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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ブロードウェイの出来事

2017-07-09 17:44:09 | 読んだ本
デイモン・ラニアン/加島祥造訳 1977年 新書館
やっと手に入れました、ことしの6月に神保町で。
「デイモン・ラニアン作品集2」となってるけど、『野郎どもと女たち』と同様、原作短編集と順番は関係ないらしい。
私は英語なんて読めないんで原文の文体がどんなんだかわかんないけど、この翻訳はけっこう気に入ってる。
「レモン・ドロップ・キッド」The Lemon Drop Kid
>さて、さっきいう八月の午後のことだが、レモン・ドロップ・キッドはこの競馬場で商売の相手を物色していて、それが、どうもうまくいかないところだ。彼の商売というのはお話を聞かせることだがね、そのお話を聞いてくれる客がなかなか見つからないというわけだ。
「三人の賢者」The Three Wise Guys
>というわけで、おれは寒いクリスマス・イヴの日、ダッチマンのおんぼろ車でダッチマンとブロンディ・スワンスンのおともをすることになる。ただし、おれたちのうち一人としてその日がクリスマス・イヴだなんて知ってるものはいないぜ。
「マダム・ラ・ギンプ」Madame La Gimp
>おれはこの光景を見て全く驚く。なぜって、なにしろマダム・ラ・ギンプみたいな婆さんの話に身を入れて聞くような人間はこの世に誰もいやしないのに、ましてその相手の人間が「気取屋」デイヴときてるんだからな。実際このマダム・ラ・ギンプという女はまるで古い干し草袋みたいで、いつも酔払ってるんだ。
「ブロードウェイの出来事」Broadway Incident
>というわけで、こっちは彼の話を聞いてやりながらステーキを食べつづけると、アムブローズはヒルダとの恋でいかに自分が苦しみ悩んでいるか綿々と訴えて、いまにも泣きださんばかりだ。ちょうどその時、燕尾服に蝶ネクタイという素敵ないでたちでこのカナリー・クラブに入ってくるのがブローガン・ウィルミントンという名の男だ。
「ユーモアのセンス」Sense of Humor
>だから「いたずら屋」のジョーが彼に「焼け足」をやる時なんか、おれは困ることをやるもんだと思うわけなんだ。「兇暴」フランキーはジョーのこの行為を自分への侮辱と思うにちがいないし、そのあげくはマンハッタン島の住人すべてに反感を抱くようになるかもしれないからね。
「世界一のお尋ね者」The Hottest Guy in the World
>というわけで、ビッグ・ジュールはどうしても生まれ故郷の町を歩いて、ミス・キティ・クランシーに会いたい、おふくろのとこにもよりたい、だからおれに一緒に来てくれと頼む。おれはビッグ・ジュールと町をぶらつくよりも、もっと楽しいことを五万と考えられるけどね、しかしそう言えば、変にお高くとまってると彼に誤解されるおそれがあるんだ。前にも言ったとおり、ビッグ・ジュールはすぐかっとなるたちの男だからね。
「世界一のタフ・ガイ」Tobias the Terrible
一方、トビアス・ツイーニーはグッド・タイム・チャーリーの酒を二杯飲むだけでぼんやりしちまってて、なにが起こってるのか全然わからないらしい、だから黙ってジョイのピストルを受け取るとズボンの尻のポケットに突っ込む。ところが、これと同時に「馬づら」ハリーも「のろま牛」アンギーも「小男」ミッチーも、他の連中もみんなトビアスのそばによってきて、自分らのピストルを渡すんだ。
「ダンシング・ダンのクリスマス」Dancing Dan's Chiristmas
>酒場では大いに歓迎される。なにしろみんなはチャーリーとおれが、とくにチャーリーが、サンタクロースを同伴してるのを見て、びっくりするんだ。しかしサンタクロースがダンシング・ダンだと気づいたものは誰もいないぜ。
コメント
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