かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ローマ亡き後の地中海世界

2010年10月31日 | Books


今日は(私にとっての)とある記念日で、花が届いたので、とりあえず、載せておこう。



昨日、白州正子さんのことを、女傑と呼んでしまったが、今活動を続けられている人では、塩野七生さんも女傑と呼べるのではないか。その制作意欲は、とどまるところを知らない。ローマ時の物語完結後の大作がこのローマ亡き後の地中海世界だ。

緻密な調査と、わかりやすく迫力のある筆致で、読者は、その時代に引きずり込まれる仕組みだ。

ローマ亡き後、地中海に台頭したのは、イスラムだが、その教祖のモハメッドが生まれたのは、6世紀のこと。当時、イタリア半島は、四海洋都市国家(ジェヴァ、ピサ、アマルフィ、ヴェネツィア)と、ビザンチンと、ゲルマン系民族が、曼荼羅模様に支配している状況で、その間隙をついて、イスラムは、どんどん北に勢力を伸ばすことができた。イスラム教は、当時から、イスラム教を広めるために、戦争を行うことをいとわなかったという。

そして、この4海洋都市国家とぶつかることになった。しかし、一方で、通商交易は、続き、アラブ語から、多くの言葉が、西欧に入ってきたという。lemon、orange、sugar などの言葉だ。この辺、今の日中関係に当てはめると面白い。
海賊の存在も、この4海洋都市国家にとっては、やっかいな問題だった。海賊は、フランスが、アルジェリアを植民地にした19世紀まで続いていたのだそうだ。

イスラム教徒による、キリスト教徒の誘拐も日常茶飯事。大混乱の時代といってもいいだろう。人質を救うため、救出騎士団が何度も組成されたという。この流れが、十字軍につながっていった。この辺は、北朝鮮の拉致被害者を思い起こさせる。この世の中で、救出団を組んで乗り込んだら、戦争になってしまうが。

15世紀になると、トルコが力をつけ、地中海の情勢は、変化していく。トルコは、海賊を奨励し、自国の拡大に利用したという。当時のヨーロッパは、スペインとフランスが大国だったが、トルコと対峙することになった。ローマ法王が拉致されそうになったほどの緊迫した状況であったそうだ。

切りがないのでこの辺でやめるが、動きの激しい、この時期の地中海情勢だから、塩野さんの書きぶりが生える。西洋の歴史好き、及び、イスラム教とキリスト教の歴史に興味のある人に、お勧め。
日本もこの時期に、このような厳しい外交経験を積んでいれば、一方的に負け続け(に見える)の外交にはならなかったかもしれない。

写真も奇麗。塩野さんの本は、文庫本でも出始めているが、装丁も、中の写真も奇麗だし、是非単行本で読みたいところだ。
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私の古寺巡礼

2010年10月30日 | Culture・Arts

guitar今日は、台風通過予定ということで、ゴルフもキャンセル。朝10時に、竹内まりやさんのコンサートチケットが発売になったのだが、PCと、電話の両方で臨んだもののあえなく売り切れ。10時10分に、ネットが通じた時は、やったと一瞬思ったが、すでに売り切れ。プレリザーブも2回ともはずれ。プレリザーブでとれなければ、素人は、大概はGETできないようだ。拓郎もディランもとれなかった。拓郎は、その後、コンサート自体がキャンセルになっちゃったけど。



白州さんの本をもう一冊読んだ。恐れ多くも、"私の古寺巡礼"。本人が唯一の手掛かりだったと言っている"古寺巡礼"の、完全なパクリ。流石大物。”私の”を付ければ、何でもOK?

中身もよい。豊富な知識をひけらかすでもなく、でも、蘊蓄が存分。仏教に拘るわけでもなく、でも、仏像は、お寺で、見るべきだとのたまう。仏教も、神道も、日本の文化という観点から、偏見なく論じておられるのがいい。
冒頭の若狭の話から、ぐっと引きつけられる。

”旅というものは、出発点から終着点まに至るその間に味があるもので、たとえば、お寺を訪れるにしても、いきなり門前へ乗り付けたのでは、半分の興味もなくなる。”

いい言葉ではないか。

付録に、白州さんの年譜がついているが、すごい。お父さまは、樺山愛輔氏で、実業家兼貴族院議員。黒田清輝の"読書"や、"湖畔"は、樺山家の収蔵品だったそうだ。高校は、アメリカに留学している。もちろん戦前だ。白州次郎さんと結婚した時は、まだ19歳。今では、考えられないほどのお嬢様というか、波乱万丈の女傑というか。小さいころは、無口だったが、能を習ったり、乱読をしたり、変わった少女だったらしい。

”白州正子の作り方”なんて本、誰か書かないかな?今の世では、ありえない一生かな?私の祖母と同世代になる。

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スリランカ 巨大仏の不思議 誰が・いつ・何のために

2010年10月29日 | India・Sri Lanka・Nepal・Bhutan・Uzbekistan
rain明日は、たいへんな天気になりそうということで、ゴルフもキャンセル。どうなるかな?

question2仕分けがまた始まった。なかなか分かりにくいのだが、直感というものがあるかもしれない。
スーパー堤防?あまりにも、頭でっかちの壮大すぎるプロジェクトでは?
再保険特会の廃止?日本企業が、海外でのビジネスを拡大しようとする時に、どうしようもないのが、カントリーリスク。それをNEXIに一任してしまう?大丈夫か?
税金が不要な事業に使われることのないよう監視するシステムは、是非とも強化してほしいが。議論を見ていると、納税者つまり受益者の考えが届いていないことが感じられる。選挙だけで、意思表明ができないのであれば、どうやって意思を伝えられるのか。



スリランカの仏像についての本を読んだ。ずいぶん前に買ったのだが、”積ん読”になっていた。
書かれたのは、2004年。私が、スリランカに行った時期とそう変わらない。著者は、彫刻家。ユニークな本になっている。

仏教に拘泥するわけでもなく、仏像に拘泥するわけでもない、でも、相当のこだわりで、スリランカの仏像のほとんどを網羅・分析したユニークな本になっている。

かといって、一般読者にも興味がわくようにガイドブック的なところもある。

本書に言うように、確かにスリランカの仏像はユニークだ。大乗仏教の北伝と違うのはわかるとしても、南伝仏教(小乗)の流れから見ても、よくわからない。
インドのグプタ朝の仏像とは、むしろずっと離れたボロブドゥールの方が似ていると思うし。表情が、特にスリランカに住んでいるシンハラ人と似ているわけでもない。

私の経験から見ても、スリランカの仏教遺跡で見られる寺院跡、仏像などは、ガラパゴス的な、独特のものである。
仏教遺跡目当てで、スリランカを訪れる人に、お勧め。つまりマニアック向け?
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印と梵字事典

2010年10月28日 | Books

baseball楽天イーグルスの監督に、星野さんが決まった。戦力は引き続き厳しいと思うが。今朝TVを見ていたら、”仙一ホルモン”という店のオーナーが出てた。そういえば、星野さんのファーストネームは、仙一だった。このお店の名前は、仙台一を目指すということと、オーナーの母校(私の母校でもあるが)の名にちなんだものという。あまりにもはまりすぎ。オーナーもラッキーと言っていた。しばらく話題になりそうだ。



十一面観音巡礼という本を読んだ話は、した。その本では、章の変わり目に、梵字が書かれているのだが、十一面観音を表すのだという。そういえば、梵字について何も知らなかったっけと思って読んだのがこの本。やや詳しすぎる感もあるが、元がゼロだから、面白い。

梵字は、何となくサンスクリット語から来ているのかなと思っていたが、その通りで、中国で発展し、仏教伝来とほぼ同時期に日本に伝わったという。今や日本でしか、しかも仏教の世界でしか使われていない。

印は密教で生まれたもので、どんどん増えて、139種もあるのだという。ヒンドゥ教、インド舞踊と密接な関係があるそうだ。バラモン僧が元祖で、仏教者が印を結ぶことには、非難があったものと、本書は、推定している。

本書は、まず仏様の事典があり、そこには、絵と説明と印と印の説明と真言がセットで説明されている。

印の種類の豊富さは、あきれるほどで、かつユニーク。軍茶利明王の印などは、元首相の孫のタレントのポーズにそっくりだ。
金剛夜叉明王の印は、インド神話に出て来る怪魚であるマカラの姿から来ているという。
烏枢沙摩明王の印は、トイレに行く時に使われる印だそうで、だから、伊豆のどこかの寺院で、下の世話にならないための仏様として祀られていたのだ。寺院のトイレに祀られているという。

次に梵字の事典の部がある。仏様と梵字一字が、一対一対応で説明されているのだが、これは、梵字の真言の中から、最初の一字や、最後の一字や、ポイントになる一字を取っているということを知った。あの長い仏様の名や、真言を、一字で表してしまうのだからすごい。

最後に梵字の書き方まで紹介されていて、至れり尽くせりだ。

日常生活には、全く役に立たないので、マニアックな興味のある方向けの本。


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健康経営

2010年10月27日 | Topics
byeカセットテープ版ウォークマンがなくなるのだそうだ。30年が1サイクルというが、結構いろいろ節目が来ている。当時は、画期的だったが、今から見ると、いかに大きく、重たかったことか。ipod nano のような製品が、30年後に登場していると、当時想像できただろうか。

ambulance今日は、健康経営についてのセミナーに出る機会があった。

サラリーマンなら、年に一度の健康診断があるだろう。本人にとっては、面唐ュさいしし、会社にとってもコスト。大企業にも家族的経営が許されていたような古きよき時代の名残が、残っていると思っていたら、いまや、すごい先進的なことみたいだ。
確かに、海外駐在の時、ローカル企業にこんなシステムはなかった。終身雇用と同様、実は、日本的経営のいい点の一つと言えるらしい。

いろんな分析が発表されたが、長期休業率は、以下の要因で下がる(いいこと)という。
疾病予防費が高い、退職率が低い、給与格差が低い、平均給与が高い、女性割合が高い、年齢が低い等々。何となく、そんなイメージはあったけど、数字でも表れている。

一般人と、企業で定期健診を受けている人との間にも、心筋梗塞発症率などで、明らかに差が見られるという。

会社、健保、社員すべてにメリットのある仕組み作りは、夢ではないようだ。
メンタルヘルスなど、精神的な病については、予防は難しく、セイフティネットを作ることぐらいしか、まだできないみたいだけど。
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