アンコールワットのデバター像には、いろいろあるが、歯を出して、笑っているのは、この像だけか。
有名なので、頼めば、その場所に連れて行ってくれる。
歯を出して、笑っているのも独特だが、全体の出来栄えも、出色である。
この浮き彫りを生み出した感覚自体に感服するのである。
この像に勝る浮き彫りを知っている人は、教えて欲しい。
”積読(ツンドク)”が得意で、なかなか読書が進まない中、津本陽著の”新釈水滸伝”を読了した。
中国の古典もちょっとかじってみようということで、”西遊記”を読んで、これが第二弾。
西遊記の時も、感じたが、日本の古典に比べ、暴力の表現がすさまじい。国民性の違いと言っては申し訳ないが、日本民族との違いは感じざるを得ない。
”梁山泊”というと、何となく、志のある者達が集まる場所という意味で、ポジティブな意味に考えていたが、この本を読むと、確かに水滸伝のいう”好漢”が集まるのだが、この”好漢”どもが、ほとんど凶暴な893である(もちろん正義のためなのだが)。
水滸伝は、北宋時代の徽宗皇帝の時に、宋江(そうこう)ら36人の賊が、乱を起こしたという短い史実がふくらまされてできた物語というからすごい。
ただ、やっぱり、残酷シーンが多すぎる(物語だからいいけど)。
アンコールワットには、ところ狭しと、レリーフ(浮き彫り)が施されている。その中でも、一番多いのが、デバター像(女神像)である。アンコールワットだけで、全部で、2,000体ほどあると言われているが、これを彫り続けた情熱と、その芸術性、斬新さには、唖然とする。容易に見れない高いところにまで、掘り込まれている。クメール芸術の、ひとつの典型と言える。失礼だが、現在のカンボジア人が、これだけの仕事を成し遂げられるとは到底思えない。
この女神像を類型化して分析すると面白いだろうが、そこまでやった人はまだいない。
暇とお金のある人は、是非トライして欲しい。
最近は、DVDで音楽を流しながら、本を読んだりすることが多くなった。5.1CHなので、ただのステレオよりも、音が楽しい。
今日のお題は、David Bowie の、Reality Tour。このDVDは、値段も、とっても安かった。ずいぶん聴き込んだが、なかなか臨場感あふれる作品。メニュー画面の時の、音が大きすぎるのが唯一の難点。
シンガポールで、生をかぶりつきで、見た時の迫力はすごかった。特に、ベースは、ふっとびそうな音だった。Bowieの歌は、硬軟両様で、ベテランの本領発揮だった。選曲も、私のような半分素人には、最高。新旧取り混ぜ、聴きたい曲は、かなりやった。そういえば、シンガポールでは、Ashes to Ashes のイントロをやり直したのだが、いまだに、その理由が、わからない。間違えたようでもなかったのだが。演出だったのだろうか。
このコンサートは、私にとって、初めての、憧れのDavid Bowieのコンサートだったので、いたく感動し、その後、リトグラフなどを購入し、家に飾っている。中学の時から、ずうっと、存在感があるエンターテイナーだ。
70年代前半、来日して、友人が、わざわざ武道館に行った話を興奮気味にしていたのを、今も覚えている。そのころのコンサートの映像は、今は、Ziggy StardustのDVDで、見ることができるが、神憑っている。TREXとともに、グラムロックともてはやされた時代だ。David Bowieは、ロック魂を残しながらも、時代の流れに乗り続けている。