かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

イスラエルとパレスチナ相克の歴史

2024年05月10日 | Topics


今日も、日中バタバタだったが、夜は久しぶりの、夕学講演会。
テーマは、「イスラエルとパレスチナ相克の歴史」で、講師は、慶應の教授の錦田愛子さん。

この戦争は、連日報道されているが、なんでこうなってしまったのかすっきりしなかったので、受講した。
総合的なお話が聞けて、よかった。

今の問題が始まったのは、1948年以降の話で、宗教対立ではなく、政治問題、領土問題であることから、頭を整理しなくてはならない。
それまでは、イスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒が、普通に一緒に暮らしていた。
そして、その問題は、1993年のオスロ合意で、解決への道筋が見えて来たにもかかわらず、その後またパレスチナが、何度も攻撃を仕掛け、そのため、イスラエルでも右派が台頭し、対話による解決の道は、閉ざされてしまった。

パレスチナは、イスラエルの中の2つの自治区の中に封じ込められただけでなく、じわじわと侵食を受け、また、テロ集団だったはずのハマスがファタハに民主的な選挙で勝利してしまったため、経済制裁を受け、困窮していく。
この選挙は、監視団が見ていた上での選挙だったそうで、当時のパレスティナ人の総意と言える。
つまり、当時のパレスティナ人は、(西欧側の基準で言えば) 左派だったのだろう。

その後の選挙は、オスロ合意の際、4年毎とされたが、まだ2回しか行われておらず、ハマスが勝利した後は、一度も行われていない。
ファタハは、ヨルダン河西岸を支配し、ハマスは、リスク分散のため、一部が、カタールを拠点としており、パレスチナ自治政府は、3箇所に分かれてしまっている状況。
イスラエルのそれまでの行いについては、何度も国連から、是正勧告がなされていたが、アメリカが黙認を続けていたため、イスラエルのやりたい放題が続いていた。

ハマスは、落ち着いてしまったように見える中東に再び世界に目を向けさせ、上手く行けば、イスラエルから何らかの譲歩が得られるのではないかと、今回の暴挙に出たが、やっていることは、テロそのものであり、国際社会からの支持は得られず、イスラエルからの反撃により、元も子も失いつつある状況。
イスラエルも人質が返還されるまでは、極右政党も含む政権であり、停戦は不可で、現状になっている。
ただ人質を返してしまえば、ハマスは、頼るものがなくなってしまうので、出来ず、戦争を続けざるをえないジレンマ。

戦争反対運動が起こっているが、人道問題を掲げてはいるが、税金や学費が、戦争に使われていることに対する怒りが中心になっている。

一番理解が深まったのは,ハマスが何故こんな暴挙に出たのか、そしてイスラエルが何故こんなに右傾化したのかの背景が見えて来たことだ。
テレビでは、人道問題ばかりを取り上げるが、もう少し遡って、特に、オスロ合意以降の歴史を踏まえながらの議論をするべきだろう。
ただ、このままでは、ハマスが崩壊するか、イスラエルの現政府が倒れない限り、戦争は続きそう。
イスラエルへの金と武器の流れを、一旦止めるしか、方策はないか?



久しぶりにに東京駅の夜景を見た。
経済が混乱する前に、素晴らしい駅に生まれ変わって良かった、
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地球温暖化論とCO2要因論 ~オーロラを追って~

2023年03月16日 | Topics


昨日の日帰り関西出張では、偶然Hello Kitty Shinkansenに出くわした。
ナイスデザイン。
山陽新幹線を1日1往復しているようで、特に子供に人気という。



ランチは、前も紹介したかもしれないが、新大阪駅構内で、九条葱ラーメンをいただいた。
健康にいいか?

今日は、地球温暖化論とCO₂要因論という講演を聞いた。
先日の岸田首相のCOP26でのややトーンダウンした演説の話から始まったので、てっきりCO₂排出量の削減の勢いを止めてはいけないという話かと思ったら、逆だった。
CO₂の増加と、気温上昇との因果関係については、証明されているわけではなく、太陽光エネルギーの影響が絶対的に大きく、その他地熱エネルギー、潮汐力などの影響も大きい。
化石燃料の燃焼によるエネルギーは、それらと比べると、圧倒的に少ないと言う。
そもそも温暖化データのの観測も、地上が中心で、海洋における観測点は、まだまだ少なく実態がよくわかっていない。
熱を保持する力も、CO₂などより、水、水蒸気、アンモニアなど多原子分子物質の方が、圧倒的に大きい。
そうこう考えてくると、炭酸ガス犯人説は怪しくなってくる。

一方、太陽の黒点とフレアは11年周期で増減することがわかっており、現在がそのピーク期間になっている。
ミランコビッチサイクルも知られており、地軸の傾斜と地軸の動きと、公転軌道の3要素がそれぞれ数万年単位で変動しており、これも地球の温度に影響を与えている。
南極の氷を調べたところ、氷に含まれる炭素の量と、気温が連動していることがわかるが、これも周期的に上下動を繰り返しており、そのサイクルが続くとすれば、これからは温度が低下する時期に入ることが予想される。
ただし、一方向ではなくジグザグを繰り返しながらの上下動なので、年単位で見るとその傾向は明らかにはならない。
等々。
温暖化の原因を炭素の放出量のみに求めるのは、かなり乱暴な議論であるというのが結論。
ただし、環境破壊が進んでいることについては、明らかであり、それを食い止めて生物が暮らしていける環境を保持するという観点からは、炭素の放出量を減らそうという努力は、重要。

そこから話が飛ぶのだが、太陽の動きに興味を覚えた講演者は、オーロラを見に、北極圏を何度か訪れている。
なかなかオーロラを見るのは難しそうで、ただでさえ寒い中、月が明るかったり、雲が出ていたりすると、見えにくいそうだ。
その中で、お勧めは、フィンランドのイナリ。
ホテルの中から観察できて、出てきたら、ホテルの外に出て見れるとのこと。
他の地区だと、ホテルから遠いところまで行って、スキー場の仮設テントでオーロラが出てくるのをひたすら待ったり、ろくな食事がとれなかったりと、かなりつらい観測になるそうだ。

話が飛んだが、温暖化の炭素犯人説がかつては声高に叫ばれたが、最近は少しトーンダウンしてきているという。
ヨーロッパが経済の主導権を取るための戦略だという説もあり、なかなか単純な話ではないようだ。

いずれにしても、ESG自体は、今後も人類が生き続けるためには、必要な活動であり、温暖化阻止につながるかは、わからないが、推進していく必要はある。
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文字化け潰し

2022年05月06日 | Topics

今日は、連休明けで忙しい?

夕焼け綺麗!

Magic Hour !!

ブログの引っ越しが、思いがけずすぐ完了した話はした。

ただ、文字化けが酷い。

エクスポート側の問題であることは、わかっている。

そこで、時間見つけて、ちょこちょこ文字化け潰しをしてた話を少し。

文字化けは、タイポと違って、元の言葉がわからないので、読んでいて、気持ち悪いし、原ブログが無くなってからは、元の言葉の確認のしようもないので、潰すのは今しかない。

ただ、すごく多くて、庭の雑草抜きのように、きりがない。

どうにか、95%完了。

数千か所あった。

一番多かったのは、"ポー”。

ポール、ポーズ、シンガポール、レポート、サポート、スポーツ、パスポート、ポーランドなどなどたくさん。

”圧倒的”という言葉も多用されていて、全て文字化け。

コツは、見つけたら、すぐ直すのではなくて、文字化け部分をコピーして、キーワード検索でペーストして、同じ文字化けをすべて修正。

これを繰り返すと、どんどん文字化け文字が減ってくる。

ブログを読んで探していたら、絶対見落としが出る。

環境異存文字だと、消えてしまう場合も。

不毛な作業だったが、久しぶりに昔のブログを見て、気づいたことが2つ。

1つは、忘れていることが、とんでもなく多い。

本当に驚いてしまう。

ここまで、忘れるものか。

もう1つは、昔は、今では信じられないぐらい無知だったこと。

そこから、こつこつ見聞を広げて、今がある。

無駄に歳とっているわけではないことが確認できた。

文字化け見つけたらご一報を!

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バイオマス・ショア・プロジェクト

2022年05月01日 | Topics

伊豆から戻った。

渋滞が始まる前に帰れて、ラッキー。

お土産の干物もばっちり。

先日、バイオマス・ショア・プロジェクトの話を聞く機会があった。

MK氏が、数社の協賛を得て進めているプロジェクトだ。

話を聞くまで全く知らなかった世界だが、あまりにも壮大な話で驚いた。

ESGが喫緊の課題になっているのは、言を俟たない。

気候の極端化、パンデミックなど、炭酸ガスの増大による温暖化が元凶。

カキ、コーヒー、ミツバチ、様々な食材が、取れなくなっているだけではなく、人間の脳機能にまで影響が出つつあり、ホモサピエンスの限界が近づいている。

全て、地中に眠っていた化石燃料が、地表に出て、炭酸ガスになったことが原因。

それを止めるには、代替エネルギーを探すしかなく、その手段の一つがバイオマスになる。

カーボンニュートラルだ。

MK氏は、植物、藻類、光合成細菌の中から、微細藻類が、最も効率が高いと判断。

具体化の際の重要ポイントを、コスト、大規模、短時間とした。

その3つを達成するためには、G(微細藻類)、Y(yellow、沙漠)、B(blue、海洋深層水)の3つの最適条件を探す必要があった。

地球の97%は、海で、その95%が、深海。

200mより深い所にある海水が、海洋深層水だが、冷熱エネルギーを持つ、清浄性、豊富な栄養・塩類という3つの特徴を持つという。

この海洋深層水を使って、微細藻類を培養するのが、水田培養で、そこから、莫大なエネルギーを生み出すことが可能。

沙漠は、広大で安い土地。

ふつうの土地や、特殊な容器を使うととてもではないが、大きなものは作れない。

そして前述の3つのゴールを満たすのが、様々な実験、調査の結果、ペルーの沙漠を利用し、そこに作った水田に海洋深層水を引き込み、Dunailiella Salinaを水田培養するのがベストとの結論に達したという。

これを、バイオマス・ショア・プラットフォームと呼んでいる。

ユーグレナなどよく耳にするものがあるが、コスパが桁違いで、これくらいのコスパがないと、とてもではないが、化石燃料の代替になりえないと、MK氏は、言う。

当初オマーンを検討したが、温暖化が進んでおり、これ以上温暖化が進むと、微細藻類が死んでしまうのだそうだ。

ペルーの沙漠というのは、10万ヘクタールという途方もない規模だが、ペルーの沙漠全体の1/10ぐらいという。

米国のとうもろこし畑は、4300万ヘクタールというから、まだ、全然小さいというが、やはり大きすぎてイメージが湧かない。

次のステップは、小規模の水田で、本プラットフォームがワークするかを検証することかと思うが、時間が待ってくれるのか。

本プロジェクトが前進することをお祈りしたい。

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コロナ禍の世界

2021年09月17日 | Topics

今日は、池上さんの講演を、リモートだが、お聞きする機会があった。
何度か、講演会に足を運んでもいるが、いつも話が上手なので、感心する。
ジャーナリストの取材力、情報収集力が、講演に、有機的に反映されている。

今日は、コロナの話だったが、これまで、感染症が、世界史に大きな影響を与えてきたことに驚いた。
このような切り口での世界史の話をお聞きしたのは初めて(どこかの本の題名で見たことがあるような気もするが)。

まずは、今のコロナ拡大により、近未来が、今になったお話で、デジタル化や、リモートオフィスなど、対応しようとしていたが、できていなかったことが、急に必要に迫られ、できてしまった話。
もちろん、一部は、今後揺り戻しもあるだろうが、そのまま進展する分野も多いだろう。

そして、世界史に与えた感染症の話。

日本の古代史でいえば、たぶん中国から来たと思われる天然痘が、奈良時代に大流行し、聖武天皇が、それを抑えるため、大仏を建てて、お祈りしたという話。
これは、シルクロードが、感染症を広めた好例になる。

江戸末期から、明治初頭に流行ったコレラも、ペリー一行が運んできたコレラ菌によるものと考えられている。
当時の米日航路は、ヨーロッパ、アフリカ、アジア経由だったというから、それこそいろんな病原菌が運ばれて来たことだろう。

実は、ヨーロッパで大流行したペストも、最近の調査で(遺体が、火葬されなかったため、当時のペスト菌の源流を探れる)、雲南省がオリジンであることがわかったのだという。
これもシルクロードを通って、中国の物品と共に、ネズミが運ばれてしまった結果。

そして、このペストの大流行により、それに対し、何の力も発揮できなかった教会の力が失墜。
今の生を大事にするルネサンスの世界へ。
宗教界においても、プロテスタントが生まれ、誰もが、聖書を読める世界が訪れた。
聖書が読めるようになると、純粋な宗教心が育ち、ピューリタンと呼ばれる人たちが、ペストが流行するヨーロッパを逃れ、アメリカ大陸へ渡ることになる。

アメリカの原住民たちは、免疫がないため、次々とペストにかかり亡くなってしまった。
アメリカに渡った清教徒(ピューリタン)たちは、これは、(聖書にある)神が我々に土地を与えてくれたものと勘違いし、どんどん原住民を駆逐し、勢力範囲を広げることになる。
これが、福音書を信ずる福音派で、トランプの根強い支持層になる。
アメリカの基本的な精神に今も根付いている。

一方、中南米に進出したスペインも同様で、絶対的多数の原住民の間で、スペイン軍が持ち込んだ感染症が大流行し、スペインが支配する地域になった。

20世紀初頭のスペイン風邪も同様で、第一次世界大戦中、スペイン風邪が大流行し、両軍とも、戦力を喪失し、戦争終結。
ただし、両軍とも、その感染情報を秘匿。当時、中立国であったスペインのみが、この風邪の情報がオープンになっていたため、スペイン風邪と呼ばれるようになってしまった。
そのため、今は、感染症が発生した場合も、地域名は使わないことになっている。

敗れたドイツに対し、フランスが、過度な賠償を請求し、アメリカが止めようとしたが、ウィルソン大統領が、スペイン風邪に唐黷トいる間に、この賠償が決まり、ナチスの台頭を招き、第二次世界大戦が始まってしまう。

こう見ていくと、世界史の重要な部分は、ほとんどが感染症が引き金になっている。

シェークスピアが描いた世界にも、感染症が影響しており、当時、感染症で劇場がバタバタとクローズ。その間、シェークスピアは、こもって演劇作成に集中して取り組んだという。
ニュートンも、その間都会から逃れ、田舎で、リンゴの実が落ちるのを見て、万有引力の法則を発見。

これらの事例から、池上さんは、今の時期を創造的休暇の時期と、ポジティブに捉えたらどうかと提言する。

知的好奇心が満たされると同時に、現実の生き方を考えさせられる、有意義な講演だった。



先日紹介のアップル・ネックレスのデコレーション完了!

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