乏症の時代

 

『「勇気づけ」でやる気を引き出す! アドラー流リーダーの伝え方』(秀和システム、1,500円+税)では、「おわりに」の冒頭部分で絶えざるイノベーションが企業の至上命題になっていることを書いています。

「勇気づけ」でやる気を引き出す!
アドラー流リーダーの伝え方
岩井 俊憲
秀和システム

おわりに

VUCAの時代の「生産性」と「人間性」のバランスが求められるリーダーシップ

2010年代の中半以降、「変動性」(Volatility)、「不確実性」(Uncertainty)、「複雑性」(Complexity)、「曖昧性」(Ambiguity)の英語の頭文字を並べたビジネス用語「VUCA(ブーカ)」がさかんに新聞や雑誌に登場するようになりました。

どれかひとつか2つだけならば、今までの時代にも言われていましたが、この4つがいっぺんに私たちのビジネス環境に押し寄せていることを表現したのが、「VUCA(ブーカ)」です。

「VUCA(ブーカ)」の時代は、世界的に個人データを圧倒的な規模で集めている勝ち組企業4社のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)のうちのアップルを除くと、10年以内に規模を拡大していった企業の時代です。
その逆をたどれば、一世を風靡しながら10年も経たないうちに凋落していった企業も数多く存在しています。
このことは、ビジネスのスピードが年々加速していることを表し、商品やサービスが短期間のうちに陳腐化することにもつながり、絶えざるイノベーションが企業の至上命題になっていることをうかがわせます。

このような環境変化が激しい中で、一貫して変わらない組織の2つの流れがあります。
それは、「生産性」と「人間性」という、どんな組織にも求められる目標です。

「生産性」と「人間性」は、時代と共にどちらかに傾くことがありますが、どちらか一方だけということはありません。
「生産性」と「人間性」という目標は、企業が存続するためには、車の両輪、飛行機の両翼に相当する、存続に欠かせない2つの軸です。

企業において影響力を発揮するリーダーは、絶えずこの2つの軸である「生産性」と「人間性」のバランスを取りながらかじ取りをしなければなりません。

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