本書は、数あるボウイ関係の本で、あえて選んだ分厚い一冊。
朝日の横尾さんの記事を読んで決めた。
とにかく大部だ。
671ページもある。
かつ、中身も、変化に富んでおり、まずは訳者に拍手。
原書を読んでいないので何とも言えないが、かなり難しいところもまで丁寧に説明し訳してくれている。
収められているのは、1969年から、2003年までのインタビューだが、特徴は、各々のインタビューの全てを収めているということ。
一部だけの抜き出しだと真意がわかりにくい。
それから、編者の各々のインタビューの背景についての説明も有効だった。
どういう環境で、どういうインタビューアーがインタビューをしたのかがわかる。
内容は本当に変化に富んでいて、彼の人生そのものだ。
目的的に動いているところもあるし、成り行きに任せているようなところもある。
ドラッグの影響も凄い。
1970年台半ばは、本当にひどくて、彼も全然覚えていないという。
また、1980年台ミドル以降の中だるみの時期は、本人もどういう方向を目指すべきか見失っていたという。
それだけに復活はすごかったし、最後の2003年のインタビューもしっかりしている。
その後始まったツアーで唐黷ト、以来、大衆の前にはでなくなってしまった。
チェーンスモーカーぶりもひどくて、彼の寿命に影響を与えてしまったことは、間違いないだろう。
交友関係もすごくて、特にギタリストについては、まさに共作者を次々変えることによって、彼自身も変わっていったことがわかる。
マニア向けだが、彼の頭の中を知るにはうってつけの本ではないか。