医者からもらったタミフルも呑み終わり、そろそろ座敷牢からの解放間近です。「８人を１つに集めてくださいませ、８人の子供たち、八犬士……」
伏姫ゆかりの八犬士は、互いが兄弟であることも知らない。ただ、その身体のどこかにある痣と仁義礼智忠信孝悌いずれかの文字が浮き出る珠を持つことのみ。
長禄元年、隣領の安西景連によって城を包囲され、落城目前となった安房の里見城主、里見義実は苦し紛れに飼犬の八房に「敵将の首を取ってきたら娘を与える」と戯れを言うのだが、八房はまさに景連を討ち取ってしまう。犬畜生相手の戯れ言と義実は約束を反故にしようとするが、君主が約束を破るべきではないと伏姫は八房と共に富山（とみさん）に入った。
犬を撃ち殺して伏姫を取り戻そうとする忠臣の金碗大輔だったが、その弾丸は伏姫の胸を撃ち抜いた。
すべては里見家を呪う玉梓の怨霊の仕業であった……。
70年代は、平日の夜６時台といえばＮＨＫの人形劇の時間。曲亭馬琴の原作をベースに人形浄瑠璃の技法やら歌舞伎や錦絵を現代的にアレンジした映像に、犬の惑星だのＵＦＯだの枝道にそれたり、コロンブスは望遠鏡を使ってない（1903年に発行された１シリング切手に望遠鏡を手にしたコロンブスが描かれているけど、望遠鏡の発明は100年後）とか古今東西の雑学ネタをちりばめた「新八犬伝」が放映されておりました。1973から75年の全464話とかなり長期間ですが、１話は15分とかなり短い。
でも、今現存している３本を見ても、面白いんですよね。坂本九の軽快な口調での語り言葉はかなり「山のあなた」とか「魑魅魍魎」とか難しいんですけど、不思議にするりと耳に入ってくるんですよね。
奇想天外、荒唐無稽の伝奇冒険活劇で、これがかなり人格形成というか趣味嗜好に影響した気がします。
でも、あの最終回だと４人の娘は置いてきぼりなんだよなー。きっと帰ってくるよ。待つ女たち。
ＤＶＤは「新八犬伝」の３話分、１回、20回、464回にジュサブローや坂本九のインタビューを加えたものに、次回作「真田十勇士」からやはりフィルムが残っていた１回と443回を収録。
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