本書は、先日出たばかり。
ということで、早速ゲットしたが、看板に偽りあり。
1981年に出た本を、最近のビートルズブームに便乗して焼きなおした本だ。
書き下ろし部分は、最後の数ページ。
ビートルズのことは、来日の時、空港出迎えで肩透かしを食ったこととか、加山雄三がホテルで、いっしょにすき焼きを食べている時に、エプスタインに、シラブラックの売り込みを頼まれたことなどぐらいで、基本的には、1960年代のレコードビジネスのど真ん中にいた高島さんの思い出話。
高島さんが、あの高島忠夫さんの弟さんとは知らなかったが、今は、ビートルズの楽曲に、とんでもない邦名をつけた人として有名になった。
抱きしめたいなどは、まだいいが、ノルウェーの森など、完全な誤訳。しかし、この迷訳が、はまって、小説の題名にまでなってしまった。
来日時に日本独自のベスト盤を企画したが、流石に、許可が下りずに、ボツになったとの秘話が明かされる。唯一の、サンプルレコードは、高島さんの手元にあるという。
オールディーズが私の最初に入手したビートルズのレコードだが、このベスト盤が日の目を見ていれば、それが私の最初のビートルズになったかもしれない。
邦楽の話もたくさん出てくるが、タイガーズの二番煎じで、ライオンズがデビューしていたとは知らなかった。
ビートルズネタを期待して読むと、いまいちだが、レコード業界華やかかりし頃の、ノンフィクションという意味では、ひじょうに面白い本。
特に、団塊の世代には、ピッタリの本だろう。