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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ウォーク・ドント・ラン

2009-09-06 22:15:41 | 村上春樹
村上龍VS村上春樹 1981年 講談社
きのうのつづき、ってことになるかどうか、村上龍と村上春樹の対談録。
ちょうど村上龍が『コインロッカー・ベイビーズ』を書いたあとなので、あの作品の解説としては、この本がぴったりという感じ。
ちなみに村上春樹氏は、コインロッカー・ベイビーズを、おもしろくて、一気に六、七時間くらいで読んじゃったと言っています。
村上龍氏は、例によって、こういうことが書きたくてこう書いたとか、作中のここがいいところで自信があるとか、自説を語っちゃってます。この人は、きっといい俳句詠みにはなれないな、って感じがします。ほかの人の解釈を受け入れずに、俺が言いたかったのはこうだ、とか主張しそう。(まあ、そこがいいとこなんだろうが。)

たしか村上春樹特集本かなにかで、せっかくの二人の対談なのに、まとめ方がなってないから、本としてはダメって酷評されてたかと思いますが、ファンが読めばそれなりに興味をひかれるところはあります。
村上春樹氏の語る、店に十人の客が来たとして、気に入ってくれるのは一人か二人、どうでもいいと思う人が五、六人、あとの三、四人は、いやな店だ、もう来ないと思うもので、でも十人に一人がまた来てくれれば店は成り立つって話、けっこう好きです。
あと、家に帰ると誰もいなくて真っ暗で、自分で電気つけて自分でお湯わかしてっていうほうが、誰かにお帰りなさいと言われるより好きだって話は、かなり共感しちゃいます。

ふたりとも、小説を書き始めて、一作目で賞を受賞したんだけど、二作目は一作目で修得した技術とイマジネーションで書ける、問題は三作目だ、そこで飛躍することが大事ってことを語ってます。村上龍の三作目は「コインロッカー・ベイビーズ」ですが、村上春樹の三作目は『街とその不確かな壁』ってやつです。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の原型らしいんですが、文藝誌に掲載されただけで、その後本にはなってないはずです、読んだことがありません。


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