おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒュ.ーマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日のブログでは、7月10日に観た劇団四季のミュージカル『アラジン』の感動が残り、その中の【アラジン】【魔法のランプ】【3つの願い】が頭にこびりついていることを書きました。
話は発展して【3つの願い】がアドラー心理学の『ライフスタイル調査表』に使われていることは、 アドラー・カウンセラー養成講座 を学んだ人なら誰でも知っています。
「カウンセラーが全知全能の存在であって、クライアントの願いを何でも実現できるとしたら何を願うか? ただし、3つに限られます」というような言い方をします。
すると、1億円をゲットしたい、特殊な才能を身につけたい、宇宙旅行をしたいという果てしもないものから、家族が健康でいられるように、世界が平和でありますように、まで調和を求めるものまで無制限にクライアントの願望が出て、その人の究極目標の一端が現れます。
このアドラー心理学の『ライフスタイル調査表』の【3つの願い】を誰が考案したかを調べていくと、アドラーでもドライカースでもなくハロルド.H.モサックとバーナード.H.シャルマンが作成した『ライフスタイル調査表』らしいことが”Adlerian Counseling and Psychotherapy”(Don C. Dinkmeyer, Don C. Dinkmeyer.Jr.and Len Sperry)でわかりました。
ただこの本では、【3つの願い】を問う質問が次の3つであることに少々落胆しました。
(1)もしあなたがある動物になるとしたら、どんな動物を選びますか? その理由は?
(2)あなたがなりたくない動物があるとしたら、それはどんな動物? その理由は?
(3)あなたのお好みの寓話か物語があるとしたら何? その理由は?
アラジンの魔法のランプに対してできる願い事に比べると、スケールが小さすぎます。
アラジンの願い事には3つのルールがあることは一昨日も書きましたが、次の3つの制約があります。
(1)人を殺さないこと
(2)人の心を変えないこと
(3)死んだ人を蘇らせないこと
ところで、【アラジン】【魔法のランプ】のオリジナルとたどると、『アラビアンナイト』の名称でも世界的に知られる『千夜一夜物語』に行きつきます(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E5%A4%9C%
E4%B8%80%E5%A4%9C%E7%89%A9%E8%AA%9E
妻の不貞を知り、妻と相手の奴隷たちの首をはねて殺すようになるほど女性不信となった王が、街の生娘を宮殿に呼び一夜を過ごしては、翌朝にはその首をはね、街から次々と若い女性がいなくなっていった。
そんなある日、困り果てた王の側近の大臣の一人の娘シェヘラザードが名乗り出て、これを止めるため、王の元に嫁ぎ妻となった。
明日をも知れぬ中、シェヘラザードは命がけで、毎夜、王に興味深い物語を語る。
話が佳境に入った所で「続きは、また明日」そして「明日はもっと面白い」と話を打ち切る。
王は新しい話を望んでシェヘラザードを生かし続け、千と一夜の物語を語り終える頃には二人の間には子どもが産まれていた。王は自分とシェヘラザードの間に子供が出来たことを喜び、シェヘラザードを正妻にする。
こうしてシェヘラザードは王の悪習を終わらせた。
こんなハッピーエンドの筋書きです。
すなわちこの王の悪習を止めさせたとする筋書きは、後世のヨーロッパ人が追加したものだとも言われています。
私が注目したいのは「物語は進化する」ということです。
もっとっもっと書きたい。
でも、シェヘラザード流にまた今度。

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