啓蟄 から7か月も山歩きを中止しており、10月に入り久し振りに山の空気を吸ってきました。
どの程度歩けるのか不安も有り、標高差の少ない麦草峠付近を6時間ほど歩いてみた。 標高 2127mの麦草峠駐車場に8時到着。
40台ほど停められそうな駐車場でほぼ満杯、でも運良く1台分の空きを見つけ停めることができたが、休日であると停められなかったと思う。 出発時の雲は、麦草峠に近づくに連れ消え去り、気持ちの良い天気になった。だが風は冷たい。
準備を整え8時半出発。 青空の下、ルンルン気分である。 駐車場から東に2~3分道路を戻ると、赤い屋根がシンボルの麦草ヒュッテの前に出る。
ヒュッテ前広場から、南側に見える熊笹の緩い斜面に取り付く、目指す丸山の斜面である。 登りだして間もなく白駒池への分岐を左に見て、直進しカラマツ林の中を登る。
丸山手前の平坦になった「丸山の森」を9時通過。
ここから、更に斜度を増す針葉樹林の中を登り、呼気は荒くなるが、木の間から射し込む陽光で浮き上がる苔の美しさに癒される。
生き生きとした原色の緑、それに付いた露がキラキラと光り、足を止め見入る。 これはと思いカメラに収めるが、中々自分の目で感じた美しさがカメラでは捉えられない。 こんな所で、改めて人間の目の素晴らしさを感じた。
頑張って足場の悪い登山道を更に登り詰め、9時40分 標高 2329mの展望のない丸山山頂に到着した。
丸山は端正な円錐形の火山で、その溶岩は西側の冷山(れいさん)標高 2193mの東腹まで、そして東側は高見石から白駒池まで伸びている。 丸山山頂は針葉樹が茂り、岩の露頭は少ないが、高見石では1~5mもの大岩塊が重なり合い、高さ60m程にも及ぶ岩峰を形作っている 。
丸山から主稜線を東方向に下ると白駒池、渋の湯、中山への分岐点となり、その分岐を僅かに下ると高見石小屋に出る。到着 9時50分。
小屋の右手の大岩を踏み外さぬように慎重に登り詰めると高見石の上に出る。
その岩塊の上から北東方向を俯瞰すると、大樹海の中ほどに八ヶ岳最大の白駒池が見える。
爽やかな風に当たりながら、360度の素晴らしい展望を楽しみ、10時20分出発点の麦草峠に向かった。高見石小屋から丸山までは登りで、丸山山頂を10時40分通過。 その後は丸山の森までの下りと次の麦草峠までの下りを、木の根や岩、浮石に十分注意しながら一気に下る。麦草峠着 11時20分。
そのまま国道299号線を横断し、茶水の池分岐を右折し雨池・ハ柱山方面に進路を取る。
北八ヶ岳のシンボルである、シラビソ林の中の木道を進み、林床の岩や倒木を綺麗な苔がびっしりと埋め尽くし、八ヶ岳に485種類の苔が確認されているそうですが、そのほとんどが北八ヶ岳にあるようです。
ただシラビソは常緑針葉樹で高さがある木なので、林床まで陽光が届かず、全体の苔をハッキリ見ることは出来ません。
部分的に陽が当たり綺麗に見える苔は有りました。 セイタカスギコケやホソバミズゴケ、チシマシッポゴケなどが多いようですが、調べても皆似ている様で、良く判りませんでした。
キョロキョロしながら歩いていると、周囲が開けた熊笹の草原になったり、再び森の中に入ったりしていると、急に明るい林道大石川線に出た。
林道を左方向に10分ほど登ると雨池は右への指導標が立ち、それに従い熊笹やダケカンバなどの木立が点在する中の木道を進むと雨池の南端に出た。 12時45分 到着。
以前来た時は、雪解け水や雨水を満々と貯えた雨池であったが、今年は降雪や雨が少なかったようで、北側に僅かな水を見ることができた。見る限り水深は浅い池である。
樹林帯の中の薄暗い木道を延々と歩き、急に青空が開け、雨池に出た時の解放感はたまらなくホッとした。
15分ほど休憩し、13時丁度に往路を戻り、14時05分に麦草峠駐車場に戻った。
山小屋は完全予約制となり、今迄の雑魚寝での宿泊は昔の思い出となっています。
そんな事で、これからは無理しないソロハイクをやって行こうと考え、久し振りに歩いて来ました。
今回で大分足も歩きのコツを思い出したので、歩けるうちは、どんどん知らない山、知らない町を歩いて行きたいと思って居ます。