久住昌之 2012年1月 日本文芸社
「飲み飯」に関するエッセイ集。
飲み飯ってのは、私は聞き慣れない言葉だと思ったんだけど、酒を飲むんだが、ちゃんと飯を食うっていうか、飯を食いながら酒を飲むっていうか、まあ、そういうことだ。
言葉の定義するより、読んだが早い。
第一章は、のっけから「チャーハン de 焼酎ロック」ときたもんだ。
チャーハンを食べながらだと、焼酎飲むペースも落ち着くし、酔うカーブもなだらかになるし、それでいてチャーハンの軽い油分・卵・ネギが冷たくて味の引き締まった焼酎に合う、とか、とにかくそういう話だ。
チャーハンといっしょにしたとき、日本酒だと油で酒を汚してる感じだし、ウイスキーにはチャーハンの味が弱くて物足りないし、ワインにチャーハンはトレンチコートにビーチサンダルってセンスみたいだし、って、とにかくそういう話だ。
んで、自分で、ひとりだけで、家でチャーハンつくって、焼酎ロックを飲むときの幸せーな感じを、思い入れたっぷりに書いてたりする。
そこに、中華のレンゲってチャーハンを食べにくいのが多いから、チャーハン食うのはカレースプーンでいい、とか小技を効かした文が入ってたりするのが、また、いい。
なんせ、著者は、『孤独のグルメ』の原作者であり、『ダンドリくん』とかの作者でもあるから、私の好きな、そういう細かいとこへのコダワリが、ビシビシ決まってる。
はっきり言って、めちゃめちゃ面白い。
腹減ってるときに読むのは、危険。マネして、飯と酒やりたくなる。
とんかつ定食を、前菜(お新香)・サラダ(キャベツ)・スープ(みそ汁)・野菜料理(ごはん)もついてるフランス料理のフルコースと見立てようとかって言い様もいいし、そのとんかつのひと切れを「ジャクリグニジュワッと食べる」なんて、マンガっぽい表現も、とてもいい。
家でつくるメシもいいけど、外での例にしても、「一度蒸してからタレをつけて焼いてある。これは冷めてもおいしいための工夫」の両国国技館の「大相撲焼き鳥」とか、かなりマニアックなものがとりあげられてる。それ、食ってみてー。
また、文体がいいの。
ほんと酔ってんぢゃねーの?って感じの語り口が、なんとも気持ちいい。
コンテンツは以下のとおり。
第一部 孤独の飲み飯
其の一「チャーハン de 焼酎ロック」
其の二「カツオ de 日本酒」
其の三「とんかつ de ビール」
其の四「大相撲 de 焼き鳥ビール」
其の五「おでん de カップ酒」
其の六「湯どうふ de 純米酒」
其の七「常夜鍋 de ワイン」
其の八「焼きそば de ホッピー」
其の九「キャベツ炒め&メンチパン de チューダー」
其の十「シウマイ弁当 de 缶ビール」
其の十一「焼きおにぎり de 日本茶割り」
其の十二「床 de ワイン」
其の十三「冷やし中華 de 発泡酒」
其の十四「ゴーチャン de ハイボール」
其の十五「即席焼きビーフン de 紹興酒」
其の十六「松茸土瓶蒸し de 冷や酒」
其の十七「宅配ピザ de コークハイ」
其の十八「うどん鍋 de どぶろく」
其の十九「もつ焼き de ウーロン酎」
其の二十「ツナトーストサンド de 水割り」
其の二十一「寿司パック de 緑茶割り」
【特別付録 Q.B.B.の幼稚な大人漫画】
幼稚なダンディー
幼稚なOTONA
第二部 今夜もひとり居酒屋で
其の一「野球オヤジ」
其の二「寝る間を惜しんで飲む人々」
其の三「ワインバーの淑女たち」
其の四「食い過ぎる客」
其の五「キャバ嬢たちの会話」
其の六「通い呑み」
「飲み飯」に関するエッセイ集。
飲み飯ってのは、私は聞き慣れない言葉だと思ったんだけど、酒を飲むんだが、ちゃんと飯を食うっていうか、飯を食いながら酒を飲むっていうか、まあ、そういうことだ。
言葉の定義するより、読んだが早い。
第一章は、のっけから「チャーハン de 焼酎ロック」ときたもんだ。
チャーハンを食べながらだと、焼酎飲むペースも落ち着くし、酔うカーブもなだらかになるし、それでいてチャーハンの軽い油分・卵・ネギが冷たくて味の引き締まった焼酎に合う、とか、とにかくそういう話だ。
チャーハンといっしょにしたとき、日本酒だと油で酒を汚してる感じだし、ウイスキーにはチャーハンの味が弱くて物足りないし、ワインにチャーハンはトレンチコートにビーチサンダルってセンスみたいだし、って、とにかくそういう話だ。
んで、自分で、ひとりだけで、家でチャーハンつくって、焼酎ロックを飲むときの幸せーな感じを、思い入れたっぷりに書いてたりする。
そこに、中華のレンゲってチャーハンを食べにくいのが多いから、チャーハン食うのはカレースプーンでいい、とか小技を効かした文が入ってたりするのが、また、いい。
なんせ、著者は、『孤独のグルメ』の原作者であり、『ダンドリくん』とかの作者でもあるから、私の好きな、そういう細かいとこへのコダワリが、ビシビシ決まってる。
はっきり言って、めちゃめちゃ面白い。
腹減ってるときに読むのは、危険。マネして、飯と酒やりたくなる。
とんかつ定食を、前菜(お新香)・サラダ(キャベツ)・スープ(みそ汁)・野菜料理(ごはん)もついてるフランス料理のフルコースと見立てようとかって言い様もいいし、そのとんかつのひと切れを「ジャクリグニジュワッと食べる」なんて、マンガっぽい表現も、とてもいい。
家でつくるメシもいいけど、外での例にしても、「一度蒸してからタレをつけて焼いてある。これは冷めてもおいしいための工夫」の両国国技館の「大相撲焼き鳥」とか、かなりマニアックなものがとりあげられてる。それ、食ってみてー。
また、文体がいいの。
ほんと酔ってんぢゃねーの?って感じの語り口が、なんとも気持ちいい。
コンテンツは以下のとおり。
第一部 孤独の飲み飯
其の一「チャーハン de 焼酎ロック」
其の二「カツオ de 日本酒」
其の三「とんかつ de ビール」
其の四「大相撲 de 焼き鳥ビール」
其の五「おでん de カップ酒」
其の六「湯どうふ de 純米酒」
其の七「常夜鍋 de ワイン」
其の八「焼きそば de ホッピー」
其の九「キャベツ炒め&メンチパン de チューダー」
其の十「シウマイ弁当 de 缶ビール」
其の十一「焼きおにぎり de 日本茶割り」
其の十二「床 de ワイン」
其の十三「冷やし中華 de 発泡酒」
其の十四「ゴーチャン de ハイボール」
其の十五「即席焼きビーフン de 紹興酒」
其の十六「松茸土瓶蒸し de 冷や酒」
其の十七「宅配ピザ de コークハイ」
其の十八「うどん鍋 de どぶろく」
其の十九「もつ焼き de ウーロン酎」
其の二十「ツナトーストサンド de 水割り」
其の二十一「寿司パック de 緑茶割り」
【特別付録 Q.B.B.の幼稚な大人漫画】
幼稚なダンディー
幼稚なOTONA
第二部 今夜もひとり居酒屋で
其の一「野球オヤジ」
其の二「寝る間を惜しんで飲む人々」
其の三「ワインバーの淑女たち」
其の四「食い過ぎる客」
其の五「キャバ嬢たちの会話」
其の六「通い呑み」