かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

EMI STUDIO Sessons 1967 vol.1

2022年06月30日 | The Beatles
昨日は、ビートルズ来日56周年ということで、一部で盛り上がったが、結構、メジャーな番組でも、ニュースや、クイズ番組で取り上げられている。
凄いことだ。
それにしても、56年前は、台風、今日は、猛暑。
なかなか大変な季節だ。



EMI Sessions シリーズ。
本作が7作目らしい。
SGTに取り掛かってからは、2作目。
前作は、Strawberry Fieldsと、Penny Lane 中心だったから、ここからが本番。
時期的には、1967年1月から、1967年3月。

全ての音源が残されているわけでないが、これだけ残っているだけでもすごい。
アンソロジーなどで聴いたことのある音もあるが、たぶん8割ぐらいは、初めて聴いた。

前作では、ほんのさわりだった、A Day In The Life の完成に至る経緯がわかる。
(空白を埋めるための)オーケストラバージョンの追加、ミドル部分の追加。
最後のピアノの和音は、最初はハミングでやろうとして、結構練習していたことも初めて知った。
その後、ピアノのEをできるだけ長く鳴らすことにして、9テイク目で成功。
単純に一斉に音を出せばいいと思うのだが、なかなかそろえるのは難しいものだ。

アーという声の主について、解説書の著者は、ジョンと思っていたが....と書いてあり、よく聞くと、ジョージのようにも聞こえた。
エコーがかかっており今一つはっきりしないのだが、ジョン、ポールの声とはちょっと違うような気がした。



SGT. Peppersは、コードだけのバージョンから入るが、Fixing A Hall同様、比較的早くかっこがついたようだ。
ポールの曲には、その傾向が強い。
Good Morning, Good Morning は、最初はかなり生煮え。
Being for the Benefit of Mr. Kite!は、コア部分は、かなり早く完成に近づくが、まだキラキラ音は入っていない。
ギターもさることながら、ベースが初期段階から特徴のあるメロディを奏でており、流石ポール。
ジョンの曲にもすばらしいベースラインを奏で、ジョンも気持ちよさそうに歌っている。

じっくり実験を繰り返しながら、完成させていく様子がわかる。
解説書には、その間のエピソードも加えてくれており、録音の合間に様々なミュージシャンのコンサートに訪れていたこともわかる。
Get Back session とまではいかないが、音作りの過程がわかって面白い。
この作り込み過ぎを反省してのGet Back Sessionだったはずだが、やっぱり時間が短すぎだったことが、この音源を聞くとよくわかる。

LSDの音源は、1日目の音源が残っておらず、2日目の音源のみとのことだが、雰囲気は、あるが、まだまだという感じ。

1967年のセッション音源は、これからもたくさん出ているので、聞いたらご紹介したい。
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EMI STUDIO Sessions '66-'67

2022年06月29日 | The Beatles
暑い日が続いている。
電力も綱渡り。



調子にのって次々に出るEMI STUDIO Sessions シリーズ。
いよいよ、SGT時代に来た。
本音源は、1966年11月から1967年1月の音源。
2か月間に4曲にしか取り組んでいない。
つい数か月前まで、ライブバンドだったのが、急にスタジオバンドになった直後。

長々とレコーディングしていた期間、アルバムがいつまで経っても出ないので、もうビートルズは終わったと思われたりもした。



それだけ、音作りにマニアックに取り組み始めた時期で、貴重な音源が聴ける。
解説書も充実しており、いろんな逸話が自分の耳で確認できる。

特にStrawberry Fields Foreverは、最初のデモから、一旦完成したように見えて、途中からドラマチックに変えて、それをつなぎ合わせた経緯まで、通しで、聴ける。
最初は、素朴、そして、メロトロンを加えたけど、まだ素朴、ところがストリングスや、逆回転ハイハットや、インド楽器を入れて、ケイオスティックに。
最後に素朴なテイクの前半と、キーもテンポも違うサイケ音源を無理やりつなげて、一つの名作に。
まさに、総合力の勝利?
それにしても、当時の器材でよくやったものだ。
もちろん、元歌がよかったので、名作になったのだけど。

When I'm Sixty four は、最初から結構メロディは、固まっている。
雰囲気も最終バージョンに近い。

Penny Lane は、まだあのピッコロトランペットの音が入る寸前のテイクまで、A Day In The Lifeは、アンソロジーで聴ける音源に似ているが、これもまだ結構初期の音源で特徴的なミドルもまだない。
ビートルズが、スタジオミュージシャンになった初期の音源で、アルバム制作に対する意気込みが伝わってくる。

このシリーズの本領発揮か。
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ディズニーとチャップリン

2022年06月28日 | Books
まさに梅雨明けの猛暑。
まだ6月。しかも数日残している。
梅雨の戻りはないのか。



著者の大野さんの講演を聞いた話はしたが、その後本書をゲット。
講演内容とかぶるのはわかっていたが、講演内容が、ひじょうに面白かったので、復習も兼ねて。

読んでみると、確かに、本書の内容は、最初からエピローグまで、ほぼ講演内容と同じ。
それだけ、本書、講演とも、完成度が高かったと言える。
ミクロのニッチの部分と、マクロの大きなストーリーテーマがバランスよく描かれている。

20世紀のエンタメの基礎を築いた二人。
その二人が、子弟関係だったこと自体、必然の奇跡?だったし、その後の二人の別れと、分かれた後もリスペクトしあった関係の維持も感動的だ。
コンテンツや、著作権についての考え方、その活用法なども、チャップリンから、ディズニーに引き継がれ、ディズニーは、それを大きく発展させた。
第二次世界大戦時の、戦争に対する考え方の違いが、二人が袂を分かつ原因となったが、戦争反対をつらぬいたチャップリン、アメリカの軍事産業とうまく付き合ったディズニー、どちらが正しかったかを判断するのは難しい。
その後の、保守的なディズニーと、リベラルなチャップリンについても同様。
ただ、リベラルなチャップリンを追い出したアメリカという国については、誤った判断だったことは明らかで、その後、20年振りに入国を許されてアカデミー受賞式での講演で、12分もスタンディングオベーションが続いたのは、今も記録だという。

今のディズニーランド、ディズニーチャンネル(ビートルズを見るために、2ヵ月だけ加入したが)からの収入の方が、ディズニーの元々の事業だったアニメ収入を大きく上回っている。
これも、ディズニーの教えが後輩達にしっかり引き継がれた証左だ。
ディズニーは、ビジネスに熱心で、チャップリンは、信念を持った作品作りにこだわり続けた。
チャップリンの方は、未亡人が、チャップリンの姿が変貌していくのを恐れて、そのコンテンツ使用には消極的だったが、21世紀に入り、徐々に動き出している。

エンタメ業界、コンテンツビジネス、戦争がエンタメ業界に与える影響等、いろんなことを考えさせられる1冊だった。
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SOFTLY

2022年06月27日 | Music
やっぱり、梅雨明けしてしまった。
夏の水不足、電力不足が心配だ。



山下達郎の新アルバムをゲット。
追っかけているわけではないのだが、前作も、即ゲットしたと記憶する。
もう10数年前?
その他にも、結構持っている。
たぶん80年代前半は、ニューミュージックと呼ばれていたと思うけど、今は、シティポップということで、世界中で大人気。
フォーク・ロックを中心に聞いていた私は、どうしても、興味は、海外中心になっていたが、お膝元の日本でも、世界に通用する音楽が作られていて、今海外発で見直されている。

メガジャケを注文したのだが、メガジャケボックスになっていてびっくり。
これを、真に受けて飾る人も少ないと思うのだが。
ネットでの特典申し込み券もついていて、もちろん申し込んだが、500人だから、当たる確率は低い。
当たったら、もちろんご報告予定。

コンサートもさっぱり当たらず(週末に引退発表をした拓郎のコンサートは、最近の3ツアーは全部なぜか当選)、今も申し込み中だが期待薄。
これが当たらなかったら、地方狙いに切り替えるか。

さて、アルバムだが、まさに達郎ワールド。
テレビ番組のテーマ曲として既に発表になっている曲も多く含まれており、それをゲットした人は、重複感もあるだろう。
私は、ちらっと聴いていただけなので、比較的新鮮に聞けた。
リミックスされているそうなので、既発表曲の方も、違った感動があるかもしれない。

歌詞が、やはりこの年になると難しいと思うのだが、若返った気持ちで作詞をしているように感じるがどうか。
その辺、おじさんを前面に出しているSKYEとはちょっと違う。
それが達郎流なのだろう。



これはおまけのライブCD。
昨年12月のアコースティックライブの音だが、これもいい。
レベルの高い繊細かつ勢いのある演奏が、きれいに聞ける。
アコースティックと言っても、バックも相応についているので、音の厚みもある。
最後は、コンサートが開催されたタイミングに合わせて、クリスマスソングだが、定番曲の方ではない。

次のアルバムはいつになるかわからないので、興味のある方は、ここで奮発してもいいのでは。
事前の期待値の高さにもよるが、後悔はしないと思う。
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EMI STUDIO Sessions '65-'66

2022年06月26日 | The Beatles


今日も完全に夏。
ゴルフだったが、後半だれてしまった。
暑さ対策も強化したい。
富士山は、傘雲が二段に。

Eternal Grooves さんの最新リリース。かつては、海賊版と呼ばれていたジャンルだが、音源が作られて50年経ち、著作件切れということで、次々と出ていて、今回は、65年から66年。ラバーソウルから、リボルバーにかけてのレコーディング音源になる。コンサート活動をやめる前だが、既にスタジオ録音に時間をかけるスタイルに移行していて、録音の時間を見ると、深夜に及んだり、徹夜の時もある。麻薬や、LSDの影響もあろうが、とにかく、延々と音作りをやっているようだが、その中で、名曲がマジックのように生み出された。テープの逆回転や、まだラビに会う前のジョージのシタールや、メロディアスなポールのベースや、新しいことにチャレンジしまくり。この時期になると、最初のデモから完成までの変化が激しいので、このようなメイキング音源はより興味深いものになる。全く新たに聞くのは、アンソロジーにもちょっと入った12-Bar Originalというインストだが、かなり長く、これをアルバムに本気で入れようと思っていたのだろうか。出来上がりに近いアセテート音源も入っているが、ギターの音が強調され、よりワイルドだ。クリスマスレコードの録音は、やややけっぱち気味に、出来立てのYseterdayのメロディに、Christmas Day という歌詞を乗せて、がなっている。この期間の中心にMBE勲章叙勲という栄誉があり、その時の写真がジャケットに使われている。マニア向けだが、ビートルズの歴史、ロックの歴史を知る観点から重要な1枚。解説書もコンパクトに要点を突いていて読みやすい。

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