かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ミャンマー・バガン遺跡

2023年05月18日 | Cambodia・Myanmar・Laos
今日は、また関西。



崎陽軒さんの中華弁当にトライ。



美味しいけど、カロリー高すぎ?



本書は、本屋で見つけた。
ミャンマーの現状を考えると、このタイミングで、このような本が出るのは、驚きだが、軍政復活前に集中的に研究されたようだ。
バガンに行くと、本当に大きいのから、小さいのまで、多くの仏教遺跡があるが、勝手に建てることはできないと聞いていた。
本書は、バガンの中心地区から、その周辺の地方まで、調査範囲を広げて、時代も8世紀から、19世紀までをカバー。
遺跡の壁画の紹介だけではなく、その歴史、修復事業の手法なども、紹介している。

訪れた時は、ペンキ屋レベルの人が壁画に上塗りしていて、いかがなものかと感じたが、カンボジアのように、遺跡保存の指導が継続的ならなされなかったことによるものらしい。
当時の上塗りを剥がす修復もされているようだ。
本調査時期には、しっかり修復がなされていたようだが、今どうなっているのか。
極めて心許ない。

遺跡の紹介は、細かくかつ写真付で、ポイントをついた説明でわかりやすい。
写真が小さいのが難で、これは、妥協の産物だろう。
写真を大きくしたら、どれだけ分厚い本になったかわからない。
かつ、敦煌やアジャンタのものほどは、芸術的価値は、高くない。
どちらかというと、歴史的、宗教的価値のほうが高い。
行った時は、中が暗くて、仏像中心に見ていて、壁画は、注意深くは、見ていなかった。
写真撮影禁止のものも多かった。
もったいないことだったが、凄い量の壁画が残されていて、その内容も多岐に渡るので、見出したらたいへんだろう。
かつ、今の治安状況だとあまり行く気もしない。

行った時のレポートは、H/Pの方にあるのでどうぞ。

いつのまにか、世界遺産に指定されていることを知った。
行った時は、価値を下げる修復や、外貨稼ぎのための、景観を損なう観光地化が進み、世界遺産指定は、難しいといわれていた。
一時的に民主化された時に、期待も込めて指定されたのであろう。

また、劣化するのが心配だ。
アンコールや、ボロブドールには、何度か行っているので、バガンも状況が,許せば、再訪したくなった。
ここはまだ、細かくは見れないが、懐中電灯持参で。
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カンボジア 密林の五大遺跡

2014年10月28日 | Cambodia・Myanmar・Laos



カンボジアの大家、石澤先生の新刊が出た。
共著の三輪さんも、やはり、カンボジアの遺跡に魅入られたお人。
アンコールからちょっと離れたまだ、あまり知られてない大移籍についての本かと思ったら、総論的な話がまずあり、その後、五大遺跡の話になる。

五大遺跡とは、ソンボール・プレイ・クック、コー・ケー、ベーン・メリア、大プリア・カーン、バンテアイ・チュマーだが、その他の遺跡についても、触れられている。
ベーン・メリアには、昨年行くことができたが、その他にはまだ行けていない。
今は、ツアーもあって、一度申し込んだのだが、仕事の都合で、キャンセルせざるを得なかった。
今後、行く機会があるかどうかわからないが、その際には、本書はかなり役立つだろう。
何せ、これまで、ほとんど情報がなかった。
特に、内戦直後の状況は、命懸けであったことが、本書を読むとわかる。
三輪さんのレポートが迫力ある。
私が、最初に行ったころ、まだこの五大遺跡にたどりつくのは、至難の技だった。
当時は、バンテアイスレイさえ、行くのがたいへんだったのだから。
また、内戦の間放置されたため、崩壊が進んだと同時に、盗掘も徹底的に行われてしまったことがわかる。
嘆かわしいことだ。
ただ、これからでも、やれることからやっていくのだろう。

本書では、フランスの研究者の通説にも疑問が投げかけらる。
アンコールは、比較的碑文が残っていて、その歴史も明らかと思っていたが、碑文が見つかっていない遺跡も多く、これらの遺跡の歴史は、謎に包まれているとのこと。
そして、結局、そのほとんどの遺跡がジャヤヴァルマン7世時代のものとされたが、物理的にこれだけのものを、在位していた30年の間に建設することが無理であることがわかってきた。
時期がずれているのか、もっと長い期間かけて、だらだら建設されたのか。

また、地方のものは、中央が建設したのではなく、地方の権力者が作った可能性も指摘されている。
もちろん建築方法等の共通性はある。
特に、長方形のバライ(貯水池)が、すべての遺跡に付随しているのは、凄い。

本書を読んで、またカンボジアに行きたくなった。
カンボジアリピーターにお勧めできる本。

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クメールの彫像

2014年10月23日 | Cambodia・Myanmar・Laos



本書は、元々1952年に、フランス語で書かれた本。
ャ純Xリエさんというフランスの研究者が書いたものだ。
その後、翻訳本が出ていたが、絶版になって、この9月に新版が発行された。

アンコールに行くと、フランスに対する感情は、あまりよくなく、フランスチームによる発掘、再建の評判は日本チームに比べ低い。
ただ、本書を読むと、アンコール文明の研究に、フランスの貢献がいかに大きかったかがわかる。
特に、ャ純Xリエさんは、仏教に改宗してまで、研究に打ち込まれたという。
確かに、欧米人のアジア文化の研究は、宗教性への洞察がどうしても、浅くなるきらいがあるが、本書は、それを感じさせない。

アンコール文明を代表する24彫像について、詳説している。
見たこともあるものが多いが、改めて、ご説明いただくと、ふむふむとうなずいてしまう。
プノンペン博物館に多くの名品が収められているが、2001年に訪れた時は、あまり綺麗ではなく、照明も暗く、空調も悪く、あまりじっくり見れなかった。
それでも、印象に残っている名品の記憶は鮮明で、本書でも取り上げられている。
らい王のテラスにあったヤマ像も取り上げて欲しかった気がするが、50年以上前の価値観と、今の価値観では、違いもあるのだろうし、その後、新発見されたものも多いはずだ。

8月のパリのギメ美術館の名品も取り上げられている。確かに圧巻だった。

一つ驚くのは、プレアンコール時代の名品が多数取り上げられていることだ。
現在の観光が、アンコール中心になっており、アンコールに王朝が移る前の歴史については、軽視されがちだ。
ところが、本書を見ると、その前の時代の像の方が、もっと本質を突いているようにさえ感じられる。

幸い石造りの像が多く、名品が多く残されている。仏教、ヒンドゥ教関連の像が多く、日本人にも馴染みやすい。
アンコール美術に興味のある人には、導入本として、是非お勧めしたい。

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物語 ビルマの歴史

2014年04月27日 | Cambodia・Myanmar・Laos

今日もいい天気。
でも、いつも行っているコースで、何とワースト。
歳のせいとは思いたくないが、まずは、矯正が必要。



本書は、新聞の書評欄で知り、本屋に並んでいなかったので、AMAZONでゲット。
新書判だが、分厚く、結構、読むのに時間がかかった。

ビルマの歴史とあるが、近代史部分がほとんど。
それまでの歴史の記録があまりないこともあるが、過去の歴史と、イギリス統治以降の歴史の、継続性がないことが、ビルマの特徴かもしれない。
これは、明治維新や、他の東南アジア諸国と大きく異なるところだろう。

ビルマには、2回行っているが、近時の民主化移行以降大きく、変化している。
その辺の最新情報も交えた一冊になっており、現在のビルマの成立過程を知りたい向きには打って付けの本だ。

まず驚いたのは、イギリス統治と言っても、インドの準州という形で、国として認識してもらえなかったということ。従い、ビルマにとっては、イギリスに統治されると同時に、インドにも統治されたようになり、インド人労働者が大量流入したのは、その時期からという。

本書は、コラム的な欄があり、これがまたいいアクセントになっている。

例えば、日本で有名なビルマの竪琴の話は、ビルマでは噴飯ものだとか。
モン人のことは知っていたが、中国で言うモン族とは別の人種であることも知った。

ビルマの歴史で面白くなるのは、日本との関わりが出てきてからだ。
ビルマと中国を結ぶラインを遮断するために、日本は、ビルマに接近。
そして、占領するにいたるが、その過程は、かなりスリリングだ。
しかし、その後の泰緬鉄道では、大きな犠牲者を出した。
その後のインパール作戦では、日本自ら大きな犠牲者を出した。
ビルマに駐留した日本軍の犠牲がこんなに大きかったとは。

ただ、日本のサポートを受けたアウンサン将軍の娘が、たまたまながらも、今のビルマの運命を決定づけようとしている。

スーチーさんなど、中心人物については、伝記概略もあり。
結構すごい。自分が、スーチーさんの立場だったらどうしただろう?

今のビルマがなんでこうんなの?という思う向きには、まずお勧めしたい。
発見多数のこと、間違いなし!

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アンコール再々訪の旅その26 戦争博物館

2013年05月08日 | Cambodia・Myanmar・Laos


今回の旅行で、最後の最後に訪れたのは、戦争博物館。ここも、以前来た時はなかったと思うのだが。



内線当時に使われた兵器類が展示されている。



見ると、ほとんどがUSSR(ロシア)製だ。



戦闘機も展示されている。



ちょうど、陽が落ちるところだった。この日だったら、夕日もきれいだったかもしれない。



爆弾類も展示される。こんなものが、ばらばら落ちてきて爆発したのだから、考えるだけでも恐ろしい。



これが問題の地雷。内戦後も、多量の死傷者を出し続けた。



戦車というか、装甲車というか。
傷みが激しい。



地雷の穴が再現されている。



これで、空飛ぶ飛行機を打ち落とそうとしていたのか。



時間調整のため、ホテルのバーで一服。



帰りのシェムリアップ空港。すごい人出。
飛行機乗ってから、無意味に待機していたが(1時間ぐらい)、空港が混み過ぎて、チェックイン荷物の搬入が遅れたのが理由と言う。この調子だと、ますますキャパオーバーになっていきそうだ。



ホーチミン経由の夜行便で帰ったら、ちょうど箱根駅伝(往路)だった。
ということで、3度目のアンコールも大満足。
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