スポーツ・グラフィック ナンバー9月17日号 文芸春秋
いや、なんか話題になって、売れて増刷しているらしいね、これ。
雑誌あんまり手を出さない私なんだが、たまたま「将棋世界」の発売日と同じだったから見つけたんでついでに買ってみたんだけど。
まあ、なんか、それほど特別おもしろいという感じもしなかったんだが。
あたりまえかも、こちとら専門誌を毎月読んでんだから、いまさら改めてスゲエなんて驚く話はそうそうなくてもしかたない。
ライターもだいたいおなじみの人たちって感じだし。
でも、なんつーか、コロナウイルス感染拡大防止のおかげで、かえって最近の取材は落ち着いてるのはいいことなのでは。
ふだん将棋のことなんかなんも関心ない報道関係者が部屋に入りきれないくらい押し寄せて、バカみたいにフラッシュ光らせたり、くだらない質問浴びせたりなんて場面は、なんか見苦しいからねえ。
あー、そうだ、記事のなかでは、対談で佐藤天彦九段が藤井将棋について、
>曲芸のような鮮烈さを与えるけど、決して異端ではない。圧倒的な計算力に基づいて、しっかりと積み上げられている。
>「天才とは論理的なものである」という言葉が、彼にはぴったりくる気がします。非常に派手な技を使っているように見えて、ひとつひとつ論理的な思考で成り立っているんです。
などと評しているのは興味深かった。
天才って、ひらめきとか優れた感覚とかってんで解釈しちゃいがちだけど、そうぢゃないってのは珍しい視点。
羽生永世七冠がむかし「終盤は定跡化が可能」みたいなこと言ったのと通じるようなものがあるような。
コンテンツは以下のとおり、将棋特集に関係のない記事は省略、すんません。
藤井聡太「天翔ける18歳」 北野新太
記録で辿る異次元の歩み 後藤元気
板谷一門の偶然と必然 藤島大
佐藤天彦×中村太地「藤井はピカソか、モーツァルトか」 伊藤靖子
中原誠が語る18歳の羽生と藤井 片山良三
22時の少年――羽生と藤井が交錯した夜 先崎学
天才が切り拓いた矢倉新時代 勝又清和
渡辺明「敗北の夜を越えて」 大川慎太郎
木村一基「受け師は何度でも甦る」 北野新太
王者たちの覇権20年史 小島渉
久保利明「変える勇気、変えぬ信念」 高川武将
豊島将之「仲間から遠く離れて」 諏訪景子
谷川浩司「光速は終わらない」 片山良三
大橋貴洸「勝負スーツに込める志」 大川慎太郎
羽生を止めろ 七冠ロード大逆転秘話 鈴木忠平
“読む将”のススメ 後藤元気
佐藤康光が語る「大名人、この一局」 伊藤靖子
里見香奈「腹立たしいけど、好きだから」 内田晶
教えてアゲアゲさん!将棋界のYouTuber事情 雨宮圭吾
棋士を支える呉服店 内田晶
将棋と書の深い関係 小島渉
愛棋家アスリート、3手詰め! いしかわごう/井山夏生/堀江ガンツ
佐藤和俊「不惑の青春」 北野新太