「なぜってそれはもちろん、女性が助けを求めれば、世界がたちどころに救いの手を差し伸べるのが『普通』のことだからです」エルマが助けを求めれば、大地が鳴動し、山が火を噴くのだ。それは奇跡でも聖なる力でもなんでもないと彼女は力説する。
30年に１度の神聖な武闘大会、聖鼎杯に出場することになったエルマだが、王が命じるままに彼女が優勝してしまったら、聖女も聖剣士も聖術師もトリニテートの称号すべてを独占することになってしまう。
王の命令ながら、その腹黒い思惑に気づいたルーカスは侍女のイレーネとともに阻止しようとするのだが、その手段はさほど難しくない。だって、英雄的活躍なんて「普通」じゃないんだから……！
「普通」って難しいよね。
なにが「普通」なのか考えてみれば「××だと普通じゃない」の積み上げでしか定義できない気がします。そういうあたりまえと思い込んでいる物事について改めて考えさせられるパワープレイな万能メイドさんの物語です。
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