many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

平成が終わったらテレビからいなくなってたものたち

2019-12-29 18:08:55 | 堀井憲一郎

堀井憲一郎 2019年10月 東京ニュース通信社
私の好きなライター、ホリイ氏の新しいのが出たので読んだ、先月買った。
わかりやすいタイトルで、とりあげられているのは、そういうこと。
『テレビブロス』という雑誌で1987年から1990年までホリイ氏が連載していた「かぞえりゃほこりのでるTV」というコラムの原稿を出してきて、それについて現在の視点からテレビがどう変わったかってことを論じてます。
私なんかも昭和から生きてるんで、そうそう、そんなんあったねえと思うことしきり、昭和に比べて今テレビ観てないから、現状のほうがわかってなかったりして。
個別のこまかいことはともかくとして、全体的な感じとしては、かつてはバラエティ、ワイドショー、ニュース番組ってきっちり区分けがあったんだけど、いまそれらゴッチャになって、情報番組つくろうとしてるってことかなと。
>お昼休みといえども、何かしら役に立つことをみんな求めている、という空気が前提になっているのだろう。それにテレビが反応して、情報番組が並んでいる。落ち着きがない。(p.130)
とか、
>まあ、お楽しみバラエティが情報番組に蹂躙されていくという図式ですね。(p.140)
とかってことらしい、ここで言ってんのは主に平日昼のテレビのことだけど。
しかもねえ、詳しくない私が言うのもなんだけど、どこのテレビ局もおんなじようなことしかしないからねえ。(テレ東はちがうか?w)
お昼にかぎらず、ゴールデンタイムも変わってきてて、たぶん結論といってもよいことは、
>書いていて、そうか、「お茶の間」存在の問題か、といま気づいている。
>かつてテレビを見てる場所を「お茶の間」と呼んでいた。テレビのなかから、ときにお茶の間へ呼びかけることもあった。いま、視聴者のいる場所を「お茶の間」とは規定していない。(p.156)
ってことなんだろうと思う、しかたないっていえばしかたないのかもしれない。
それに気づかないというか、昔の夢が忘れられないひとが、年末に昔とおんなじような放送をして、また視聴率がとれないとか言ってんぢゃないかという気もする。
視聴率はどうでもいいとして、ホリイ氏は例によっていろんなものを数えてんだけど、本書で(といっても実際数えたのは30年前になるわけだが)いちばん驚いたのは、『ねるとん紅鯨団』の告白の勝敗数。
1988年秋から翌89年2月までの18回の放映、220人分の勝敗トータルが記載されていて、意外と高いなと思った。
おもしろいのは、参加者のプロフィールにある「理想のタイプ」のタレント別に集計してることで、そういう発想いいな。
その時期の1位は中山美穂で14名、その告白勝敗は4勝10敗、勝率は.286なんだけど。
全220人の勝率は、それより高いんだが、あえてここには記さない。
あと、集計について、プロであるホリイ氏は、コマーシャル出演者についての真理を次のように明かしている。
>テレビを見てると、コマーシャルで露出している人に偏りがある感じがして、つい調べたくなるのだけれど、偏りを感じてるのは、ほぼ思い込みですね。テレビのコマーシャルを何回も何年も調べてるうちに気づきました。(略)
>(略)それを集計すると、だいたい「何でもない」という結果がでるんですね。何十回とやって、徒労に終わる調査だと気がつきました。(p.41)
そうかあ、そういうものなんですか。
コンテンツは以下のとおり。見出しを見ただけで、なんとなく30年間で無くなったものを想像することができる。
1 地上波からきれいになくなった時代劇
2 昭和、平成、令和を生きる『サザエさん』はすごい
3 微妙に変わってきた朝ドラにおける女の人生縮図
4 昭和の終わりのテレビコマーシャル
5 テレビの中で外国人をたくさん見かけていたころ
6 もう見られない究極の深夜テレビ「砂の嵐」
7 夕方のニュースキャスターは男女ペアが定番だった
8 ドラマにおける電話と食事のシーンの30年
9 本当にいつのまにかなくなっていた昼の帯ドラマ
10 大河ドラマは、変わってほしくない「日曜の夜もの」のひとつなのだろうか
11 衝撃!!独占!!緊急大発表!!ワイドショーの刺激的な秘密
12 平日の午前中に放送されていた「ドキュメント女ののど自慢」
13 夏の夜は地上波で毎晩巨人戦を見ていた
14 かつてお昼休みはのんびりする時間だった
15 『笑っていいとも』の中心はテレフォンショッキングだった
16 海外旅行が憧れだった時代に飛ばしてたアメリカンジョーク
17 家族そろって見るテレビ『連想ゲーム』
18 『オレたちひょうきん族』はおしゃれな番組だった
19 これこそがバブルの象徴『ねるとん紅鯨団』
20 これから売れそうな若手を起用した『夢で逢えたら』
21 『風雲!たけし城』を見ながら結婚年齢について考えた
22 深夜になると「何でもあり」の世界があった

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする