many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

短編小説

2009-05-25 15:47:42 | 小林恭二
小林恭二 1994年 集英社
短編集。収録作品は
「光秀謀叛」
「豪胆問答」
「バービシャードの四十九の冒険 序章」
「家を見る」
「ヤスヨ」
「磔」
「鍵」
「シクラメンの陶酔」
「沢好摩伝」
「瓶の中の父」
著者あとがきにいわく、“おもちゃ箱をひっくりかえしたような小説集”。
なので、テーマというか傾向というかは、いろいろ。
そのぶんどれから読んでも面白いので気に入ってる一冊。
私が好きなのは、「磔」と「豪胆問答」。
自宅の窓から磔を目撃しちゃう話と、何物にも驚いたことがない武士の話。

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山手線内回りのゲリラ

2009-05-22 21:57:35 | 読んだ本
先崎学 平成19年 日本将棋連盟
将棋の本ぢゃない将棋指しの本といえば、やっぱ先チャンか。
これは、週刊文春で連載中の『浮いたり沈んだり』から60篇を選んだもの、
このシリーズの単行本としては、「浮いたり沈んだり」、
「まわり将棋は技術だ」に次ぐ3冊め。

先チャンの文章が面白いのはもちろんだけど、
出てくる棋士たちの個性が魅力的なのも、毎度のこと。

例によって、いま名人戦で挑戦中の、郷田九段が登場するんだが、
梶山季之の小説を借りに来て、『赤いダイヤ』を読んだあと、
先チャンから、梶山が直木賞狙いで作風を変えて別の作品を書いた逸話をきき、
“赤いダイヤはいい小説だから、それでいいぢゃないか。
 なんで賞ごときにそんなにこだわったんだ。
 作家なら、いい小説かどうかは自分で分るだろう。
 自分でいい小説だと思うものが書ければそれでいいぢゃないか”
と郷田九段は憤然という。あいかわらずカッコいい。

将棋指しは、いい将棋を指しても、結果が勝ち負けに分かれる、
負けたものには、その名局を制したという栄誉がないのが、悲しい。
(今回、郷田九段を応援中)

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羽生善治 好機の視点

2009-05-21 21:29:22 | 読んだ本
羽生善治 2003年 小学館文庫
梅田望夫・将棋つながりで。
先の竜王戦ウェブ観戦記で、インターネットが一般に使われる前の1994年に、
羽生名人は紙上にブログを書いていた、と評されたものが、これ。
月刊誌に、その月の自身の将棋2、3局を中心に書かれたもの。
A級にあがるあたりから、七冠へ向けて名人2度目の防衛戦(対森下)のころ、
将棋にも勢いがあったと思われる時期の日記として興味深い。

いま見ると、すでにこの時期に最近話題の「4手目3三角」
(対加藤九段戦で▲7六歩△3四歩▲2六歩△3三角)を指していたり、
(自身は新手だと思っていたが有森六段が指したことがあった、と書いてある)
相掛かり調の将棋では、当時2六飛と浮くのが主流だったのに、
15年後の現在に主流になっている、2八飛と引く手を指していたりする。
やっぱ、あのころから時代の先を行ってたんだろうか。

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頭脳勝負

2009-05-20 21:43:38 | 読んだ本
渡辺明 2007年 ちくま新書
梅田望夫つながりといった感じで続きますが、
渡辺竜王の書いた棋書ではない本ということで、
若い世代のトップである彼の、なんらかの哲学とか勝負術みたいなもの、
期待したんだけど、内容はどちらかというとそうぢゃなくて、
初心者が将棋を観るための入門書といった感じです。
「封じ手はしたほうが有利」と言い切るあたりが、
ちょっと秘密を垣間見た気もしますが、それだけぢゃ物足りないです。

1年以上経って、このあいだ羽生名人相手に竜王を防衛した際、
急戦矢倉の新手を隠していたのを披露した、そのあとで読み返すと、
森内名人から竜王を奪取したときにも、第7局に隠していた新手を用意していた
というくだりが非常に興味深いです。

ちなみに、渡辺竜王のブログは、おもしろいので毎日チェックしています。

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ウェブ進化論、ウェブ人間論

2009-05-19 14:47:53 | 読んだ本
ウェブ進化論 梅田望夫 2006年 ちくま新書
ウェブ人間論 梅田望夫・平野啓一郎 2006年 新潮新書

ウェブ人間論のほうは06年12月20日発行、ウェブ進化論のほうは持ってるのは07年2月の第16刷、ということで、ほぼ同時に読んだんだと思う。(たぶん平野啓一郎に興味があって“人間論”を手にして、さかのぼる形で“進化論”を)
ちょうどそのころ、私は、最初のブログを始めてたんで、遅ればせながらウェブ世界ってのは何なのかとか、勉強してたんだと思う。
“進化論”のほうは、ネットのなかに入り込むのに、読んどくと便利な教科書という感じがする。
データを、自分のPCのハードディスクのなかに置くんぢゃなくて、ネットの「あちら側」に置くという基本の理解は欠かせない。
あと、オープンソースとか、ロングテールとか、Web2.0とか、あー!こーゆーことが考えられるのね、可能なんだね、と学ぶことができました。

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