本書は、奇縁まんだらの第3巻。
第2巻は、ディープだったが、第3巻は、どちらかというと、一般受けする有名人とお会いになった時の話が多い。
表紙を見ても、長谷川一夫さん、美空ひばりさん、田中角栄さんなど、有名人だらけ。その他にも、勝新さんや、森繁さんや、ミヤコ蝶々さんなど、文学に直接関係ない人も多く取り上げられている。
その中で、私がお会いしたことがある人が一人いた。平山さんだ。
平山シルクロード美術館で偶然お会いして、レストランでもたまたま居合わせて、瀬戸内さんのように、生意気にもいろいろ話をしていただいた。
瀬戸内さんの平山さんに対して持った印象とまったくいっしょ。美智子夫人に対する印象も。
鎌倉の平山邸に招かれたのは、あの薬師寺の壁画制作の最終段階だったという。
瀬戸内さんによって描かれた人物像が、内容は凄いのだが、誇張ではなく、かなり自然体で、描かれていることがわかる。
横尾さんの絵もインパクト強いが、よく見ると、忠実な輪郭な中に、個性を、色や、タッチで、見事にそのキャラを描き出していることがわかる。
この5人の絵など、個性を表しているという点で、秀逸である。