many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

蝶のみちゆき

2015-04-17 20:23:11 | マンガ
高浜寛 平成27年2月 リイド社
前回の北杜夫の本に蝶の話がいっぱいあったから、そのつながりで、というわけではなく。
先日、谷口ジローのマンガを買おうとしたときに、すぐ近くにあったんで、あ、良さそうと思って、手にとったもの。
著者名だけで、予備知識もなんも知らずに、読んでみようと思うのは、そうはないんだけど。
(ったく、そのわりには、買ったマンガを1カ月ちかくも積ん読のはよしなさい、って自分でも思う。)
時代が江戸から明治に変わるころの、長崎丸山の遊郭が舞台、評判高き遊女の几帳太夫がヒロイン。
「堪忍え えらい待たせもしてからに 会いとおした」なんてセリフの響きのよさに導かれて物語世界に引き込まれていくんだが。
セリフとか画の魅力だけぢゃなくて、読み進むほど、物語のつくりに、おー、そうかあ、と思わされることが多く、その深みが心地よい。
最後まで読んだあと、たまらず最初にもどってアタマっから読み直すことになった。
(※4月22日追記 だから、やっぱマンガは、完結したもの一気に読むに限る、と私は思う。)
傑作。

…どうでもいいけど、読んでたら作中にでてきたもんで、ふとカステラが食べたくなって、次の日に食べた。
そういうことさせるのは、作品にすごい力があるってことかもと思わされたが、ただ単に私が腹減らしてただけなのかも。
コメント
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