付け焼き刃の覚え書き

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「ルナ・ゲートの彼方」 ロバート・A・ハインライン

2025-01-13 | 宇宙漂流・遭難
「おれは人生をまじめに考えてるよ。ただ人生のほうで、おれのことをまじめに考えてほしくないだけさ」
 あやうく命拾いしたジミー・スロクストンはそういった。

 地球が増えすぎた人間を恒星間ゲートを利用して宇宙に送り出すようになった時代。パトリック・ヘンリー・ハイスクールの生徒であるロデリック・L・ウォーカーは上級サバイバル・テストに挑むことになっていた。未知の惑星にゲートを通じて志願者を送りこみ、回収のときまで無事生きていられたら合格というものだ。
 だが、未開の惑星に10数名のクラスメイトとともに到達したものの、「48時間以上10日間以下」という予定期間を過ぎても迎えのゲートは出現しなかった……。

 未開の惑星に学生を送り込んでおいて、事故で回収できなくなりました……という酷い話で、ロッドやクラスメイト以外に他の学校の生徒も加わって生き残るためのコミュニティ造りに励むサバイバル小説。『2年間の休暇』以上『蝿の王』未満。この話でも、なんかいつの間にかマスコミがしゃしゃり出てきて、勝手にねつ造したセンセーショナリズムな記事をばらまいてます。つまり、この頃からマスコミなんてこんな連中なんだと評価されてたんですね。
 1950年代半ばに第三次大戦が始まったらしいという時間線が、書かれた時代を感じさせます。

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