東京国立博物館の新年恒例企画。年末にメガネを紛失して、正月休みに動けなかったので、だいぶ遅れてしまったが、なんとか行ってきた。
■特別1室・2室 特集陳列『博物館に初もうで-猿の楽園』(2016年1月2日~1月31日)
「博物館に初もうで」も今年で13年目を迎え、「申」から始まった本企画は今年で2周目に入るそうだ。この企画が始まった年(1月2日から博物館が開くようになった年でもある)のことはよく覚えているが、何が展示されていたかは覚えていない。今年は京博の「さるづくし」を先に見てしまったので、心の中で比べながら見る。狂言面は京博でも出ていた。水滴、目抜、根付など工芸品が多い。書画は狩野山雪筆『猿猴図』がメインビジュアル。とびぬけて可愛い。個人的には、狩野尚信筆『猿曳図』がすごく好き。墨の濃淡が気持ちいい。猿曳きは尖った帽子をかぶっている。
■本館2室(国宝室)ほか 新春特別公開
常設展のところどころに「新春特別公開」の見出しをつけた名品が隠れている。国宝室では長谷川等伯筆『松林図屏風』を公開(2016年1月2日~1月17日)。これ、最近三年くらい新春特別公開が恒例になってしまっているが、できれば、もっとお客の少ない時期にそっと出してほしい。本館7室(屏風と襖絵)の池大雅筆『楼閣山水図屏風』(2016年1月2日~1月24日)は、金地に赤・青・緑などの色彩が華やかで、お正月らしくてよかった。岳陽楼と酔翁亭だというが、酔翁亭(安徽省)は行ったことないかなあ。本館10室(浮世絵)は、だいたい足早に通り過ぎるのだが、今回はオール葛飾北斎で足が止まった。『冨嶽三十六景・凱風快晴』などの有名作品だけでなく、版本『飛弾匠物語』や肉筆浮世絵『七面大明神応現図』など、めずらしいものが見られた。
■本館15室(歴史資料)『中国史跡写真』(2016年1月2日~2月28日)
建築史家・関野貞(せきのただし、1867-1935)の中国史跡・建造物調査の写真展。関野に随行し、調査記録の作成と写真撮影に当たった竹島卓一(たけしまたくいち、1901-1992)が持ち伝えた4000件以上の焼付写真が、平成25年(2013)に竹島の親族から東博に寄贈された。今回の展示は、その一部を公開するもの。南京の棲霞寺や大同の下華厳寺など、行ったことのある史跡もあって、懐かしく眺めた。説明によると、同館は東京大学東洋文化研究所と共同して、平成26年度にこれら写真の目録を公開したそうである。昔からこのひとに興味があった私としては、ちょっと嬉しい。(※参考:東大総合研究博物館のニューズレター「特別展 関野貞の仕事と人物/藤井恵介)
■東洋館8室(中国の書画) 特集陳列『藍瑛とその師友-家族と工房-』(2016年1月2日~2月14日)+『顔真卿と唐時代の書』(2015年12月1日~2016年1月31日)
絵画は藍瑛(らんえい、1585-1664、異説あり)の特集。解説によれば、浙派の雄大な構図法に当時の江南で流行していた清雅な文人画法を取り入れて新しい画風を確立し、江戸の文人画家たちに影響を与えたそうだ。知らない名前の画家だったが、作品は気に入った。ただ、展示品のほとんどが「個人蔵」で写真撮影できなかったのが残念。書は、日本人にもなじみの深い唐時代の書を特集。展示品は、当たり前だが全て拓本である。顔真卿の書は、それと分かりやすくて好き。
■特別1室・2室 特集陳列『博物館に初もうで-猿の楽園』(2016年1月2日~1月31日)
「博物館に初もうで」も今年で13年目を迎え、「申」から始まった本企画は今年で2周目に入るそうだ。この企画が始まった年(1月2日から博物館が開くようになった年でもある)のことはよく覚えているが、何が展示されていたかは覚えていない。今年は京博の「さるづくし」を先に見てしまったので、心の中で比べながら見る。狂言面は京博でも出ていた。水滴、目抜、根付など工芸品が多い。書画は狩野山雪筆『猿猴図』がメインビジュアル。とびぬけて可愛い。個人的には、狩野尚信筆『猿曳図』がすごく好き。墨の濃淡が気持ちいい。猿曳きは尖った帽子をかぶっている。
■本館2室(国宝室)ほか 新春特別公開
常設展のところどころに「新春特別公開」の見出しをつけた名品が隠れている。国宝室では長谷川等伯筆『松林図屏風』を公開(2016年1月2日~1月17日)。これ、最近三年くらい新春特別公開が恒例になってしまっているが、できれば、もっとお客の少ない時期にそっと出してほしい。本館7室(屏風と襖絵)の池大雅筆『楼閣山水図屏風』(2016年1月2日~1月24日)は、金地に赤・青・緑などの色彩が華やかで、お正月らしくてよかった。岳陽楼と酔翁亭だというが、酔翁亭(安徽省)は行ったことないかなあ。本館10室(浮世絵)は、だいたい足早に通り過ぎるのだが、今回はオール葛飾北斎で足が止まった。『冨嶽三十六景・凱風快晴』などの有名作品だけでなく、版本『飛弾匠物語』や肉筆浮世絵『七面大明神応現図』など、めずらしいものが見られた。
■本館15室(歴史資料)『中国史跡写真』(2016年1月2日~2月28日)
建築史家・関野貞(せきのただし、1867-1935)の中国史跡・建造物調査の写真展。関野に随行し、調査記録の作成と写真撮影に当たった竹島卓一(たけしまたくいち、1901-1992)が持ち伝えた4000件以上の焼付写真が、平成25年(2013)に竹島の親族から東博に寄贈された。今回の展示は、その一部を公開するもの。南京の棲霞寺や大同の下華厳寺など、行ったことのある史跡もあって、懐かしく眺めた。説明によると、同館は東京大学東洋文化研究所と共同して、平成26年度にこれら写真の目録を公開したそうである。昔からこのひとに興味があった私としては、ちょっと嬉しい。(※参考:東大総合研究博物館のニューズレター「特別展 関野貞の仕事と人物/藤井恵介)
■東洋館8室(中国の書画) 特集陳列『藍瑛とその師友-家族と工房-』(2016年1月2日~2月14日)+『顔真卿と唐時代の書』(2015年12月1日~2016年1月31日)
絵画は藍瑛(らんえい、1585-1664、異説あり)の特集。解説によれば、浙派の雄大な構図法に当時の江南で流行していた清雅な文人画法を取り入れて新しい画風を確立し、江戸の文人画家たちに影響を与えたそうだ。知らない名前の画家だったが、作品は気に入った。ただ、展示品のほとんどが「個人蔵」で写真撮影できなかったのが残念。書は、日本人にもなじみの深い唐時代の書を特集。展示品は、当たり前だが全て拓本である。顔真卿の書は、それと分かりやすくて好き。