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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

七瀬ふたたび

2015-11-24 19:59:59 | 読んだ本
筒井康隆 昭和53年発行・平成14年改版 新潮文庫版
前回からは、むかし一度は読んだけど、続編読まずにヤメちゃってたものの、続きを読んでみようと思って、読んでみた、っていうつながり。
こないだ『家族八景』を実にひさしぶりに読み返したんだが。テレパスの七瀬さんが主人公の話ですね。
それが仕舞い込まれてた同じ場所に、『エディプスの恋人』があったのは、すぐ発見できたわけで。同じ七瀬シリーズの最後にあたるものですね。
七瀬シリーズってやつは、全部で三巻、真ん中にあたる本書が、私の本棚には見当たらない。よーく思い起こしてみると、読んだ記憶もない。
シリーズの1と3は、そんなに時期空けずに読んだとは思うんだが、2は読んでない。
不思議ーというか不自然ー。当時の私が、どうしてそういう行動をとったんだか、いま考えても何故だかわかんない。
で、今んなって、やっぱ気になるような気もしてきたんで、ついこないだ文庫を買って、さっそく読んでみた。
他人の心のなかが読めてしまうテレパス(精神感応能力者)である七瀬さんは、母の実家に帰る列車の旅のなかで、自分と同じ能力を持つ人物と出会ってしまう。
それどころか。
違う種類だけど、れっきとした超能力のひとつである、予知能力をもつ人物とも出会う。
それだけにとどまらず。
夜のお店で働いてるうちに、透視(クレア・ヴオヤンス)の能力者とも遭遇するし。
念動力(テレキネシス)の持ち主とも知り合う。(この念動力者は自分の意志でその力を使えず、上位自我の存在から命令されたことしかできないってとこがちょっと変わってる。)
「最終的な超能力者」と評価されている、時間旅行者(タイム・トラベラー)とも出会うことになる。
で、ふつうの人間には正体を知られないように気をつけているが、一部の超能力者同士では助け合っていこうとするんだけど。
超能力者を抹殺しようとする組織に狙われて、戦わざるをえない状況に追い込まれてく。
第一作では、人間心理のドロドロみたいなのを描いてるのが、それなりに興味もって読めたんだけど、この続編は、読み進むにつれて派手なドンパチのSFっていうイメージのほうが強くなってきちゃう。
超能力つかって何でもアリ、ってことになると、私にはちょっと荒唐無稽な感じがしてきちゃって、あまり入り込めない。なんだかなー、って思っちゃうんだよね、どうしても。
もしかすると、むかし読まなかったのも、文庫の巻末の広告の紹介に「(略)暗黒組織と血みどろの死闘を展開する!」とか書いてあんのを見て、いいや、そんな戦いモノなら読まなくても、と思ったのかもしれない。基本的に、あんまり好きぢゃないんだ、そういうの。
章立ては以下のとおり。
「邂逅」(「七瀬ふたたび」改題)
「邪悪の視線」
「七瀬 時をのぼる」
「ヘニーデ姫」
「七瀬 森を走る」
コメント
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