今日は、日中バタバタだったが、夜は、何回かめかの丸キャリTravel×JR東海の企画の「奈良を知る。日本を知る。」のセミナーに行ってきた。
もう30回目という。
今日の様子は、6月下旬の日経に掲載されるそう。
第一部は、西山克さんの「龍、飛ぶ」というお題の講演だった。
西山克さんは、何度か講演を聴いた西山厚さんのお兄さんということで、よくも兄弟そろってマニアック?
龍というと①王権の象徴、②仏教の守護者、③水神というイメージだが、私は、仏教の守護者というイメージがちょっと薄かった。
本講演では、古代から、中世まで、龍が仏教にとっていかに重要な存在だったかを、いろんな記録を元に説明してくれた。
正倉院には、紅龍と呼ばれるミイラがあるが、これは、ミイラ化した貂(テン)。
奉納された経緯は不明だが、室町時代に正倉院を開けた際、雨が降ったとの記録があり、当時より、龍は雨を降らすものと考えられてきたらしい。
平安時代には、雨乞いの神社として、有名な諸神社の他、貴船神社、室生龍穴神社があげられており、当時から、高龗(たかおかみ)神(水神)を祀る神社として、有名であったことがわかる。
室生龍穴神社は、行ったことがないので、次回室生寺に訪れる機会があったら、お参りしたい。
この龍穴神社にいると言われている龍は、元は、猿沢池にいたが、身投げがあったため、香山(こうぜん)(春日山の南にある)に移ったが、そこに死人が捨てられたため、室生龍穴に移ったと伝えられているそうだ。
この龍穴は、たぶん火山活動の際できたもので、かつて、雨乞いのために、その穴に入ったお坊さんがいて、そこで出会った龍に、穴の外だったら姿を現すと言われ、穴の外で、龍が上半身だけ姿を現したところ、雨が降ったと伝えられる。
まさに、水神としての龍だった。
一方、貝と龍との関係を記す逸話も多いという。
貝と言っても九穴の海貝=鮑のことで、九穴の物は、極めて珍しく、不老長寿の薬と信じられている。
それが、那智の滝の滝つぼに沈んだため、その水に薬効があると信じられてきたという。
かつて雨乞いのため、花山院が、忍性上人を伴って江の島の龍穴に仏舎利を奉納したところ、小蛇が現れ、雨が降ったとも伝えられ、龍、蛇、雨のつながりは、各所、各時代で見られる。
長谷寺の観音様は、有名で、私も足に触らせていただいたことがあるが、その両脇におわすのが、雨宝童子と、難陀龍王(法華経でいう八大龍王の内の一人)で、観音様の家来と考えられている。
岡寺には、悪龍を池に封じた龍蓋池があったりもする。
龍の目撃談も多く伝えらるが、多くは、竜巻現象と考えられるという。
ということで、龍が、古代から、様々な形で、人の生活や、信仰と関わってきたことがわかる。
最後に、てるてる坊主がない時代、牛の絵を板の両側に書いて、逆さに吊るしたという言い伝えが紹介された。
その心は、うし→しう→止雨なのだそうだ。
嘘のような本当の話。
第二部は、地球の歩き方の編集長の宮田崇さんと西山さんの対談。
知らなかったのだが、地球の歩き方は、ダイヤモンド傘下から学研傘下に移ったのだという。
それとは関係ないが、かつては、海外だけだったが、最近は、国内とか、ムーとかの企画物も増えていて、これも宮田さんが編集に携わるようになってからという。
国内物は、オリンピックに合わせて東京版を作ろうとしたのが、きっかけ。
東京オリンピックは、不発に終わったが、その東京版が予想以上の売れ行きで、国内物も作るようになった。
御朱印巡り版や島旅企画も、宮田さんが、仕掛け人。
今回は、奈良の話なので、中南和地区の魅力なども語られたが、大和川沿いには、有名な観音様が多く、観音様をテーマに巡るのもいいし、スイーツ巡りをするのも面白いとのこと。
紹介されていた寺社はほとんど行ったが、壺阪寺には、まだ行けていないので、いつかお参りしたい。
ムーには、邪馬台国の居城が鳥見山にあったという説を取り上げており、私が、先日いった纒向近辺の散策も勧められていた。
また、鳴動伝説が残る寺社も多く、いろんなテーマを持って、旅をすると楽しみも増すのではないかというお話。
Q&Aコーナーで、宮田さんに対し、旅の時に持っていくものは、という質問に対し、「旅を楽しむ心」と答えられていた。
なかなかいい答えと思った。
一言で、旅と言っても、いろんなハプニングもあるし、必ずしても楽しいことだけではないかもしれないが、それらも含めて楽しんでしまおうという意味と理解した。
これからも旅を楽しみたい。