おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒュ.ーマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(8月8日)ほどテレビに釘付けになっていた日は、最近ではなかったかもしれません。
午前中は、女子マラソン、女子ゴルフ、夜は侍ジャパンの対米国シーンをずっと観ていました。
それぞれ選手の、そしてサポート・チームの快挙でした。
昨日が終わった時点で金27、銀12、銅17というのは大奮闘です。
今までのオリンピックと比べると、メダリストのインタビューで「楽しめた」という言葉が出た数では、今までと大きく違っていることが目立ちました。
同じくインタビューで「勇気づけられた」というアドラー心理学ならではの表現が随所に見られたり、兄妹で金メダルを獲得した柔道で阿部一二三選手がが妹の詩選手のことを「柔道家として尊敬している」という言葉に、「とうとうリスペクトでなく『尊敬』が出たか!」とうれしくなりました。
私は今回のオリンピックで色濃かった特徴として「協力的競争」という表現を用いたいと思いました。
その例としては、さまざまな場面がありましたが、代表例はスケートボード女子パーク決勝でした。
日本勢が四十住さくら選手が金メダル、開心那選手が銀メダル、岡本碧優選手は4位を獲得の結果に終わったことについて感動シーンが見られました。
優勝候補と目されていた岡本選手は決勝の最終滑走で大技に挑戦したものの着地に失敗し、4位となりました。
その後、各国の選手が戻ってきた岡本選手の元に集まり、抱え上げる場面は感動を呼びました。
抱え上げられ、笑顔を取り戻した岡本選手の表情が忘れられません。
競技中はライバル同士でありながら、お互いを称え合っていたのです。
もう1つ、男子走り高跳び決勝では、カタールのムタエッサ・バーシム選手とイタリアのジャンマルコ・タンベリ選手が同記録で金メダルを分け合いました。
両選手ともノーミスで迎えた2メートル39センチを失敗。
順位を決めるかどうか審判から選手へ委ねられたところ、両選手は競技をやめることを選択。
2人が頂点に立つ珍しいシーンも目撃しました。
オリンピックではとかく競争の成果を競うイメージがあります。
また、アドラー心理学の論者の一部には競争を否定している人がいます。
これに対して子ども時代にスポーツをやって来て、イノベーションにも大きな関心を持つ私の立場を明確にします。
「競争は是か否か?」と問われれば「是」と答えます。
ただし、条件があります。
競争が非建設的/破壊的に働くとしたら「否」です。
アドラーがよく使った「人類の進化」にほど遠くなります。
しかし、今回のオリンピックのように競争が建設的/協力的に作用するとしたら、この類の競争は、「人類の進化」に大きく作用するので、「是」とすべきではないでしょうか?
開催について「否」が大勢を占めていた東京2020オリンピックは、今までの競争の概念を変えた歴史的なイベントとして後世に残るかもしれません。
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