星野之宣 平成8年 スコラ漫画文庫版・全2巻
最近、なんか星野之宣のむかしからの今さら集めてみようかな、って気になってきているのは、もちろんこの夏に『総特集星野之宣』を読んでみたせいなんだが。
そのちょっと前に、“宗像教授”を読み返したりしてたときに、その他のマンガ蔵書もホコリはらってたら、本棚にこの文庫があって、自分のブログ内をささっと検索してみたら、なんということか、これ採りあげてなかったということに気づいた。
ひさしぶりに読み返したけど、やっぱおもしろいわ、これ。(てなわけで、他にも昔のもの探したくなってきたってのがある。)
お話はコモロ諸島沖でのシーラカンスの密漁から始まるんだけど。
なんで古代魚が現代の海にいるかっつーと、その海の底に、青白く光る穴がある、それは白亜紀とのタイムトンネルの入り口だった、っていう急展開。
よせばいいのに、そこを通り抜けていくと、向う側には恐竜がウジャウジャ全盛状態でいたんで、迷い込んだ人間たちは過酷なサバイバルを余儀なくされる。
いいねえ、よくありがちな映画みたいぢゃないのって意見もあるかもしれないが、これ発表されたのは1991年なんで、ジュラシックなんとかよりも前なんである、日本SFマンガおそるべし。
しかも、たぶん当時はあんまり考えられてなかった、恐竜には知性もあるし、親は子を守ろうとする、みたいな恐竜像を描いているのはすばらしい。
そうそう、実はTレックスなんかよりも、海のなかにいるでっかいヤツがいちばんヤバいんぢゃないの、っていう点でも恐竜映画シリーズに先んじてるんぢゃないかと思う。
かくして、ストーリーはただ逃げ回るとか生物観察するとかってだけぢゃなくて、そのトンネルにパイプをぶち込んで管理し、政治的にというか経済的にというか利用しようという勢力もからんできて、おもしろくなる。
でも、地球の歴史上の必然として、恐竜は絶滅するんでね、それ回避できるのかって問題も出てくる、主人公の女密漁師は生き物を守る派なので、積極的に介入して救おうとするスタンス。
ちなみに、コンテンツは以下のとおり。
プロローグ
第1話 別世界への入口
第2話 漂流
第3話 遭遇
第4話 “ブルーホール計画”
第5話 サバイバル
第6話 暴君竜
第7話 二重構造
第8話 永遠の墓場
第9話 新世界
第10話 フッドの反逆
第11話 パートナー
第12話 遭遇……!?
第13話 滅亡への道……!?
第14話 残り時間
第15話 超巨大隕石
第16話 カウントダウン
第17話 撤退命令――!?
第18話 魚雷発射――!?
第19話 環境激変!!
第20話 海洋樹へ――
第21話 超爆装置作動
第22話 封鎖……!!
第23話 時を超えて