おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
私がこの頃、コツコツとカウンセリングをこなしています。
私がアドラー心理学に進んだ原点だからです。
経営者から今後世に羽ばたきたい人、カップル関係、職場不適応、不登校まで人やジャンルは問いません。
その中で【ひきこもり】青年のカウンセリングを、個人を特定できないように、少しアレンジしてお伝えします。
A青年としましょう。
A青年がカウンセリングにやって来たのは、私の『超訳 アドラーの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がキッカケでした。
ショートメールで「岩井さんのカウンセリングを受けたい。できるだけ早く、対面型で」とのメッセージが入り、私はヒューマン・ギルドで彼を待ち受けました。
会うなり『超訳 アドラーの言葉』を見せたA青年に私は「サインをしましょうか?」と尋ねると、「是非」と答えたので、彼の名前に私のサイン、日付の他に「道は開ける」との言葉を書きました。
ここですぐさま、ラポール形成です。
身なりもしっかりして【ひきこもり】を主訴とするA青年の話を聴くと、「5年ほどひきこもっていて、家族とは最小限の会話しかせず、もっぱら図書館で本を読んでいる」とのこと。
引き金になったのは、大学を卒業して就職していた会社で上司から厳しい叱責を受け、嫌になって退職。
それ以来働いていない、とのこと。
その他のいくつかの情報収集をしたうえで、私は「アマチュアですね。【ひきこもり】とは言えないかもしれません」とし、【ひきこもり】の定義を伝えました。
《ひきこもりとは「仕事や学校に行かず、かつ家族以 外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて 自宅にひきこもっている状態」を言う。 家から出られない人もいれば、図書館やコンビニに 行くなど、他者と交わらない形で外出をしている人も いる。》
図書館は、彼の一種の出勤先、コンビニは彼が大学時代に3年間働いたホームグラウンド。
しかも、図書館では、『嫌われる勇気』を筆頭に、アルフレッド・アドラーの本のほとんどを読んだとのこと。
その情報から「あなたは【ひきこもり】ではなく研究者なんだ」と私の解釈を伝えました。
彼は、その段階になると、ノートを取り出して私の話をひたすらメモしていました。
そして、彼はこう尋ねました。
「これから私は、どうしたらいいんでしょう?」
こうなったら私のフィールド。
・カウンセリングのことを知っていた両親にカウンセリングの内容を伝えること
・「何か自分にできることはないか?」と母親に尋ねて、簡単なことからお手伝いすること
・両親と一緒に食事をすること
・対人関係の薄いアルバイトから始めること
カウンセリングの終りに「将来の夢は?」と尋ねると、「岩井さんのようになること」と言って、笑顔で帰路につきました。
私は彼が前途有為な青年であることを確信しました。
大切にし、丁寧に関わり続けたいと思いました。
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