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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

バカ論

2018-01-28 18:09:40 | 読んだ本

ビートたけし 2017年 新潮新書
前回の志らくの文庫と近くにあって目についたんで買ってみた、とかく一冊だけでは買い物が済まないのは昔から変わらない。
最近、どうも新書って形式のものは、なんかうすっぺらいような気がして敬遠してたんだけどね、私。
しかし、売れてるみたいだねえ、昨年10月20日の発行で、12月20日付で7刷を重ねている。
たけしの本なんて、読むのひさしぶりだな、昔のアレ何ていったっけと思ったら、「はじめに」のところに書いてあった、『ツービートのわッ毒ガスだ』、それだそれ確か、自分で買ったんぢゃないけど、誰かの見せてもらったやつ。
で、これは漫才やコントのネタぢゃなくて、冒頭から「昔からバカにはうるさい」と宣言してる著者の、バカにバカと言いまくってる本。
特にマスコミなんかにも厳しくて、言い訳のテロップ出しながら放送してんのにバカと言ったりしてんだけど、一方でその原因となる変なクレームつけてくる視聴者もバカだと言うのも忘れない。
若い芸人とかについても、芸を見せてるんぢゃなくておかしな格好してるだけの奴は、笑わせてるんぢゃなくて笑われてんだよと、バカと通告する。
政治関連では時短とか働き方改革とかいっても、芸能界の長時間で過酷な現場のことは無視してる点について、「いまだに江戸時代と変わらない」という指摘詩的(2022年4月16日誤字修正)は鋭いと思う。ま、政策唱えてる側は、そこまで深く意識してないで、票になる層狙ってるだけだろうけど。
インタビューのバカな質問はたくさんあげられてるけど、なかでいちばん同意するのが、次のようなやつ。
>―「今度の映画をひとことで言うと、どんな映画ですか?」
>どんな映画か、ひとことで言えるようだったら、そもそも映画なんて撮るわけないだろう。「これを見ている視聴者にどんな映画か説明してください」とか言うけど、映画を観ろ、映画を。(p.159)
まったく「ひとことで」ってのは、おちいりやすい病のようなものって気がする。考えんのがヤなんだろうね、きっと。それと自分で見たり考えたりしないで、伝聞の評価で終わらせたがるひと多過ぎのような気もする。
でも、あまり賛成できないのもあって、たとえばテレビのお笑い番組を批判されたりしたときは、「じゃあ、お前がやってみろ」と言うそうなんだが、私はそれ言わないのがプロってもんぢゃないかと思うもんで。
コンテンツは以下のとおり。
はじめに―バカは死んでも治らない
第一章 バカなことを聞くんじゃない
第二章 バカ言ってんじゃない
第三章 渡る世間はバカばかり
第四章 バカがテレビを語っている
第五章 こんなバカが好きなんだ
第六章 たまにはバカな質問に答えようか
おわりに―バカな言い訳

コメント
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