付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「転生太閤記2」 津田彷徨

2017-08-17 | 戦国転生・歴史改変
「何れにせよ、賽は振らなきゃいけないですし、どうせ振るなら気持ち良く振りたいと思いませんか?」
 すべて予定通り、天の采配と言い切る天海秀一。

 永禄3年(1560年)。卜伝の剣術を学んだ天海秀一は兄弟子たちのもとで修行を積みながら、尾張の国に足を踏み入れた。寡兵で2万とも3万ともいわれる今川の軍勢に立ち向かわねばならなくなった織田信長と合流するためであった。
 歴史の知識を駆使し、桶狭間の地にて今川の首を狙う秀一。しかし、他ならぬ彼自身の行動によって日本の歴史が少しずつ変わり始めていた。
 天海には気をつけよ。それが松永弾正から今川義元への言づてであった。そして京では……。

 大樹の使者として織田から北条、武田、上杉と飛び回る天海秀一のお使いクエスト篇です。
 前田慶次のデザインが戦国リーゼントに。あいかわらずイラストが迫力満点です。

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「信長の弟 織田信行として生きて候(一)」 ツマビラカズジ

2017-07-29 | 戦国転生・歴史改変
 オフィスで空残業をしていたはずの32歳サラリーマンが、気がつくと何故か馬上に。付き従うのは如何にもな武士たち。どうやら自分は、あの有名な織田信長の弟、信行に憑依してしまったらしい。信行と言えば尾張の覇権を信長と争い、病床の信長に呼ばれて登城したところを騙し討ちにされて誅殺された人物。
 ところが、聞けば今はこれから清洲城へ信長の見舞いに行く途中だと言う。暗殺ルートまっしぐらである……。

 平凡なサラリーマンが、現代知識で戦国の世を無双する戦国転生系小説で、この回は兄弟の愛憎劇といったところか。
 初っぱなからの合戦また合戦の連続を、後世の後知恵でいかに乗り切るかという面もありますが、乗り切れば乗り切るほど知っている歴史と乖離していくのは必然で、その差異がどこまで大きくなるかがポイントです。それから本篇の幕間というか、ストーリーに直接描写されない部分で織田家の女性陣が暴走していくさまを、こっそり見守るのもまた楽しからずや。

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「信長の妹が俺の嫁(3)」 井の中の井守

2017-07-27 | 戦国転生・歴史改変
「この世にあって、若者の行いは常に正しく、そして常に間違っている。何故ならば、その評価を公的に下す者たちが、時代についてゆけぬ老害共だからだ……」
 そしてその若者もやがて老いて老害へと転じると朝倉義景。そのように世の中は動いてきたのだ。

 対浅井連合による侵略は、内通者の存在もあって浅井長政を窮地に追い込む。だが、突然の織田の軍勢の介入によって窮地を脱し、長政は逆に周辺国連合を打破することに成功した。
 その直後、市姫の懐妊が判明し、長政は懐妊報告のため信長のもとを訪れるのだが……。

 獣や野鳥の代わりに怪獣が跋扈し、妖怪と呼ばれる存在が被差別民として社会に生きている、パラレルワールドの戦国時代に転移しいしまった深井長政の冒険譚。
 今回で竹中半兵衛が陣営に加わり、領地開拓も妻の開発も順風満帆といったところでしょうか。あいかわらず作品紹介でも表紙や口絵イラストでも「歴史ファンタジー」の体裁を整えていますが、中身はR18なので注意。警戒すべきは「一富士二鷹三茄子」。ちゃんと、イラストで異形の化け物が迫力満点で描かれていて、ああ、ここはパラレルワールドなんだなあと改めて思い知らされました。良い仕事してます。

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「銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。 (4)」 Y.A

2017-07-24 | 戦国転生・歴史改変
「人が常に正しい選択肢を選ばねばいけない道理もないのです。人生で一度くらい、他人から見たら愚かしい理由で意地を通してもいいのではと思いました」
 大和信貴山城に籠もる松永久秀は、あくまで信長に下ろうとはしなかった。

 光輝たちがこの世界に漂着して早20年。織田信長の下、津田家は着実に勢力を伸ばしていくが、彼らをよく知る織田信長や上杉謙信は「決して敵対してはいけない存在」と位置づける。
 だが、そんな評価を知るよしもない上杉景虎や伊達輝宗、北条家の残党らは甘く見ては返り討ちに合い、その勢力は瞬く間に溶ける様に消えていくのであった……。

 本人たちはただ美味いもの食べたさに開発しているようなものだけれど、それによって確実に国力が上がり、生産力だけでなく軍事力も向上し、一世代も二世代も遅れた周辺の敵対勢力が呑み込まれていく開発無双譚。関東公方の暗躍よりも、青森にまだリンゴはなく、米沢牛も存在しないという方が大問題な話です。
 そして信長によって全国統一が成し遂げられ、さらにその先へと歴史が動いていくこととなります。

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「BLACK TO THE FUTURE」 左高例

2017-07-23 | 戦国転生・歴史改変
「法師と共にあらんことを……」
 坂上犬養はその死に際して、孫である田村麻呂に仏に感謝しなさいと言い残した。だが、その暗黒面には注意しろとも。

 犯罪者が跋扈するアメリカの大都市ゴッタマシティの黒人警官、マール・タムラはギャングに襲撃され死んだ。
 彼は無神論者ではあったけれど、祖母が仏教徒だったご縁でブッダくんのフレンドのゴッドさんが転生させてくれることとなった。
 太古の日本、奈良時代の日本で、武官である貴族の家に生まれ変わったマールは田村麻呂と名付けられたが、とにもかくにも彼はアメリカ人の警官に過ぎなかった。天平宝字ン年とか言われてもいつか分からない。地名も歴史も分からない。料理だってコーンフレークに牛乳をかけるくらいしかできなかった……。

 坂上田村麻呂=黒人説をベースに展開する古代日本転生譚。陽気な黒人警官のライフスタイルを変えないまま、貴族として生き、東北の蝦夷討伐に出征していく物語で全1巻。
 面白そうなタイトルに手は取ったけれど、他にも買う本がいっぱいあったので棚に戻そうとしたところで、大好きだった『異世界から帰ったら江戸なのである』の左高例の新作だと気がついて真っ先に購入。真面目と不真面目、シリアスとパロディのさじ加減が相変わらず絶妙に巧く、ツボにはまって大笑い。
 続編、読みたいなー。

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「戦国小町苦労譚5」 夾竹桃

2017-06-05 | 戦国転生・歴史改変
「私は後悔しない人間なのです。その場で私が最適だと思った道を、ただ実践しているだけなのです」
 その選択の結果、最悪の事態となっても後悔はしないと綾小路静子。

 浅井・朝倉の連合軍を相手に戦い続ける織田信長に、さらに一向一揆衆まで立ち向かってきた。苦戦する信長軍。
 その頃、静子は可児才蔵や前田慶次らとともに軍を率いて宇佐山へと入城していた。この城を落とされると、信長の退路が断たれてしまうのだ……。

 孔雀やらアンゴラ猫やらゾウガメやら、ほとんどワクワク動物ランドみたいな表紙ですが、中身は激戦に次ぐ激戦で、モラルも何もない遊撃戦やら拷問やらと条約があったら違反間違いなしのあれやこれや。ほのぼのとは縁遠い世界です。
 元JKの静子も前線に立ち、人を殺して回っていますが、周囲が心配するほどの躊躇も忌避感もなく、もともと自分たちの知る日本と静子の来た日本の歴史が違うようなことが暗示されていたこともあり、元の世界の日本ってどんな日本だったか気になります。
 そもそも、森長可のあれやこれやの暴虐ぶりを「第二次性徴期だから仕方がないね」で済ませてしまうあたり、元JKと言ってはいかんのではないかと思います。

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「転生太閤記」 津田彷徨

2017-04-27 | 戦国転生・歴史改変
「実際さ、作法というものは相手を不快にさせない技術でね、それは時と場所、そして場面に応じて必要とされるものさ」
 細川藤孝の言葉。

 お人好しの父親の借金から始まるいざこざで自宅は燃え、高校生・天海秀一も死んだ。
 戦国の世で農民の息子として転生した秀一の隣に立つのは小寺萬吉、後の黒田官兵衛である。彼らは共に天下取りのための第一歩を踏み出した。
「勝負だ、秀一。天の頂きにある、ただ一つの椅子を懸けて」
 二人の少年が約束を交わし、それぞれの道を歩み始める……。

 太閤記ものは普通に正史がいちばん面白いんじゃないかと思っていて、あまり架空戦記系には手を出していなかったのだけれど、これはイラストに惹かれて購入。なまじチートを前面に出していない分、先読みが難しく、播州編から堺編、山城編と歴史との交錯点がどこに来るのか、わくわくしながら読み進めました。
 そして巧いイラストはやはり相乗効果で本文そのものを面白くするなあと痛感。

【転生太閤記】【現代知識で戦国の世を無双する】【津田彷徨】【獅子猿】【カドカワBOOKS】【1546年】【硝石】【塚原卜伝】【剣豪将軍】
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「信長の妹が俺の嫁(2)」 井の中の井守 

2017-02-24 | 戦国転生・歴史改変
 戦国時代に転移して、戦国大名“浅井長政”となってしまった男子学生、深井長政だが、自分の知る戦国時代とは異なり魔物が跋扈する世界。自分の歴史知識はあてにならない。
 領地経営を進める傍ら、軍略家である竹中半兵衛を家臣団に加えようと説得に菩提山城に向かう。
 しかし、周囲の状況は急激に悪化。隠居していたはずの父・久政は朝倉勢を引き込んで謀反を起こし、さらには国境には西藤の軍勢が押し寄せていた……。

 帯では「パラレルな戦国時代の歴史ファンタジー」を謳い、表紙イラストも本文カラーイラストも白黒イラストも大半が普通に歴史ファンタジーのイラストですが、本文の1/3くらいが濡れ場なのは今回も同じ。最初にぱらぱらとイラストを確認したときに、あまりの肌色の少なさにその手のシーンが全部カットされて別物になったかと思いました。

【信長の妹が俺の嫁(2)】【戦国時代に架ける心と明日】【井の中の井守】【山田の性活が第一】【ノクスノベルズ】【歴史ファンタジー】【第六天魔王】
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「銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。 (3)」 Y.A

2017-02-11 | 戦国転生・歴史改変
「お父様、大きなイチゴが採れました」
「この『めろん』という果物は美味しいな」
「殿が大切にしていた最高級清酒がありません!」
「信濃の蕎麦は美味しいですな」
「江戸前は海産物の宝庫だからね」


 天下統一を進める織田家の前に、『風林火山』の旗の下、軍勢を発した武田信玄が立ちふさがり、織田・徳川連合軍を粉砕。徳川家当主家康の討ち死にという大惨事に。
 崩壊しかける戦線を支えるために投入された光輝は、弾薬が尽きる事がないかのごとくの火力投入で武田軍を破り、そのまま駿河へと進出するのだが……。

 豊富な軍資金と未来技術によるチートが繰り広げられる架空戦国絵巻の3巻。安土城落成から浜松城、小田原城の攻防を経て缶詰の実用化まで。
 普通の架空戦記では許されないような展開も、タイトルからして「インチキ(銭)の力で」と言い切ってますので無問題。そういう意味でのリアリティは求められていないのです。実質的には武田・上杉・北条・公方らとの覇権争いより、むしろ織田家中での勢力関係図の方が重要なのですが、これもよく考えてみればインチキ(技術と金)で新地家が天下を取ろうと思ったら、そこで即終了な話。面倒くさいから基本的にはのんびり暮らせて美味いものを食べていられれば満足な新地光輝と、その新地の凄さと扱い方を熟知している織田信長の関係があって成立している物語なのです。
 ただ、それだけだと嘘っぽい話になるのですが、「食い意地の張った信長のワガママ」というワンクッションを挟む事で、これは真面目な仮想戦国シミュレーション小説ではなく、基本的にはバカ話なんだよとエクスキューズがくっついちゃうわけです。
 今回の表紙の真ん中は清輝と孝子ですが、アンダーグラウンド活動に専念していて、本編にほとんど出番がないですね-。

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「戦国小町苦労譚4」 夾竹桃

2017-02-06 | 戦国転生・歴史改変
 戦国時代にトリップして早5年。織田家中での足場も固まり、銃器にライフリングしたり火薬を増産したりの兵器開発の傍ら、グルメ三昧の信長・濃姫に振り回され、その一方で南蛮交易のついでに運び込まれてくるオウギワシやらターキッシュアンゴラやらで静子の館は動物園状態……それはともかく、この時代に来て5年なので、さすがに帯の「タイムスリップJK静子」は看板に偽りありだと思います。3巻の時も指摘したけど、いつまで続けるの?

 永禄12年(1569)、信長の伊勢平定は目前となっていたが、足利将軍の暗躍で織田包囲網は着実に広がっていた。
 それを打開すべく、静子に与えられたテーマは「物資の生産基盤を整えること」「火器の研究開発」だった。質より量の大量生産で軍事物資の備蓄を進めていくが、その間にも足満は静子の考えが及ばない汚い策を練り続けている。
 そんな仕事の合間にも、ざる蕎麦、コーヒー、プリンにアイスクリーム、バウムクーヘンなど現代の食の再現が続けられるが、それを見逃す信長や濃姫ではなかった……。

「頭巾宰相から贈られたコタツという道具、これは悪魔の発明品だ。人を堕落させる恐ろしい魔力を持つ。更にどてらと呼ばれる衣装を着れば、もはや抗う事は不可能になる」
 ルイス・フロイスの報告書より。

 モーニングスターを振り回す、ウォーモンガー化した森長可の初陣の回。
 そして、さらりと語られる静子たちの生きていた“現代日本”は我々のそれと少し歴史が違っていて、ウェブ連載の時は「その設定、要るの?」と思いましたが、書籍版でも残すんですね。そりゃあ、静子姉の怖さも納得ですけれど。

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「三田一族の意地を見よ(4)」 三田弾正

2017-01-18 | 戦国転生・歴史改変
 朝廷や公家への政治工作を成功させ、鎌倉に征東大将軍府を設立させた三田康秀らは、家族の待つ小田原への帰途につくが、関東への道中に於いても伊賀や甲賀の忍者や九鬼水軍などとも接触していく。1人でも多くの有望な人材の確保を試みたり、関係を強化するのが目的だが、織田や武田らにとっては油断ならぬ行動であった……。

 三田一族というより、もはや北条戦国無双日記。
 2巻までに内政チートはほぼ完了し、家内での地位も安定し、豊富な財源を背景に外交でも人材確保でも新技術導入でもやりたい放題。もちろん全部が全部成功するわけではないけれど、金持ち喧嘩せずで1つや2つの取りこぼしは気にしません。
 むしろ課題は、妻子や側室のご機嫌取りかも。

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「アーサー王宮廷のヤンキー」 マーク・トゥウェイン

2016-12-16 | 戦国転生・歴史改変
 ウォーリック城を見学し、円卓騎士の時代の甲冑などを眺めていたマーク・トゥウェインは、1人のアメリカ人と知り合った。
 コネティカット生まれのヤンキーで元技師だと名乗るその男は、自分はアーサー王の宮廷にいたことがあると語り始めた。
 工場の部下にぶん殴られ、気がついたときにはキャメロット近くの樫の木の下に転がっていて、通りすがりの騎士に捕まったというのだ……。

 異世界転生のひな形というか、過去の世界に転移して現代知識でチートぶりを発揮する冒険譚の原型。

「ああした奇々怪々な古い伝説を読んでいると、つい胸の中で、当時のような時代と現代とを比較せずにはおれなかった。そして19世紀をいきなり6世紀へおとしこんで、その成り行きをみることができたら、とんだおもしろいことになるかもしれないという妙な想像をした」
 「王子と乞食」で立場の入れ替えによる視点の転置を描いたマーク・トウェインは、そんな発想から今度は現代アメリカの技術や思想を貴族や僧侶が我が物顔に振る舞う中世社会に放り込みました。そして典型的なヤンキーを「ボス卿」として宮廷で思う存分暴れ回らせたのでした。
 現代日本の女子高生が織田信長のもとで産業チートぶりを発揮したように、アーサー王のもとでヤンキー技師が産業チートぶりを発揮するわけですが、ただ、昨今の異世界転生ものと違うのは、中世に現代知識を導入する過程をほとんど描いていないという点。アーサー王の庇護と現代知識があれば、火薬だろうと発電設備だろうと簡単にできるぜ!という展開が、まだ許された時代なのでした。
 あと、サンディとボス卿の関係は、もちっとしっかり描いても良かったと思うのね。最後の最後でそんなに思ってたのかよと。

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「戦国小町苦労譚3」 夾竹桃

2016-10-22 | 戦国転生・歴史改変
「正しさとは人の数だけ存在し、絶対的な正義など存在せぬ。己が何を為そうとしているのかを自覚し、それを実現するために行動することは正しい。だがそれが他者の正義とぶつかる事もまた必然」
 織田信長はルイス・フロイスにそう言い放った。

 本帯に「タイムスリップJK、ついに戦場デビュー! ?」とあるけれど、戦国にタイムスリップして4年、もう20歳目前ということで、もうJKじゃないよね。

 戦国の乱世で生き残るため、がむしゃらに農業改革に邁進して信長に存在価値を示し続けた静子だったが、いつの間にか信長から要職まで任されるようになっていた。農業振興にとどまらず、兵法から内政まで広く知識を持つ静子を取り込もうという信長の配慮である。
 「女が軍勢にいると宣しくないという験担ぎなどぶち壊す」と戦場デビューを果たして上洛、京の治安維持の仕組みを作り上げ、ルイス・フロイスと対面と忙しい日々が続く。
 そんな中、濃姫が新しい料理人を雇ったと自慢げに静子に披露するのだが、紹介された3人のうち2人は現代人で、しかも1人は静子もよく知った人物だった……。

 君主論を愛読する濃姫って怖い。
 いろいろ波瀾万丈の3巻。ウェブ連載時では軽く流されていた上洛時の市中警備云々のエピソードがしっかり書き足されているせいか、やや厚め。イラストもライトノベル系の絵と時代小説系の挿絵のちょうど中間あたりで良い雰囲気です。
 巻末にまとめて掲載した掌編だけれど、(うなぎみたいに)そのネタが本編に反映されているものもあるので、時系列順に本編に挿入した方が良かったと思いました。なんか詰め込んだ感があります。

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「銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。 (2)」 Y.A

2016-10-05 | 戦国転生・歴史改変
「やはり金の力は偉大なのだ」
 清輝の嫁探しを任された本多正信は本能レベルで理解した。

 伊勢志摩の切り取りに成功した光輝は、実質織田家のナンバー2に成り上がっていた。
 そんな彼を嫌う者はいるが、そこは気にせず、ビールの醸造と、それに合うツマミを求め、新地一族は伊勢志摩の開発を脅威の速度で進めていく……。

 戦国タイムスリップ・コメディの2巻。
 この作品は、第一印象ですべてが決まる感があります。最初にイヤなやつ!と思ったら最後まで敵。少しは敵か味方かとか、強敵と書いて“とも”と読むとか、そういう関係が見たかった気もしますが、ここはスパーンと敵と味方に線を引いて、ひたすら銭の力で無双するのを愉しむ話なのです。

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「信長の妹が俺の嫁(1)」 井の中の井守 

2016-08-24 | 戦国転生・歴史改変
 福祉施設から高校に通う深井長政は試験勉強をしていたはずなのに、気がつけば見知らぬ戦国武将らに囲まれていた。いつの間にか戦国武将の浅井長政に転生しており、あるいは意識が1つになってしまっていて、織田信長の妹である市姫が婚礼のために、今日ここ小谷城へやってくるというのだ。
 日本史の知識はたっぷりあるけれどこの時代の一般常識が欠け、実際の部下の顔と名前すら結びつかないまま、生きるために足掻き始めた長政は、領地と妻を開発していくことを誓う……。

 自分がウェブで歴史転生物がけっこう読んでいることを知っている妻が「信長の妹が俺の嫁とかなんとかいうのは読んでる?」と聞いてきました。曰く評判良いらしいよ、本になるらしいよ、歴史小説評論家の人が帯の推薦文を書いたってと。
 いや、聞いたことないなあ。そんなにすごいの? なら読んでみようか……あれ、なろうで検索に引っかからないな…………あ、18禁、ノクターンの方かよ! ウェブ版の副題は「戦国時代で楽しく領地と妻を開発する方法」……並行して両方とも開発かい!……うん、面白いけど、話はなかなか進まないよね。戦が始まると領地開発はできなくなるけど、嫁さんの方は休まないから……。
 ただ、単なる戦国内政チート話にならないのは、この世界がどうやら元の世界の戦国時代と違っているらしいということが少しずつ明らかになってくることから明らか。そもそも「馬」は「馬」と呼ばれて騎乗に使われていても、実際は一角獣で通常の鉛玉や剣では殺されない魔物で、そのうち出てくる鷹とか鼠とか猫とかフキノトウとか名前は同じでも実際は別物というあたり、異世界ファンタジーの王道方面にも進みそうです。
 信長の顔がちょっとオヤジっぽすぎるのが難点。市姫が可愛ければその兄の顔なんてどうでもいいわけですが、まがりなりにも若い頃は美少年だったらしいので、もう少し格好良くても許された気がします。

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