付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。 (7)」 Y.A

2018-12-23 | 戦国転生・歴史改変
「国をつくるのに、女性と子供を大切にしないでどうするのだ?」
 津田光輝は正論を雑賀孫一に突きつける。

 遂に、織田幕府軍と津田軍による関ヶ原の戦いが始まった。
 津田軍がいかに火器で勝ろうと数で劣るからには、弾薬が消耗してしまえば一気に押しつぶせると細川幽斎は攻勢を強めるが、膨大な物資と補給網を持つ津田軍は補給切れを起こすことなく、幕府軍の死者の山を積み上げていく……。

 波瀾万丈の戦国絵巻もちゃきちゃき話が進んで、7巻完結! みんな大人で分別があるので、建前を大事にして、誰も本当のことを言わない伊達政宗の一党がステキですね。
 そして、「不死身の慶次」の突貫シーンと、クライマックスの宇宙へ還るシーンがちゃんとイラストになっていて感無量。これがイラストの力だよ。

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「戦国小町苦労譚9」 夾竹桃

2018-10-12 | 戦国転生・歴史改変
「友とは良いものだ。心気兼ねなく言葉を交わし、困難な道を歩もうとすれば、何も聞かず傍らにいてくれる」
 上杉謙信の無い物ねだり。
 
 武田信玄を討ち取り、織田信長の覇権はいよいよ強大となり、その勢いで室町幕府の歴史に幕を引こうとしていた。
 その頃、ついに完成した静子の居所では記念の宴が準備されていたが、主の知らないところで来賓が増え続けていた。
「どうしてうちの新築祝いが、いつの間にか上杉家を歓迎する酒宴に変わったのかな?」
 上杉謙信もまた、時流を見極め、織田の軍門に降ることを決意していたのだ。かくして、壮絶なる酒宴が始まった……。

 静子もそろそろ20歳で、キャッチコピーから「女子高生」の文字が消えました。そりゃあね。

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「銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。 (6)」 Y.A

2018-09-02 | 戦国転生・歴史改変
「こちらが裏切らねば、ミツは裏切らぬ。だからミツを敵に回すな」
 我が儘で無茶ぶりばかりしているようでも織田信長は、ちゃんと新地光輝たち津田の本質を理解していた。

 信長の天下は織田信忠が継いだ。叔父だからと遠慮がちだった信忠に、光輝は天下人らしく自分を使えと言う。「上様、ただお命じになればいいのですよ」と。
 しかし、光輝と馬が合わない細川幽斎は彼を敵視することをやめず、信忠亡き後の専横政治で叩きつぶそうと動き出した。相手がその気なら受けて立つのが津田のスタイル。信長の願い虚しく、天下統一がなった日本が再び二つに割れての大乱が始まってしまった……。

 関ヶ原の戦い直前まで。信長がいるかいないかで空気がガラッと変わります。

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「淡海乃海 水面が揺れる時 参」 イスラーフィール

2018-08-22 | 戦国転生・歴史改変
「悪い報せは良い報せだ。事が起きてから驚くよりも事が起きる前に知っておいた方が良い」
 朽木基綱は朽木包囲網ができあがりつつある報告を受ける。

 大名とも呼べぬ田舎の小領主から始まった朽木基綱も、今では150万石を超え200万石も間近という大大名だが、戦は続くし、将軍位を狙う足利義秋はつまらぬ横やりを入れてくるわ、それで妻子ともろくに顔を合わせられない日が続くのだから、戦国大名なんて因果な商売なのだ……。

 織田や上杉と友好的な協力関係を築きつつ、包囲網を削り取っていく朽木基綱の風雲立志伝。
 鉄砲の数をそろえただけでは絶対的な優位にはならないけれど、そこをしっかり有効活用しつつ、調略で引き込めるものは引き込み、そうでないものは徹底的に叩きつぶしていくことで乗り切っていきます。
 南蛮船の図面のイラストは、もう2ページ後ろの方が良かったと思いました。あれが朽木基綱かと思ってしまいました。

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「信長の弟 織田信行として生きて候(三)」 ツマビラカズジ

2018-07-31 | 戦国転生・歴史改変
「また、丸投げですか」
 前世の記憶から、そういうものが作れると知っていても、具体的な作り方を信行は知らない。

 今川義元を討ち取って日本国内に戦国大名として織田の名を知らしめた織田信行は、本格的な天下治平に向けていくつかの布石を打ちながら動き出すが、史実以上に発展著しい織田領は当然のように周辺諸国に注目されることになる。
 織田家を巡る状況の悪化が予想される中、信行は先手を打って美濃国落としを断行する。その前に立ちふさがるのは、今孔明と呼ばれる軍師・竹中重治であった……。

 ウェブ連載分はクライマックスを迎え完結していますが、書籍についてはちょうど折り返し地点の稲葉山攻防までで完結。織田信行の戦いはこれからだ!エンド。実にもったいない。これからが波瀾万丈で怒濤の展開なのに。

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「信長公弟記」 彩戸ゆめ

2018-07-03 | 戦国転生・歴史改変
「甘く見てたわ、戦国時代」

 太ったサラリーマンが寒い朝にトイレで胸をウッと押さえて成仏……することなく、気づいたら戦国時代に転生していた。どうやら、史実では乗馬中に弓で射られて死んでしまった織田家の八男、喜六郎として蘇ったらしい。
 ところが、彼は特に日本史に詳しいわけでも戦国のシミュレーションをやりこんだわけでもなく、前世チート知識らしい知識もない。せいぜいテレビでアイドルが農業とかを体験する「鉄板RUSH」とかをぼんやりみていた程度の知識しかなかった……。

 転生に大切なことは、すべて鉄腕DASHで学んだ……さすがに硝石までは作ってなかったけど……。
 作品の雰囲気とイラストがちゃんとマッチした1冊。これから親族兄弟で争い合う戦国の世の織田家中で、果たして百歳大往生はできるか!?

【信長公弟記~織田さんちの八男です】【彩戸ゆめ】【緋色雪】【宝島社】【ほのぼの戦国ストーリー】【硝石】【農機具】【百人一首】【ムクロジ】【枕】【布団】【千歯こき】
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「戦国小町苦労譚8」 夾竹桃

2018-05-22 | 戦国転生・歴史改変
「勝者にのみ正道があり、敗者には正道を口にする資格はない」
 この世には正道も邪道もないと足満。

 ついに戦国最強武田軍が総力をあげて動き出した。その兵力およそ3万。織田包囲網に決定的な一打を加えんとするこの動きに、最前線となる徳川軍の後詰めとして織田信長は総大将奇妙丸とした大軍団を派兵するが、その中核は静子率いる鉄砲隊だった。
 織田徳川連合軍が、ついに武田軍最強赤備えと激突する……。

 大きなターニングポイントとなる三方ヶ原の戦いです。
 今回は終始戦の連続で気を抜く暇もありませんが、そこは巻末の短編2本で帳尻を合わせた感じです。

【戦国小町苦労譚】【八、岐路、巨星墜つ】【夾竹桃】【平沢下戸】【アーススター】【戦国ファンタジー】【三方ヶ原】【麺戦争】【三大猫好き天皇】
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「淡海乃海 水面が揺れる時 弐」 イスラーフィール

2018-05-21 | 戦国転生・歴史改変
「喰わなければ喰われる。喰うことを躊躇ってはならん。喰う事で生き残れるのだからな。それが戦国の掟だ」
 それが六角であっても喰えるなら喰うと妻に説く朽木基綱。

 1561年。朽木基綱は、元服後まもなくにして、近江の四傑まで登り詰めた。しかし、小国・朽木をここまで大きくするだけで周囲に多くの敵を作ってしまった。それは仕方がないのだが、関係ないことまで朽木のせいにしないで欲しいと基綱はため息をつくしかない。
 どうやら川中島の戦いで武田が上杉に大敗してしまったことまで、朽木のせいにされてしまっていたらしい。武田信玄よ、なぜ、その場に居もしなかった俺を呪うのだと……。

 近江周辺というか、都を中心地としたエリアは、微妙な政治バランスの上で均衡を保っていて、当面の敵である浅井・朝倉連合だけではなく、六角や一向一揆の動きも無視できず、覇者というべき三好の家中の動向すら影響してくるというのに、そこを引っかき回して権威を保とうとする足利将軍家という状況下での舵取りが面白い2巻。

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「淡海乃海 水面が揺れる時」 イスラーフィール

2018-04-29 | 戦国転生・歴史改変
 近江にある朽木の地は、小領地ながら日本史の転換期に幾度も名前が登場する。追放された室町幕府の将軍が逃げ込み、捲土重来を図る足場となる土地柄なのだ。
 1550年、わずか2歳にして当主へ就任した少年がいた。その名は朽木基綱。正史に於いては信長、秀吉、家康の三英傑を救った唯一人の戦国武将でありながら、その彼らことごとくに嫌われたことで知られているが、この朽木基綱は、歴史好きな現代日本人の生まれ変わりであった……。

 史実に埋もれた軍略家の生涯を描く、仮想歴史大河ドラマ。
 日本酒作り、椎茸栽培、鉄砲の導入と、内政強化については歴史IFものの定番ながら、こちらについては軽く触れるだけで、本題はこうした史実以上の財貨を手にしたときに、一地方国主にどのようなフリーハンドが与えられるかというドラマです。合戦の勝敗もチートな内政の成果もあくまで外交のための手段の1つにすぎないといった位置づけで、主題は武家や公家を巻き込んだ外交戦にあるようです。
 語り口としては正統派なので、歴史チートとか関係なく、普通に面白い歴史小説として読めるということで、2016年から17年にかけては『陶都物語』と双璧をなすお気に入り作品でした。
 連載はそろそろ晩年で、どう幕が引かれるか楽しみに追いかけています。

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「戦国小町苦労譚7」 夾竹桃

2018-01-18 | 戦国転生・歴史改変
「己の失態を隠し、あまつさえ他人に押し付けるような輩は、一生かかっても成長せん。そんな奴は早々に斬り捨てる方が良い」
 間違いは誰にでもあると織田信長。
 ただ、彼にこういわれると「斬り捨てる」は文字通りの意味に聞こえますね。

 元亀3年。奇妙丸の初陣が決まるが、ついに武田軍が動き出す。
 織田と徳川の連合軍は、戦国最強と謳われた武田軍と立ち向かうために動き出すが、その陰で静子は何やら画策をしていた。
 足満曰く「勝ったのは我らだ」と……。

 細工は流々仕上げを御覧じろ……という信長の野望にして静子の策謀。話の大半は内政チートなんですけどね。
 この、何をどれだけ準備したらこれだけのことができるんだ?と点で納得できるかどうかが、この話が好きか認められないかのボーダーラインかと思うのですが、今回最大の論点は「伊達メガネっ娘」を許せるかどうかじゃないでしょうか?

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「織田家の長男に生まれました」 大沼田伊勢彦

2018-01-15 | 戦国転生・歴史改変
「小僧共、大志を抱け! 野望は大きい程良い!」
 ノリで名言をパクってしまったけれど、英語と日本語ではニュアンスが違うので気にしないでくださいと織田信広。

 少年は前世の記憶を取り戻し、自分の今の状況を把握した。
 今は戦国時代。自分は尾張の織田家の長男、しかし家督権のない庶子、信長に何度も謀反を起こした織田信広じゃないか!
 信長に謀反を起こすなんてとんでもない。織田家の総領なんて面倒くさいことはやりたかない。戦で負けて死ぬのもイヤだ。ならば、家族を守るため、そして自分も生き残るため、記憶にある歴史知識を用いてなんとかするしかない。
 それにいざ会ってみたら、吉法師なんかけっこう可愛い弟なのだ。兄ちゃんは弟や妹を守るために頑張るぞ……。

 お父さんお小遣いください、とりあえず四千貫ほど。
 表紙イラストには主人公とヒロイン2人……2人? 1人は於大として、もう1人は誰よ?…………って、吉法師かよ!? 文章では「適当に結った茶筅髷」と書いてある髪型が、完全に「リボンでポニーテイル」だぞ。そりや、可愛い弟という気にもなろうさ。

 戦国小説ではいろいろな武将が主人公になっていますが、こと「なろう」系の架空戦記では織田家が一番人気。信長本人はもちろん、兄がいて、弟がいて、庶子がいて……。
 その中でも読みやすく面白い1冊。そのへんにポンッと置いておいたら、いつのまにか妻が読み終わってました。唯一の不満は「登場人物に『信』ナントカが多く分かりづらい」とのこと。それは歴史通りだから仕方ないよ? それに巻頭に登場人物一覧や家系図が載ってるから。

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「銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。 (5)」 Y.A

2018-01-07 | 戦国転生・歴史改変
「お前たちは何者なのだ?」
 織田信長が津田光輝に問いかける。

 天下統一を成し遂げた信長。しかし、その偉業は朝鮮出兵で躓くことになる。
 それをある程度、予期していた光輝は、あえて受け入れられぬであろう諌言はしなかった。織田家の功臣が老い、隠居し、鬼籍に入っていく中、既に強大すぎるナンバー2である光輝が信長の決定に異議を唱えれば、それは織田家内紛のきっかけになりかねないからだ……。

 この世界に光輝たちが転落してきて30年。信長のわがままに振り回されながらも愉しくつきあってきたけれど、誰にも老いが忍び寄り、織田家凋落の兆しが見え始めます。表紙絵は地味なオヤジが酒を酌み交わす図だけれど、このシーンこそ、この作品のクライマックスのような気がします。

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「信長の弟 織田信行として生きて候(二)」 ツマビラカズジ

2017-11-30 | 戦国転生・歴史改変
「ハーレム万歳とか言ってた自分が馬鹿でした。無知でした。正直、二人で体力の限界でした」
 帰蝶1人で良くなって、ようやく一息つけたと反省する織田信行。

 信行は信長亡き後の織田家の家督を継いだものの、今川義元の存在に頭を悩ませていた。大軍勢で攻め寄せる今川軍に対しては、やはり桶狭間で迎え撃つしかないのか。
 しかし、尾張の国で異彩を放ち続ける若き武将は既に周辺から注目されており、今川義元もその存在を強く意識していた……。

 桶狭間の戦いから今川包囲網を巡る北条との駆け引き、さらに美濃斉藤への牽制と竹中重治を引っかき回すあたりまで。その合間に、市姫らの男装嫁入りが入ります。出番は多くないけれど、織田家の姫君たちの怖さが伝わるエピソードです。
 今回は世紀末覇者にでもなりそうな、今川義元の「海道一の弓取り」ぶりが印象的な回。昔の物語では、今川義元は大勢力のトップだけれど本人はそんなに凄くはないという、典型的な当て馬に描かれることが多かったけれど、最近は「こんな奴によくぞ勝てた」的な強敵に描かれることが多くなりましたね。今川義元は公家装束で神輿に担がれているだけのものとばかり……。

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「戦国小町苦労譚6」 夾竹桃

2017-11-02 | 戦国転生・歴史改変
「やらないで後悔するより、やれるだけやって後悔する方がマシです」
 撤退の訓練でもなんでもやった方が良いと静子。

 延暦寺が仕掛けた信長包囲網は激化している。
 しかし、静子と信長にはそれも計算のうち。頃合いとばかり、静子はついに本気モードへと突入した。その策謀は、秀吉や半兵衛が聞いてもドン引きするようなものだった……。

 産業振興に現代技術を投入し、今利用可能な技術を用いて順番に再現していく傍ら、織田家全軍の兵站を維持し、戦場にあっては後方支援からの激戦をいくつも乗り越えていく元女子高生ヒロインの戦国絵巻も6巻め。
 元女子高生なのに、元の日本がどの日本か分からない面もあり、やることはかなりえげつなく、戦国時代の戦場にすっと馴染んで技官的な立場でありながら血まみれの戦場の真ん中に立って一歩も引きません。
 怖い元・女子高生だなー。

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「三田一族の意地を見よ(5)」 三田弾正

2017-09-10 | 戦国転生・歴史改変
 京都での政治工作を終えて小田原へと帰還した三田康秀だが、家族とのんびりする間もない。
 そんな中、勢力を増していく北條家に対し、常陸の佐竹家との盟約の案が浮上するのだが、向かった先で岩城が仕掛けた毒殺騒動に巻き込まれてしまう……。

 側室が着実に増えて、やることやってる、内政チート系ハーレム主人公による戦国異譚。
 この戦国時代の戦や外交と内政のどちらに軸足を置くかというのがそれぞれの作品の特性になりますが、1巻の頃と比べるとかなり前者寄りになりました。今でも開発や開墾はしてますが、そちらはもう人任せにできる部分が大半。設計や指導で時間と手間は取られていますが、それよりは家族や一族の問題とか、戦場の駆け引きが中心となりました。
 今回のメインは佐竹vs岩城&伊達連合軍との合戦。いつものつもりで策略仕掛けつつ臨んだ南陸奥の諸将を待ち構えているのは、よもやオマハビーチ……?

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